映画のページ
2001 NL 86/93 Min. 劇映画
出演者
Carice van Houten
(Minoes - 猫)
Theo Maassen
(Tibbe - ジャーナリスト)
Sarah Bannier
(Bibi van Dam - ティベの家主の娘)
Hans Kesting
(Harrie de Haringman - 魚屋)
Olga Zuiderhoek
(van Dam 夫人 - ティベの家主の奥さん)
Pierre Bokma
(Ellemeet - 工場の持ち主)
Jack Wouterse
(市長)
見た時期:2002年7月
このところ立て続けに子供映画を見る機会に恵まれました。アメリカ、スウェーデンに続き今度はオランダ映画です。原作は児童文学。映画も本も知りませんでした。というわけでスチュアート・リトル 2 を見た時は勇んで駆けつけたわけではなかったのですが、今ではせっかくの良いチャンスだと思うようになり、ぶつくさ言わずに出かけて行きました。
スチュアート・リトル 2 に比べ Pettson & Findus - Kattonauten からは良い印象を受けたのですが、ネコのミヌースを見てやはり子供映画だからと言って手を抜かない監督の方が多いのではないかと思い始めました。オランダという国からはファムケ・ヤンセンが出て来ているし、国内用に作った映画のリメイクをハリウッドでも作っているので無視はできませんが、映画産業は全体としては地味な方です。アムステルダムを舞台としたスリラーなどを見たことはありますが、映画大国ではありません。
国内では有名、国外の私は全然知らなかった女優ファン・ホーテンは見ようによってはロシア風のクラシックな風貌の若い女性です。演じるのは猫の役。子供の映画ではこういうことが許されます。始まりはちょっと前に紹介したスパイダー・パニック!風で、ミノーシュという猫を轢いては行けないと避けたトラックから缶が落ち、その中身を舐めた猫が人間に変身してしまいます。化け猫です。猫はうら若い女性に化け、訪ねて来られたのは冴えないジャーナリストのティベ。猫の恩返しです。ミノーシュが女性に変身して間もない時、犬に追いかけられたのをティベに助けてもらったといういきさつがあります。
彼女が身の上を説明してもジャーナリストが信じるわけはありません。風変わりな女性だぐらいに思ったようですが、彼女がニュースを持ち込み、ティベが記事にし、新聞社から首にされるのを免れて以来コンビを組んで働くようになります。古い金貨を発見したり、デオドラント工場拡張の話をスクープしたり、屋台が車に追突された事件の第1発見者になったり、とこれまで冴えなかったティべは一躍町のトップ・ジャーナリストになります。最初はのんびりと猫の話を記事にしていたティベは今や売れっ子事件記者です。ただ、事件を追うと、追ってもらいたくないと考える加害者も出て来るわけで・・・。
というわけでいろいろな事件、冒険に出くわしながら話が展開します。子供をバカにするどころかマジな作品に仕上げています。俳優はみな大人の映画に出演するのと同じようにしっかり働いています。スチュアート・リトル 2 とつい比べてみたくなってしまうのは猫。リトル家の飼い猫とそっくりな猫も出て来ます。
日本に住んでいる時は猫は魚を食べるものだと信じて疑いませんでした。ところがその確信はドイツに来てもろく崩れ去ってしまいました。到着して暫く家賃が安くて済むというので共同生活のアパートで暮らしていたのですが、猫を飼っている同居人のいるアパートが多く、それも2匹飼っている人が多かったです。どういうわけか猫は飼い主のベッドではなく新入りのベッドで寝るのが好きなようで、必ず私の所へやって来ます。そのうち飼い主が私が猫を気に入っているのだと誤解して、「餌をやってくれ」と頼まれるというのがお決まりのコース。猫が私を気に入っただけで、私は猫好きではないのですが、日本語はドイツのネコには通じませんでした。その餌というのがいつも肉を主にした食べ物。魚は見たことがありませんでした。それで私は猫というのは生まれた時から肉を与えると肉食になるのか・・・などと勝手に解釈していました。ところがこのオランダ映画では猫はみな魚が大好物。人間になってしまったミノシュも魚につられて嫌なことでも「はい」と答えてしまったりします。なるほどやはり猫は魚を食べるものなのだ、と20年以上前の確信に戻った次第です。
猫好きの井上さんにはお勧めの映画です。
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