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DARUMASHI-KIKOU PRESENTS
TAHITI BORABORA 〜タヒチの海は碧かった〜
第5弾は「シャーク・フィーディング〜ヨットクラブでの夕食」のエピソードです。
4日目 7/22(土)
シャーク・フィーディング
今日はいよいよ、楽しみにしていた『シャーク・フィーディング』(サメの餌付けツアー)の日だ。
ラグーン・リゾートから出ているアクティビティでは、毎週水・土曜日はピクニック付きで9:00〜15:30まで(その他の曜日は9:00〜12:30、日曜はお休み)ということだったので、「お昼ご飯の心配もしなくていいや。」と今日土曜日に予約を入れておいた。
でもお天気は、あいにく小雨模様。「行けるのかなー?」と不安を抱きつつも、集合場所のメインビーチに向かう。人は集まっていたが、決行かどうか確認することも出来ずボーッと立っていると、アクティビティ関係らしきおじさんが私に「今日は中止だよ!こんな天気の日に行くなんてクレイジーだよ!」ってなことを言ってきた。「え〜っ、今日中止だってぇ〜・・・」と夫に言うと「バカだなー、からかわれてるんだよ〜!」振り返るとそこにはさっきのおじさんがニヤニヤして立っていた。「や、やられた。」
タヒチの人たちはこの手のジョークが大好きなようだ。これまでにも、ビーチで借りたタオルを返す場所を探していたら、「ここだよ。」とゴミバケツを指差してニヤリ。プールサイドを歩いてたら、夫を捕まえて肩を組み「マイ・ワイフ。」ホテルのビーチボーイ(歯抜けのナイス・ガイ)は常にみんなにちょっかいをかけていた。
そうこうしている間にお迎えに来た2隻の船に分乗する。1隻はエンジン付きのアウトリガー・カヌー(片側に浮きが付いているカヌー)、もう1隻は屋根付き高速モーターボート。私たちはカヌーの一番前の席に座った。
カヌーの方に乗ったお客は全部で10名ほどで、内日本人は私たちを含めカップル3組とアメリカ人のご主人とペアで来ていた女性の計7名。この女性はアメリカ在住の方で、モチ英語ペラペラ!ガイドからの注意事項など(ここでも当然、説明はすべて英語)、通訳していただけて凄く助かった。
ガイドはフランス人青年、船の操縦にスーパーマリオそっくりなタヒチアンのおっさん。彼を見つけたとき、私たちがスーパーマリオのテーマを口ずさんだことは言うまでもない。
船はラグーンリゾートを出発してマティラ岬の方向に進んで行く。私たちの乗ったカヌーが先に出発したのに、あれよあれよという間にモーターボートに抜かされてしまった。
小雨がパラついていて風も冷たく、水着の上にTシャツ・短パン、足元にはアクアシューズ、それでも寒かった。カヌーの浮きが上げる波しぶきが顔や体にかかって寒さ倍増。「こんなんで海に入るのぉ〜?風邪ひきそ。」と弱気モードのスイッチが・・・。
ところが、マティラ岬周辺に差し掛かると雨も上がり、雲も切れてきた。
「うっわー、何これ!?すっごいきれー!!!」マティラ岬周辺の海は、ラグーンリゾート周辺の海とは比べ物にならない美しさ。『クールバスクリン』の水色の海が一点の濁りもなく、どこまでも果てしなく続いてるような感じ。その辺りはすごく浅くて巨大なサンゴがいっぱいあるので、船は超低速走行。サンゴに乗り上げないように慎重に進んでいった。
マティラ岬をぐるっとまわって、島の反対側の海を進む。また雲行きがあやしくなってきた。
走行中、船頭をしていたフランス人青年のガイドは、私たちの後ろに座ったアメリカ人男性(日本人女性とペアの方)とずーっとくっちゃべっていた。私たちの頭の上を通り越して・・・。 なんでも彼は、アメリカへ留学し、日本(新潟)で教師をし、今はボラボラでガイドをやってて、そろそろフランスへ帰ろうかなということらしい。ちなみに彼女は日本人だそうだ。 アメリカ人相手に「久々にたくさん英会話できて嬉しいよ!」ってなことを言ってた。
サメサメ船はしばらく進んで停泊、いよいよ『サメの餌付け』だ。
水面にロープを張って、みんながそれを掴んで1列に並ぶ。それより向こうには出るなということらしい。潮の流れがけっこう速いので、ロープに掴まってないと流されてしまう。深さは身長157cmの私が爪先立ちでアゴを上に上げてればなんとか立ってられるくらい。ちなみにここではフィンを着けてはいけなかった。
エイの群れマリオたちが魚の切り身をちぎって放すと、ロープの向こう側にはサメが、エイが、チョウチョウウオが、名前は分からないけど細長い魚が、やって来る来る!サメはそれほどたくさんいなかったし、目の前でというほど近くまで来た訳ではないが、それでも壁も何もない同じ海の中、すぐ近くにいると思うと興奮した。でも魚たちは不思議とロープのこちら側には侵入してこない。なぜ?
ロープにかじりついて見ていると、足が前に浮いてきてロープの向こう側に行ってしまい、ちょうどロープで逆上がりをしているような格好になってしまった。体勢を直そうともがいていたのに、夫に、「何やってんの?危ないからやめなさい。」と叱られた。遊んでいると思われてしまったのだ。ウェ〜ン!
餌付け終了。船に戻ってまたしばらく海を進む。
ウツボ
▲夫のベストショット「ウツボ」
次に停泊したところは全体にマリンブルーの透明な海だが、一部分だけ周りよりも少しブルーが濃くなっていて、透明度も更に高い。どうやらここが『コーラル・ガーデン』らしい。
「ごくボラ」のクチコミ情報で見て、水上タクシーに乗ってでも行きたいと思っていたので、ホテルでもらったアクティビティガイドに、『サメの餌付けツアー・・・サンゴの庭園と呼ばれる場所でのスノーケリングや・・・』と書いてあるのを見て、「も、もしや!行けるのか?」と期待したとおりだった。
あまりの嬉しさに、寒さを忘れ・・・忘れられるはずがない、さっ、さぶぅ〜〜っ、夫のダジャレよりさぶい! 水着になり、シュノーケル、マスク、フィンを装着していざ海へ!! 気合いじゃ気合い〜〜っっ!!
ドボンと入ったそこは、まさに天然の水族館!大小色とりどりのサンゴに、青いの、黄色いの、赤いの、紫色の、お魚ちゃんがあっちにもこっちにも。時の経つのも忘れて追い掛け回した。
夫と離れてしまった私が夫を探してその場でくるくる廻っていると、マリオが手を引いて足が着くサンゴのところまで連れて行ってくれた。どうやら溺れていると勘違いされたらしい。
その後もマリオは私たちが持っていた「水中写ルンです」で二人の水中写真を撮ってくれたりした。なんていいヤツなんだ!マリオ!
たっぷり20〜30分はシュノーケリングを楽しんだだろうか、終了の合図とともに船に戻る。海から上がると、水に濡れた体が風に当たって気持ちい〜〜い・・・ワケないじゃん!ブルブルブルブル・・・・・、さみーよー。 体を拭いてTシャツと短パンを着込み、バスタオルを肩と膝にかけて体が温まるのを待つ。ホントにここは南国? 興奮覚めやらぬままに、またまたボートは移動。
無人島からの眺め今度は無人島モツでのピクニックだ。この頃にはお天気も回復し、日も射してきた。
屋根付きのテラス(かまどみたいな調理場もあった)があって、先に来ていたらしい(?)タヒチアン2人とマリオがギターを弾いて歌を歌いながら食事の準備を進める。楽しげで何やらとってもいい雰囲気。
料理は伝統的なポリネシアスタイルのメニューらしい。細長い葉っぱで編んだトレイに手づかみで料理を取っていくビュッフェ形式。最初にマリオが1品ずつ丁寧に説明してくれた。
全体の雰囲気は「いかにも南の島」的で良かったが、やはり「得体の知れない食べ物」という気持ちは拭い切れなかった。チキンステーキ、タヒチアンブレッド(ココナツ味のカステラ)、フルーツは美味しかった。
食後はこの無人島でしばし休息。サンゴの白砂が太陽に反射してまぶしい、あっという間に歩いて1周できてしまうほどの小ぢんまりした島だ。
2回のシュノーケルでけっこう体力を消耗した私たちは浜辺に腰を下ろして、ただただ美しい景色を眺めてボォーッとしていた。
かなり長い間休憩した後、出発。さっきくつろぎ過ぎたせいか、脱力モードバリバリの私たち。「もう終わりかなぁ? 帰んのかなぁ?もうかなり満足なんだけど・・・」
午前中とは打って変わって強烈な日差しで、Tシャツの上からでも肩や背中がジリジリと痛い。今回の旅行で初めて 『暑い』と感じる。
やはり、「あ〜、満足満足。」程度では帰してくれないのがボラボラのアクティビティ(?)。 またまた澄んだ水色の海で停泊。「も1回あるのかぁ〜・・・」またもや弱気モードの私たち。
エイッ!海底は白い砂、深さはサメの餌付けの時同様にアップアップな感じで、今度もフィン付けちゃダメと言われる。 またまたマリオたちが魚の切り身をばらまくと、寄って来るは、寄って来るは、エイがそこらじゅうにウヨウヨしてる!見ている私たちの周りをグルグル回遊して、しばらくするとまた別の場所に移動してそこでもグルグルを繰り返してる。 ヒラヒラしてて、なんだかとってもカワイイ。
エイは海底を泳いでいるので底まで潜らないと手に触ることが出来ない。えいっ!夫は必死で触ろうとしていたが、体が浮いてきて底までは潜れないのであきらめたらしく、今度は「せめて足でも」とエイを追い掛け回して自分もグルグル廻っていた。
あまりの楽しさに、さっきまでの疲れもどこへやら?な二人であった。
結局、ラグーンリゾートからボラボラ本島の周りを半時計回りにぐるっと1周まわってホテルに戻った。
ボラボラの美しい海を堪能できる、とても素晴らしいアクティビティだった。

ヨットクラブでの夕食
今夜の夕食は大本命『ヨットクラブ』へ出かけることにした。
また昨日のうさんくさいちょびヒゲがフロントに居るんじゃないかと心配してたが、今日はフランス人女性のフロントに難なく予約クリア。
部屋で昼間の疲れを癒し、ピックアップに間に合うようにヴァイタペ港へ向かう。
ピックアップが来ていなくても、昨日の教訓があるので慌てることはない。とりあえず待ってればいいのだ。
昨日に比べれば意外に早く(?)お迎えがやって来た。すでに数名のお客が乗っている。日本人カップルも1組いた。
ヴァイタペからマティラ岬とは反対の方向に10分程度走って到着。
入り口の看板には世界の雑誌でこのレストランが紹介されたページがピンナップしてある。日本の『海と島の旅』も貼られていたが、かなり昔の記事のようだった。
ヨットクラブ内装ヨットクラブのワンコこのレストランもまたワンコがお出迎え。真っ黒なムクムクの大型犬だ。
店を入ると正面にバーカウンタがあり、その左手奥にレストランフロアが広がっている。円錐形の高い天井には世界の国旗やヨットの旗がたくさん飾られているがゴチャゴチャした感じはなく、なんとなく『大人のリゾート』な雰囲気。とってもいい感じ。
案内されて席に着き、「とりあえずヒナノ!」 メニューは日本語でも書かれているのでありがたい。
今日はそれぞれ前菜とメインを摂ることにして夫は『シーザーサラダ』『マヒマヒの香草焼き』を、私は『フィッシュスープ』『エビカレー』をオーダーする。
おもしろい形の容器に入ってフィッシュスープ登場。見た目はブイヤベースの汁だけって感じの色合い。1口すすって「ん〜、こりゃサイコー!おいちー。」 味も見た目のとおり、魚のだしが良く出た濃厚なスープだ。
一緒に出てきたニンニクペーストをフランスパンに塗り、スープに浸して食べてみるとこれまたナイス・テイスト!チーズを溶かしてややマイルドにしてみたり1杯で何度も美味しいスープだった。かなり量は多かったがペロリとたいらげてしまった。
シーザーサラダも今まで他で出たサラダとは違ってみずみずしかった。
お次はメインのマヒマヒ香草焼き、盛り付けも美しくあっさり上品なお味。そしてエビカレー、クリーミーかつスパイシーなカレーにプリプリのエビ!「ボラボラにもちゃんと美味しいものあるじゃん!」と大満足の二人であった。
前菜 前菜 メイン メイン
▲シーザーサラダ ▲フィッシュスープ ▲マヒマヒの香草焼き ▲エビカレー
ボーイに食後のデザートやコーヒーを勧められたが、もうお腹いっぱいだったので断ってチェックを済ませピックアップを呼んでもらおうすると、ちょっと待てという。どうやらある程度人数がまとまらないと送ってもらえないらしい。 他の人たちが食事が終わるまでさっきの席で待っているように言われた。やっぱりここでもか・・・
周りを見渡してみると、フランス人やアメリカ人の客は必ずと言っていいほどデザートをオーダーしている。あれだけ食べといて、よく入るなぁ?しかもかなりおしゃべりが盛り上がっていて、食事の手は遅々として進まない。
少しイライラしてきたが、「どうせなかなか終わんないだろうなー。」とあきらめ、ボーイを呼んでエスプレッソコーヒーをオーダーする。「さっきいらないって言ったのに?」みたいな様子でキョトンとしていたが、かんけーないね!1番最初に食事を終えていた私たちは退屈しきってしまった。
玄関に居たワンコが食事中のテーブルの周りをウロウロしてる。お腹すいてんのかな?オーナーとおぼしき初老の紳士が促して犬を玄関に戻す。どうやら飼い犬らしい。
かなり時間が過ぎてみんなの食事が終わり、やっと港まで送ってもらえた。やはりボラボラでのピックアップはかなりのクセものである。これ教訓。
前菜とメイン、ヒナノ各2本ずつとコーヒーで10,000CFPほど。決して安くはないが、ホテルの食事に比べればリーズナブルで味はバツグン!最後のハプニングで「いい気分」は半減してしまったけど、滞在中いちばん満足できた食事だった。

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