金子功 私物 1987年秋冬 PART2

金子さんが京都で着た服

ヘリンボーンツイードジャケット 初代ニワトリプリントシャツ
西陣の「鳥岩楼」で水だきを食べる金子さん。「金子功のピンクハウス絵本」でカメラマンの大西公平さんが着た物の色違いである。ジャケット、シャツ、タイ、パンツと全身微妙な同系色で統一した色彩感覚はさすが!ジャケットの裏地は写真2のシャツと同じで、カニ刺繍のエンブレム&エルボーパッチ&くるみボタンと細部も凝りに凝っている。ジャケット¥59,000、
古門前通りの古美術店「てっさい堂」で。…クロワッサン1987年9月25日号(No.237)

NEW!

写真1のジャケットは当時、流行最先端の形をしていた!

ホットドッグプレス1987年10月10日号(No.177)「図解・定番商品チェックノート」では、定番12品目について、6ブランドの服を選出し、その中から最も流行のシルエットに近いブランドの服の細部のディテールを完璧にチェックしていた。「TWEED JACKET」の部門では、カールヘルムがブルックスブラザーズ、メンズ・ビギ、インスパイア、タケオ・キクチ、マーガレット・ハウエルを抑えて選ばれた。

極端に着丈が短い物はOUT。今季はLサイズで約75〜77cmの物が主流。ただし腰のシェープ位置をやや高めにとってあるから、それほど着丈が長い感じはしないはずだ。
このところVゾーンは狭くなる傾向にある。だからフロントボタンは3個が正解。また段返り衿でないほうが今日的だ。前ボタンと袖ボタンの合計は5個になるのが基本。
袖は、肩から袖口にかけてゆるやかなテーパードラインにカッティングされている物のほうが恰好もよいし、腕も動かしやすいはず。ただし、極端なカットの物は滑稽だ。
縫製の良し悪しは、丸く縫われた部分を見ればわかる。たとえば、裏地のアームホール部分などは、メーカーの縫製技術の見せ所。ここがよければ他の部分もOKなはず。
胸が薄く顔の幅の広い日本人の体型には、肩幅のやや広い上着のほうがマッチするといえよう。ただし、極端に広い物は逆効果。せいぜい、48〜52cm程度の物が無難だ。
体の動きに合わせてウールは多少伸縮するが、裏地は伸び縮みが少ない。そのために背裏地にはキセという一種のアクションプリーツが必要になるというわけだ
肩山の部分は丸いうえに、肩パッドなどが入り、非常に複雑な縫製工程が必要となる。とくにこの部分の仕立てが悪いと肩山にエクボ状の凹凸が出るので要チェックを。
衿のステッチは、あるほうがスポーティー、無い物はエレガンスと覚えておくとよい。欧州調のややシックな着こなしを目指すなら、衿ステッチが無いほうを選んでおこう。
胸ポケットは上着のスタイルによって選ぶ。チェンジポケット付きの純英国調の上着ならウエルトポケットのほうが気分だし、仏調の小粋な服にはパッチポケットが合う。
胸がウエルトで腰がフラップポケットなら米&英国調の上着。胸がウエルトで腰パッチ、およびスリーパッチポケットは欧州調のスタイルが、どちらかというとマッチする。
今シーズンもまたクラシックなノーベントスタイルの物が主流だ。またあえてベントの付いた上着を選ぶならやや浅めのサイドベンツまたはセンターベントがおしゃれ。

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