誰もが解離性をもっている

解離性同一性障害。

ひとつの「身体・脳」に複数の異なる人格が存在すること。
自己同一性が分裂し、異なる人格が交代であらわれること。

唯一の親友と大喧嘩したときのあなたの頭の中を想像してみましょう。

友達なら許してくれる。ささいな悪口にすぎないと思う…あなた。
冗談がすぎたかもしれないが、今回は助言だと考えている…あなた。
告げ口と受け取られたが、悪気はなかったと感じている…あなた。

3人のあなたが同時に存在し、それぞれが独立しているのですから、混乱状態といえそうですね。
でも、これって普通のことですよね。解離しているのが、当たり前の状態です。

ところで、大喧嘩したときに頭に浮かんだ現実のとらえかたは
そもそも、誰のものなのでしょう。

あなたが思っていること、考えていること、感じていること。
それって、全部、あなたのものじゃないかも?
言い換えると、誰かのものを自分のものにしているってこと。
最初のおしゃべりがあなたの脳に取り入れられ、やがてあなた自身がおしゃべりをはじめる。
おしゃべりの中で育ち、おしゃべりの形で「認識」はあなたの脳にネットワークを構成する。
そうですね、すべて外部から取り入れたもので、あなたのものではなかったはず。

身体の中には無数の微生物たちが共生のかたちで生きているように
あなたの頭の中には、無数の人たちの「現実認識」が共存しているのです。
その人たちが、頭の中でおしゃべりをする。
解離しているけれど、わたしという「主語」を使って、同一性を担保する。
「わたし」はつねに揺れ動いており、夢見もそのようにふるまいます。

自己同一性を維持しようと夜の脳が懸命に活動している。
日中に起きたイベントによる強いストレスや心的外傷に対する防衛反応として、
夢見においてあなたの人格は解離し、多重人格的な「あなた」が登場するわけです。