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2008 UK 111 Min. 劇映画
出演者
Jason Statham
(Terry Leather - 中古車のディーラー、強盗)
Keeley Hawes
(Wendy Leather - テリーの妻)
Saffron Burrows
(Martine Love - テリーの元恋人、強盗)
Michael Jibson
(Eddie Burton - 機械工、強盗)
Stephen Campbell Moore
(Kevin Swain - 写真家、強盗)
Daniel Mays
(Dave Shilling - ポルノ俳優、強盗)
David Suchet
(Lew Vogel - ポルノ産業の顔役)
Alki David
(Bambas - 機械工、強盗)
James Faulkner
(Guy Arthur Singer - いかさま師、強盗)
Peter De Jersey
(Michael X こと Michael Abdul Malik、人種差別反対の運動家)
Colin Salmon
(Hakim Jamal - マイケルXの友人、ゲイルの恋人)
Richard Lintern
(Tim Everett - MI5)
Rupert Vansittart
(Sir Leonard Plugge - 保守党議員)
Hattie Morahan
(Gale Benson - 保守党議員の娘、マイケルXの友人、MI5)
Sharon Maughan
(Sonia Bern - 政界に食い込んでいる売春宿のマダム)
Alan Swoffer
(John Lennon - 歌手)
Louise Chambers (王女)
Gerard Horan
(Roy Given - 買収されていない警察官)
Rupert Frazer
(Lord Drysdale)
Christopher Owen
(Mountbatten - 王女に近い王族)
Angus Wright
(Eric Addey - アマチュア無線家)
見た時期:2008年6月
映画に出て来たエピソードは100%真実ではないという話ですが、90% 事実だと言う人もおり、実名がかなり出ています。また映画の描写に似たような出来事は本当にあったという事が一般メディアで報道されていました。中のいくつかをご紹介。
★ 件の人 1 王女
一部有名人は名前をそのまま出しています。その中、超有名人に当たるのがマーガレット王女。1930年から2002年まで生きた女性で、エリザベス女王(2世)の妹。親父さんが国王になる予定ではなかった時に生まれており、最初この家族は王位継承をしない王族の1人と思われていました。おそらくは最初の6年は幸せな生活を送っていたのではと思われます。
そこへふって沸いたような伯父さんの退職。《その他大勢》の王族だったアルバート家は突然《国王一家》になってしまいました。世間の注目が集まってしまいます。
そんな中、大戦末期に離婚暦のある大佐との恋。実際の理由は全く別な所にあったのですが、ちょうど伯父の件で「王としては離婚暦のある女性との結婚は許されない」という決断が下ったばかりだったので、「女王の妹が離婚暦のある人と結婚するのは良くない」となってしまいます。で、この話はつぶれます。実は妹に多少なりとも理解を示していたのは、その間に即位していたエリザベス女王1人だったそうで、マーガレット王女の精神的な負担はかなりなものだったようです。その後の彼女の私生活は波風の連続で、その1つのエピソードが1971年の出来事のようです。
★ 件の人 2 マイケル X
アメリカのマルコム X というのは聞いたことがありますが、イギリスにはマイケル X という人がいたそうです。黒人のための市民運動家という触れ込みで、事実そういう活動もしていたようですが、後ろ暗い事もやっていたらしく、バンク・ジョブに出ている話はほぼそのままという印象です。履歴を読むと活動家という前に犯罪者と言った方が良いような経歴なのですが、驚いたことに当時ジョンとヨーコの援助も受けています。
映画の終わりにマイケルは捕まり、その後死刑になったとありました。これは事実だったらしく、別な情報源でも処刑されたとありました。
★ 件の人 3 ゲイル
ゲイルは本当に議員の娘で、本当にこの事件で命を失いました。マイケル X が正式にその件で死刑になったのかは分かりませんでしたが、当局がゲイルの死の責任がマイケルにあることを認識していたのは事実のようです。
映画の中では彼女の死体が掘り起こされたシーンが出ます。実際にはもう1人死体で発見された男性がいたようです。
★ 件の人 4 ハキム
ゲイルの恋人がどうなったかについてはクレジットで出るだけですが、死にます。
★ 差し引き黒字か
強盗の側から見た話ですが、事件全体を見ると本当に1番遠慮がちに犯罪を犯したのが強盗団。市民生活に与える負の影響という基準で見ると1番罪が軽いです。それでも仲間らから犠牲者は出ます。
それに比べると伝統的なモラルから見ても、金銭的、人的な無駄遣いという点から見てもあくどいのはそれ以外の関係者の方。税金という金の泉があるためか、政府上層部の本人が絡んでいるためか、後手後手に回る対策にお金、人材を投入。当時のイギリスは音楽産業1つを取っても十分儲かっていたのであれで良かったのかも知れません。しかしその時代でも生活に困窮している人もいたので、王女様の気まぐれに振り回されている税金支払人という図式はムッと来るでしょう。
この作品の最後いくらか笑えるのは、見えては行けないのに妙に善良に見える強盗が黒字になったからなのかも知れません。当局と取引を成立させ、今後お互いに一切関わらないという協定ができたそうです。こういうところのさらりとしたユーモアが英国風かなあと思います。
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