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デビルズ・バックボーン /
El Espinazo del Diablo /
The Devil's Backbone

Guillermo del Toro

2001 Spanien/Mexiko 108 Min. 劇映画

出演者

Fernando Tielve
(Carlos - 孤児院の生徒、新入り)

Inigo Garces
(Jaime - 孤児院の生徒、古株)

Junio Valverde
(Santi - 孤児院の生徒、行方不明)

Marisa Paredes
(Carmen - 孤児院院長、片足がない)

Federico Luppi
(Casares - 孤児院の医者)

Eduardo Noriega
(Jacinto - 用務員)

Irene Visedo
(Conchita - 雑用手伝いの女性)

見た時期:2002年8月、ファンタ

2002年 ファンタ参加作品

後記: この作品、地味だったからでしょうか、日本では2年も経ってから公開のようですね。きっちりした作りの作品で、私はキッドマンのアザーズより好きです。こういう静かな作品を作った監督が実は陽気で、ヘルボーイを持ってベルリンへやって来ました。話す機会があったのですが、私が日本人だと分かると、歌を歌ってくれたり、「ありがとう」と書いてくれたり、サービス満点。ヘルボーイもしっかりした作りですが、デビルズ・バックボーンと比べると陰と陽のように正反対です。(2004年8月)

ストーリーの説明あり

スペイン語系の映画の出来の良さには前のファンタでも感心したのですが、今年もいい作品がいくつも来ていました。私は探偵小説などが好きなので、オカルト物には本来関心が無いのですが、ジャンルが違うからといって侮れない佳作が次から次から出て来ます。

デビルズ・バックボーンは厳密に言うとオカルト映画なのですが、人間関係の描写でも手を抜いておらず、オカルト部分をすっかり抜いてしまっても、見る価値があります。子供の世界、大人の世界、スペインの政治問題のドラマが人里離れた孤児院に繰り広げられます。大げさにならず、抑えたトーン、しっかりした骨組みで出来上がっています。そこに幽霊が登場。この世に遣り残した事があって成仏できないのです。悪い幽霊でなく、主人公の少年にこの世とあの世の中間から連絡を取って来ます。

舞台になる孤児院にはどうやら何か秘密があるようです。幽霊が出るのもそのあたりと関連していますが、不自然な人間関係にも何か秘密があるようで、という風にミステリアスな状況が陸地の孤島と言ってもいいような、乾いた土地で繰り広げられます。車の運転もできない小さな子供たち、孤児院の大人は4人切り。時たま訪ねて来る男たちはまっとうな人間ではない様子。庭にドンと腰を据えている不発弾。この不発弾が落ちた日に子供が1人消えています。破産寸前の貧しい孤児院。この先どうやって生きて行くべきかという時に、政変があって、全員外国へ逃げなければならなくなります。不安要素、トラブルだらけ。さあ、どうなるか。

ハリウッドとは違い、最後までどうなるか分からない上、安易なハッピーエンドにはなりません。地味な作品ですが、力作。リメイクするならマイケル・ケイン、クリスチャン・ベイル、ヘレン・ミレン程度の俳優を揃えないと行けません。

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