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2003 USA 90 Min. 劇映画
出演者
A.J. Cook
(Kimberly Corman - 幻覚を見る女の子)
Andrew Airlie
(Mr. Corman - キムの父親)
Michael Landes
(Thomas Burke - 刑事、大事故をまぬがれ、キムの命を救う)
Ali Larter
(Clear Rivers - 1年前の事故の生存者)
Tony Todd
(William Bludworth - 火葬場の死体処理人)
David Paetkau
(Evan Lewis - 大事故をまぬがれる)
Terrence Carson
(Eugene Dix - 大事故をまぬがれる)
Jonathan Cherry
(Rory - ラリっているドライバー、大事故をまぬがれる)
Keegan Connor Tracy
(Kat - 大事故をまぬがれる)
Justina Machado
(Isabella Hudson - 臨月の近い女性、大事故をまぬがれる)
Sarah Carter
(Shania - キムの友達、事故死)
見た時期:2003年3月
ファイナル・デスティネーション /
Final Destination
2000 USA 98 Min. 劇映画
出演者
Devon Sawa
(Alexander Chance Browning - 幻覚を見る少年)
Barbara Tyson
(Barbara Browning - アレクサンダーの母親)
Ali Larter
(Clear Rivers - アレクサンダーの忠告に従い飛行機を降りた女性)
Daniel Roebuck
(Weine - FBI)
Roger Guenveur Smith
(Schreck - FBI)
Chad Donella
(Tod Waggner - 機を降りたクラスメート)
Seann William Scott
(William Hitchcock - 機を降りたクラスメート)
Kerr Smith
(Carter Horton - 機を降りたテリーのボーイフレンド)
Amanda Detmer
(Terry Chaney - 機を降りたカーターのガールフレンド)
Kristen Cloke
(Valerie Lewton - 機を降りた付き添いの教師)
Tony Todd
(William Bludworth)
見た時期:2000年8月
Fanta Finale
2000年のファンタ、フィナーレでファイナル・デスティネーションを見ました。処刑人、ドーベルマン、ダークシティーなどがフィナーレに来るのに慣れていたところへ、高校生の青春物が来たので意外に思いました。しかしジャンルが意外だったことを除けば、作品はそれなりにおもしろかったです。
★ ファイナル・デスティネーション(1)
まず1の方ですが、空港から始まります。教師同伴でパリへクラスの修学旅行に出ようとしている高校生の1人アレックスが、飛行機の離陸寸前に幻覚を見ます。今にも飛び立とうとしている飛行機が爆発し、大勢が死ぬという内容で、やたら具体的です。
パニックに陥ったアレックスはクラスメートにその事を告げ、友人たちに飛行機を去るように言いますが誰も相手にせず、大騒ぎを起こしたアレックスが飛行機からつまみ出されてしまいます。ごく僅かの友達、騒ぎに巻き込まれた人だけがこの時機外に出ます。クラスはアレックスたちを置き去りにして出発。その直後、まだ飛行機が空港内を滑走している時に幻覚通り爆発炎上。機内にいた同級生と先生は死亡。
アレックスが事故を予告したので、FBI は彼が事件を起こした側の人間と考え、密着監視。(後記: これ2000年の話だから密着監視などとのんきな事言っていられますが、2001年秋以降ですと、アレックスは逮捕されかねません。)しかし生き残った僅かな人たちの中から1人、2人と原因不明の不運が重なって事故のような形で死ぬ者が出るにつれ、生存者は悪魔か何かの仕業だと考え始めます。
欧米には死を日本人のように誕生 → 成長 → 死という流れの中にある人生の現象の1つという風に捉えず、頭巾をかぶり、大きな鎌を手にした、人間と同じかっこうをした存在と考える習慣があります。宗教が一般の人に分かりやすく死を説明しようとしてこういう風にしたのかも知れません。
ファイナル・デスティネーション(1)の中でも死を人のように言い、その死が「我々を飛行機事故で捕まえそこなったから今取り返しに来るのだ」という言い方が出て来ます。
アレックスはその理論に従い注意をしますが、生き残りグループはなかなか信じません。死の方は一枚上手で、いろいろ工夫を凝らしたアクロバット的な死に方を考え出して攻めて来ます。果たして誰か生き残れるか・・・という趣向で終わります。
結局ほとんどの人が死んでしまう上、この映画は最後の最後まで油断がなりません。終わりまできちんと見ましょう。この事件は謎のまま終結し、その1年後・・・。 そうです。これはラストサマーと同じコンセプトで作られた青春ホラーです。
★ ファイナル・デスティネーション 2、別名デッドコースターにつながる
ファンタのフィナーレにしてはちょっと弱いと思っていたのですが、その第2弾が来ました。題してデッドコースター。独創性の全然無い発想で付けた名前、こういうタイトルだと、二番煎じで、前の作品よりインパクトが落ちる気配が見え見えです。
実際はどうか。悪い予想を見事に裏切ってくれました。二番煎じというのは早合点。エンターテイメントに徹した本式の青春ホラーでした。
出演者は前回同様あまり有名な人たちではありません。皆殺しの作品に出ると、続編に出演できる人が減ってしまい、おなじみの顔と言えば、生き残ったクレアと死の事を良く知っている死体処理業のおじさんだけ。しかしそのため誰か1人が大きく注目される事がなく、観客はストーリーに集中できます。
今回は修学旅行ではなく、若い友達が数人キムの車でフロリダのビーチ・パーティーに出かけるという設定です。友達がマリワナを吸ったり、他のドライバーがコカインでラリったりするシーンがあるので、日本ではここはカットになるかも知れません。しかしストーリの重要な部分にそれほど関係がありません。高速道路に差し掛かった時、キムは突然恐ろしい幻覚に襲われます。カー・スタント総出の物凄まじい事故が起きます。しかしもっと怖いのはこの事故ではなく、その少し前、トラック、乗用車、オートバイなどが高速道路の礼儀を守らずひどい走り方をしているシーンの方。
事故が起きるシーンは予告で何度も見ているので知っていましたが、改めて映画館で物語の1部として見るとかなりの迫力です。大型トラックが大木をいくつも運んでいるのですが、そのロープが切れ、後ろにいた車に衝突、その車が列からはみ出て次々に衝突を繰り返して行きます。このシーンだけで入場料を払う価値があります。 こういうスタントはアメリカがお得意。プロのスタントマンが何人も出て、スタント監督エリスとしっかり打ち合わせをして、スタント・カメラマンが撮っているので、見ていて心配する必要はないのですが、それでも凄いです。
これは単なるキムの幻覚。本番はその後に来ます。ほとんどが幻覚と同じように進行しますが、キムはちょうどそこにいた警官とトラブっていて助かります。警官は事故の寸前にキムから「今から大事故が起きる」と聞いた本人だったので、わりとすんなり彼女の話を信じます。彼女が警官ともめていたので渋滞になり、そのおかげで命拾いした人が数人います。キムの話を与太話と信じない人もいますが、一応注意。実は1年前にこれこれしかじかの事があって・・・という話はテレビのニュースにも流れているので、観客だけでなく、登場人物も皆知っています。
今回の生存者からも犠牲者が出始めたので、キムは意を決して、前回の生存者クレアを訪ねます。クレアは精神病院に身を隠しています。クレアの協力を得て死の捜査を始めますが(昔「死の捜査線」とかなんとか似たようなタイトルの作品がありましたが、ここでは死の危険のある捜査をするという意味ではなく、クレア、キムたちが「死」を捜査し始めます)事故で死なずに済んだバーク刑事が都合良く警官なので時々警察のデータ−ベースが使え、目当ての人を見つけると、バーク刑事が同僚に「捕まえておいてくれ」と頼めるなど、御都合主義も多少あります。しかし 出演者は感じのいい人たちで、見ていて文句を言おうと思うほど腹は立ちません。皆徐々に死に近づいて行きます。これも2重の意味になっていて、探偵のように「死」氏を追いかけてずる賢い「死」氏の作戦を解明していく一方、グループから犠牲者も出ます。
死の捜査が前の作品よりひねってあり退屈しないのと、冒頭の大スタント・シーンが飛行機事故より迫力があること、他の映画から上手に引用してグループの死に方に工夫があることで、前作よりおもしろくなっています。ユーモアも忘れておらず、悲惨な死に方をしますが、観客からは笑いも出ます。同じホラーでも最近大流行したリングよりすっきり楽しめました。フィナーレから察するにファイナル・デスティネーション 3 もできるでしょう。
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