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彼の顔をきちんと覚えている? 壁にあるしみのような模様が、何気なく微笑んでいる「顔」に見えてくる。 夢のなかに登場してくる人物の顔も、実はそのような感じ。 誰かに似ているようだったり、知らない誰かに見えたりとさまざまですね。 日常的に会っている人の顔は記憶として固定しているように感じるけど…。 でも、よく思い出して! 例えば、大好きな彼の顔。 その顔って、真正面から見た顔? 横顔、斜め後ろからみた顔、どこから見た顔? ぼんやりしていない? それらしい顔はイメージとして思い浮かぶだろうけど。 実際の彼の顔じゃないのかも? スマホの写真の彼なら、間違いなく彼なのにね。 それらしい彼の顔が、彼の顔だと感じるのは、「一般化」しているから。 彼の顔を写真のように細部まで記憶しているわけじゃない。 あらゆる角度からみた彼の顔をすべて記憶しなければならなかったら、 彼といっしょにたった1日を過ごしただけで、記憶容量が足りなくなる。 彼の顔だとわかる程度のイメージだけ、つまり「一般化された彼の顔」で脳は済ませているらしい。 たくさん見ている彼の顔の映像は、次々と忘れ去られているということ。 顔ベースに、脳のあちこちに分散する「目・鼻・口・耳・眉…」の部品を 並べただけで、彼の顔らしいと認識しているにすぎない。 次々と入力されている「彼の顔」を次々と忘れることによって、「彼の顔」を覚えているということ。 脳にとっても、夢にしても、忘れることを大切な作業としているのですね。 忘れることで、今日も生きていけるわけです。 |