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夢見空間のテンプレート あなたの外にある空間は、あなたの脳がつくるものであって、 どのように世界をとらえているかは、あなたの認識の枠組みそのものにかかっています。 そして、アプリオリに、つまり、経験に先立って、脳の中で認識されているといわれています。 言い換えると、あなたの脳には、あらかじめ直感的に、空間を認識する能力があるということです。 視覚や聴覚のための感覚野があるように、空間認識のための領域があるはずですね。 それが「場所細胞」とよばれるもので、そのニューロンクラスターが海馬にあります。 場所細胞は絶対空間を把握しており、移動のたびにニューロンが新生し、現在地を確認しています。 移動することを確認し記録することは、移動の順序を記録することであり 順序を並べることは、同時に「時間」を把握することも意味しています。 場所細胞は、移動する際にはシータ波で一括で管理し制御されることで、目的に到着しています。 いちど覚えた経路に再度挑戦するときや、目的地についてから経路を振り返るときには リップル波をバックグランドにして、記憶を再更新しています。 海馬の「どこだ情報」が、移動しながら「なんだ情報」を組み入れます。 目的地に着くことで「これだ情報」と結びつき、セットとして記憶を更新するということです。 すなわち海馬が主導して、記憶のリプレイという作業を通して 「エピソード記憶」が構成されたことになります。 実は夢見においても、場所記憶のリプレイが見られます。 ノンレム睡眠においては、リップル波上で、レム睡眠においてはシータ波上でリプレイされています。 実際の移動の際にもリプレイし、夢見においてもリプレイすることで 記憶の強化を図っており、「生き残る」ために空間認識を構築していると言えるでしょう。 この場所細胞と結びつくのが感情の色付けをする偏桃体です。その空間の印象を割り当てます。 心地よい空間であるとか、息苦しい感じだとか、恐ろしい雰囲気があるとか…。 これらの印象の割り当ては、あなたの「主観」を反映していると言えるでしょう。 夢見のステージは、特定の場所を選びます。つまり、「海馬」が担当している。 その場所には特定の「感情」が割り当てられており、ストーリーが始まる「空間」となります。 そのような夢見の空間の「原型」があなたの「脳」にアプリオリに テンプレートとして組み込まれているのではないかとわたしは考えています。 夢見には場所の枠組みの次に「事物」の認識が不可欠です。 「事物」が登場するのは、エピソードに付随する位置の目印として「物」を想起するからです。 空間における物の変化やその移動が時間を表現していることにも注目しなければなりません。 「空間」と「事物」を設定しているあなたの夢見テンプレートは たぶん、他の誰かと似ています。なぜなら、アプリオリに、脳が設計しているからです。 目が見えるようになってから見える世界が、あなたのまわりの人たちが見ている世界と あまり違わないで存在しているのと同じように、 あなたの見ている夢も、他の誰かと似ているのかもしれませんが、 それでもなお夢は個人的で、繊細なものであり、あなたの「主観」が創り出しているのですね。 もちろん、主観は「認識の枠組み」という大枠におさまるものです。 今日見た夢は思い出せましたか? わたしは忘れてしまいましたが気にしてはいません。 夢見の再読み込みポイントを、海馬の場所ニューロンが見つけ出してくれるでしょうから。 |