夢見は記憶に感情のラベルをつける

夢を見ることは、エピソード記憶に感情のラベルを貼る作業だとわたしは思っています。


感情は生き残るための本能的な反応を瞬時に引き起こします。
人間は理性的な生き物だと言われていますが、
それはほんの一場面でのことに過ぎないのではないかと感じています。
私たちは、常に脳が働いていて、何かしら「言葉」が思い浮かんでいます。
言葉をつないで考えているとき、新皮質にあるニューロンクラスターが連携しはじめます。

連携を引き出すのはニューロンクラスターの同時発火です。
同時発火を促進させるインデックスが「感情」によって構成されております。
なぜなら、記憶を固定する司令塔が「海馬」であり、評価づけするのが「偏桃体」ですから。
感情の色づけがない「意味記憶」は無色で、言葉をつむぐときには補助的な役割しかありません。
エピソード記憶はあなたそのものという存在を確立させてくれますが、
何かしら考えたりするときの主体であり、あなたそのものの「存在を維持」するだけにすぎません。

感情記憶から構成される「生存回路」ともいうべき仕組みが脳にはあって、
生き残るためのさまざまなボトムアップのアルゴリズムを積み上げています。
夢はその積み上げのためにあるのだとわたしは考えます。

その積み上げがうまくいかないと心理的に「ほころび」が生じることがあります。
日常の生活がうまくいかない感じがして生きている意味を失います。
不安な夢は誰もがみているわけであって、
そのとらえ方がわからないままでいることは不安が増えてくるばかりです。
脳には不安を促進させる「反芻機能」が装置として備えられていますから。

夢見をもとに、脳に再び語り掛けることで、
あるいは意味を理解することで現実は変わります。
夢見を自分なりに理解すること、
それが心の健康につながり、あなた自身を生き生きとさせてくれます。
しかしながら、夢見の主体であるあなた自身の睡眠が十分でなければ、
健全なレム睡眠は確保されず、感情のアルゴリズムの積み上げも不十分となります。
もし、今日の夢見を夢日記にかけたのなら、そこから始まる脳の中での「SNS」が
あなたに、何かしらのメッセージを拡散しはじめることでしょう。今日はぐっすり寝てくださいね。