「化粧はしているほうが好き。男の人にない特典だから、最大限に活用すべきよ」と金子さん。
ショーの本番前のリハーサル、どうしてこんなモデルを選んでしまったのだろう、と後悔する。それが本番になると、あぁよかったと安心する。すべて化粧のせいなのだ。メーク前とメーク後のこの違い! モデルにしてこうなのだ。
化粧の必要性は感じていてもナチュラルな、優しいメークの絶対的支持者。
いわく「サーファーのブルーのシャドーと白い口紅はいや」「こわいメークも、化粧品メーカーのポスターにあるような不自然なメークも嫌い」「口よりも口紅を小さく描くっておかしい」
時代性とか趣味が入ってくるのがメークの特徴だ。流行に素直に従ったほうがいい場合もある。
「他の人の意見を聞いてよくなる場合もあるんじゃないかしら」
顔色はナチュラルに仕上げて、ポイントは真っ赤な口紅。口のラインに従って忠実に描きます。間違っても小さく描かないこと。似合えば、目の回りから頬にかけてピンク系の紅を。ブルーなど色味のあるシャドーは厳禁。
アンアン1983年9月23日号(No.397)「有名ブランドデザイナーの意見 うちの服はこんなメークで着てもらいたい」より