映画のページ

スピード1

ちょっと前にサンドラ・ブロックの話題が出ました。あの時井上さんが以前に書いた記事も見てみました。同じ映画好きでも細かい所では私たちの意見はよく分れるのですが、どうやらブロックに関しては一致しているみたいです。

どういう偶然か近所の週末無料の映画館でブロックのスマッシュ・ヒット、スピード (1) をやっていたので見に行きました。近所にただの映画館があるというのはとてもうれしいことで、毎年夏場だけやっています。工場跡、廃墟とも言える建物を譲り受けて、ガレージのような建物のレンガの壁にテント地のようなものでスクリーンを張り、向かい側の工場の3階ぐらいの高さからプロジェクターで映します。子供の頃夏休みに公園で映画を見たのと雰囲気は似ています。見に来るのはほとんどが大人。夏場に夜野外で映画を上映するにはまず辺りが暗くなるのを待たなければなりません。それが先日夏の穴でも触れたように、5月末、6月始め。9時頃からボツボツ暗くなり始め、6月末は10時。暗くなるまで待つんです。すると子供は寝る時間になるのでたいていは来られません。ハリー・ポッターの日は両親付きでたくさん子供が来ていましたが、こういうのは例外です。

いろいろ自由経済の世界には規則があって、ただで見せる映画館は宣伝をしては行けないんだそうです。でないとお金を取る映画館のお客さんを取られてしまい、フェアプレイの精神に反するとか何とか、裁判所などが難しいことを言うらしいです。ではただで見せる映画館はどうやって生き延びるか。会場で飲み物を売って生き延びています。ただだと言ってもフィルムの世話をする兄弟がいて、あちらこちら電話で手配をしたり、フィルムを受け取りに行ったり、プログラムの印刷をしたりと、結構雑用でお金もかかります。上映中の拘束時間もやっていることも映画館に勤務している人と同じですから、報酬も誰かが払わなければ行けないはずです。というわけで売店でピーナッツとビールを売ってお金を捻出しているようです。横っちょでお金を取る映画館も一応経営しています。そちらは廃墟の工場の中で、椅子などもセカンド・ハンドではなくサード・ハンドではないかという古い物ばかり。苦労がありありと見えます。何せ、この近くには地下鉄の駅、繁華街など人が集まる要素がゼロ、近くに住むか、自転車に乗るか、たまたま近くを通るバス路線のどこかに住んでいるか、ま、そういう条件に合った人ばかりが来ます。車で来てもいいようなものですが、あまり見かけません。

上映するプログラムは一流のものばかりです。グウィニス・パートロフの愛しのローズマリーハリー・ポッタームーラン・ルージュなどドイツ公開からあまり長い時間が経っていないもの、メン・イン・ブラック(1)、マトリックス (1) など 2 が公開される少し前におさらいのために 1 を見せる場合、あるいはもう他の映画館では絶対に見られないようなショーン・コネリーのジェ・ムズ・ボンド、大フロップになって見事に海底に沈んだウォーターワールド、クリント・イーストウッドのスパゲッティ・ウエスタン(ドイツではマカロニと言いません)など、映画ファンだったら文句なしに喜ぶミックスです。前に短編がついている時もあります。

映画の前にかかる音楽は謎かけになっていて、何かしら映画に関連しています。ロシアより愛をこめてを上映した時にはソビエト連邦の国歌がかかりました。ムーラン・ルージュの時は前に見せたのがパリを撮影したドキュメンタリー映画。その間ずっとシャンソンがかかっていました。それが終わると兄弟の片割れが前に出てきて挨拶。これがまたおもしろいです。映画の知識もかなりなものですが、話し方が上手で、みな大笑い。浅草の六区に連れて来て何かしゃべらせてもいけるのではないかと思います。最近はみなこの挨拶を楽しみにしていて、彼が登場すると拍手がわきます。

話がずいぶん長くなったので、この辺で終わりにします。スピードについて読みたい方は次のページ見て下さい。

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