映画のページ
2009年3月7日-8日
今年もベルリンとハンブルクが先行します。開催は3月上旬。今年は英語圏の作品がやたら多いです。全部で9本です。
去年から春先のファンタにも通しのパスができています。
以前は夏のファンタに積み残したアジアの作品が翌年の春のファンタに来たため、アジアの作品特集の様相を呈したこともありました。今年はそれは無いようで、アジアからは韓国だけ。作品としては楽しめそうなものが去年より多いような気がします。
妻を失って悲しんでいる刑事が連続殺人の捜査に当たるという話。
後記: 寒い地域で寒い季節が舞台になっていて雰囲気が良く出ています。キャスティングは半分ダメ。特にチャン・ツィーの演技が学芸会のレベルで、なぜ彼女が採用されたのかは不明。クウェイドももっと合った役を演じているのを見ているので失望。逆に良い演技を見せていたのはクェイドの長男を演じた若手と登場時間が少ないのに健闘したペーター・ストルマーレ。
ストーリーは全体の3分の2辺りまでまあ良い方。セブンの亜流という感じです。最後の3分の1で話が急に萎んでしまいます。
真っ白な雪山に真っ赤な血がほとばしるナチ・ゾンビ映画。
後記: 血はそれほどほとばしりませんでした。この日見た作品の中で1番弱いです。登場人物に魅力を欠き、ゾンビもあほらしい感じです。やたら腸にこだわり、何度か見る機会があります。非常に脇の甘い脚本でした。
懐かしいスザンヌ・ヨーク、ボンドガールのエヴァ・グリーン、そしてライアン・フィリップも出ています。宗教の絡んだスリラーだとか。
後記: 雰囲気の作り方が良く、画面に独特のスタイルがあります。ストーリーは好みによりますが、こういうのがいいと言う人もおられるかと思います。キャスティングもこの日見た作品の中では良い方です。ストーリーは以前見たダークシティーなどに比べると弱いです。
画面でいい雰囲気を出しているので劇場で見ることをお薦めします。
本来は3D映画なのだそうですが、ベルリンとハンブルクは技術的な問題で2D上映だそうです。私は3Dだと頭が痛くなることがあるのでその方がいいです。80年代の血のバレンタインのリメイク。
後記: 2Dで見ました。3Dを意識した撮影が目立ちます。ストーリーは以前ファンタで見た Darkwater の系統。出来は Darkwater の方がいいですが、それなりの工夫は見られ、ハラハラするという点では十分合格点に達しています。
ミステリー・クラブなら犯人に関してのミス・リーディングが過ぎると文句が出るかも知れません。ぶつくさ・・・。しかし冒頭の大量殺人シーンと最後誰が犯人か分からず迷うシーンはよく健闘しています。
古い病院に忍び込んだ若者2人が死体を発見。ところがその死体が生きていた・・・!?
後記: 女性の扱いがあまりにひどいので呆れますが、国際婦人年などに注目をする女性たちはこういう映画がいいようです。最後に女性がひどい事をする男たちにガーンと一発食らわせるからいいのかも知れませんが、私に言わせるとそれまでの長い時間ひどい目に遭わされていることを考えると収支計算ができないのかなと思ったりしました。
その話を脇に置くと主人公の2人の男性は力強い演技でよく健闘していました。典型的な頭が悪い上に性格の悪い奴と、そういう多数派に囲まれて自分のモラルを通そうとする良識派のクリンチが良く描けています。
うらぶれたガソリンスタンドで誘拐被害者、誘拐犯、ゾンビが繰り広げるビールス感染ホラー。
後記: ・・・なのであまり期待していなかったのですが、かなり健闘していて、今回のファンタの順位ではかなり上の方に行きます。
ホラー映画なのに登場人物がそれほどアホでないのと、彼らの行動にそれなりの理屈があって納得が行く点が珍しいです。脚本上の性格描写が的確な上に演じている役者も良く健闘しています。
クライヴ・バーカーの小説の映画化。住むと狂うという噂のある幽霊屋敷の調査を始めたのはいいけれど・・・。
後記: 私は Splinter よりこちらの方に期待していたのですが順序が逆になりました。3分の2程度(映画の長さではなく質)は良くできていますが、主人公の女性の俳優にちょっと違和感を抱きました。落ち着いて考えると結構独創的な展開になっていて、思ったような筋の運びにならず、意外な結末になるのですが、その良さが十分表に表われないです。逆にス Splinter は非常に単純な筋なのに脚本が抜けておらず、俳優もしっかり脇を固めて演技しているので Splinter の勝ちです。
1930年代に日本軍が残した地図をめぐっていい奴、悪い奴、変な奴が入り乱れての争い。韓国版の西部劇だそうです。
後記: 韓国は数年前まで毎年力のこもった犯罪映画を持ち込んで来ていて良かったのですが、ここ2、3年息切れがしたような印象でした。ところが呆れるような方法でそういう心配をぶっ壊したのがいい奴,悪い奴,変な奴です。政治的な見方をすると色々言いたい事も出て来るかとは思いますが、エンターテイメント性を考えるとこれまでこんな荒唐無稽な、とんでもなく愉快な映画は見たことがありません。
カップルが人里離れた地で・・・という話。
後記: ・・・は大嫌いなのですが、例外的に良くできていました。主人公2人の性格描写がとてもよくできていて、そこへ的確に演じられる俳優を連れて来ています。1度はキリストを演じたこともある俳優が嫌な奴を演じています。上手いです。その男に愛想をつかしている女を演じている女優もなかなかの演技です。カメラもすばらしいです。あんなに景色の良い所でこんな事件になってしまうなんて・・・という落差が効果を発揮しています。
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