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The Golden Raspberry Award
結果
話を聞いた時期:2013年1月、結果2月
結果が出ました。
オスカーと来ればラジー賞も。去年はスケジュールを後にずらしていましたが、今年はオスカーと同時進行で、オスカー授賞式の前日の2月2日に発表。
最低作品
原作は小説。恋愛ファンタジー。監督は続投。前作は酷評。ラジー賞8部門にノミネート、受賞は全て逃しています。今年は前回以上の数のノミネート。興行成績は絶好調。なので余裕でラジー賞も貰っておけばと思います。
後記: 今年はトワイライト・サーガ ブレイキング・ドーン Part 2 の当たり年。
大金をかけて作った制作会社設立100周年記念作品がラジー賞にノミネート。
恋愛も織り込んだ軍事 SF。日本など各国からグアムなど太平洋の島に撤退して行く米国がこういうハワイ中心の作品を作ると変に現実が重なって見えます。20000人、十数カ国の海軍が一緒に何かやろうという話です。敵は人類ではなくエイリアン。
浅野忠信も一役買っています
子供向けの着ぐるみ映画のようです。有名どころではシャズ・パルメンテーリが出ています。
いかにもラジー賞にノミネートされそうなポスターです。8部門にノミネートされている今年の2番目の本命。ただ、サンドラーは去年に続いて連続大量受賞は無いかも。俳優としてのサンドラーはベン・スティラーや他のコメディーのベテランほどほどあくが強く無いので私は比較的寛容の目で見ていて、あまりラジー賞と考えません。ただ、扱うテーマが世間の反感を買うと、俳優がどうのということでなく、ラジー賞に登場することがあります。本人はコメディアンなのでこういう賞に名前が出る事を嫌っていないかも知れませんが、今年のテーマはちょっと嫌われそう。
口八丁手八丁、嘘つき男がビジネスで成功。仕事のために嘘をついていたのが、いつの間にか癖になってしまう。ピノキオならぬ、ジャックと豆の木とも違う、不思議な木が現われて嘘をつく度に木が葉を失い、葉が全部なくなると男の命も終わり。落語の死神みたいな話です。
最低主演男優
ゴーストライダー2は監督共々続投。漫画好きのケイジなので、ラジー賞にノミネートされようがモノともせず、喜んでいるのではないかと思います。前回の共演者で再登場したい人もいたようですが、キャストは新しい人になりました。
ハングリー・ラビットはスリラー。最近顔を見ないトビー・マクガイヤーの制作。普通に暮らしていた教師と音楽家の夫婦。妻が暴行事件で被害者となり、必殺仕置き人が夫ケイジの耳元で復讐の仕事を請け負ってもいいとささやく。1度こういう話に乗ってしまうと、後腐れができて・・・。
後記: 最近マーフィーはあまり調子が良くないようです。ドリームガールズでオスカーを狙ってから下り坂。ラジー賞はコメディアンに取っては授賞しても損は無いはず。そのラジー賞でもぱっとしません。
ちなみにドリームガールズでお姫様的なビヨンセ・ノウルズを食って立派にオスカーを取ったジェニファー・ハドソンがオスカー・ショーに出て来ましたが、びっくり。ダイエットをしてほっそり。美しいお姫様になっていましたが、あの歌声は後退気味。体全体を使って爆発させていたパワー・ボイスが消えて、喉から声を出していました。アレサ・フランクリンを見習って、スタイルではなく歌を取って欲しかった。ドリームガールズですっかりお株を奪われてしまったノウルズは大統領の就任式で歌うなど、賞とは関係の無い所で大出世。
それはいいのですが、まるで白人と間違えるような姿に変身。近年髪をブロンドにする黒人が増え、皮膚の色がなぜか白くなる俳優や歌手も増え、がっかりしています。黒人には黒人の美というものがあり、他の人には真似ができない美しさもあるので、もう少し自信を持ってもらいたいところ。そういう黒人に引かれる白人もおり、有名人ではロバート・デ・ニーロ。まだ芸能界で黒人差別が強い頃からしっかり黒人の恋人や妻を連れていました。というか、彼が白人の恋人を連れていたことあったっけ?
バーニング・クロスは3度目の映画化。原作は警察犯罪小説。連続殺人犯と刑事の対決。刑事の妻は犯人に殺されてしまう。次に娘が狙われる。
最低主演女優
今年のノミネートには紛らわしいタイトルの作品があり、それがこのスノーホワイト。オスカーには白雪姫と鏡の女王という作品もノミネートされています。原作はグリムの白雪姫。興行成績は比較的良い方。元々は大スター動員で作られる予定だったそうです。撮影中に不倫問題発生。同じ俳優が過去には未成年なのに恋人を持っていたこともバレており、そういう点がラジー賞で評価されてしまった可能性も。子役出身のため芸能界に悪い意味で慣れ過ぎていたのかも。
ミステリー・コメディー。原作は小説。失業し、離婚した女性が生活のために、トンズラした保釈中の被疑者のハンターになる。最初の獲物は何と元恋人の元警官。
予告編を見るとオスプレイがやたら出て来るので、日本の南の県の人には嫌われるだろうなあと思っています。
ヨボビッチは好きな人は好き、嫌いな人は嫌い派に分かれてしまうと思います。私はデビュー当時からバイオハザードの1作目あたりまでの彼女は好きです。監督に上手に使われて美しい姿を上手くスクリーンに生かしていました。その後はギスギスした感じになり、この手のアクション映画の主演としては先日鬼嫁を演じたベッキンセールの方が大成したように思います。とは言っても私はなぜか未だにヨボビッチに期待していて、またあの美しさを見たいと思っています。
かつて彼女の祖国だった国のモスクワと渋谷が登場します。続編の企画が進行中。
後記: この間久しぶりにバイオハザードの1作目を見てみました。やはりこの作品の彼女は魅力的、美しいです。自分の運命に気づいておらず戸惑っているような役にはぴったり。
コメディー。監督、脚本、制作、主演がペリー。生まれた時は男性で、映画出演中は女性の役を演じるため、主演女優賞にノミネート。日本では知名度が無いようですが、アメリカではバッチリ稼いでいます。
いつまでも元気過ぎるストレイザンド。歌手デビューは1962年ですが、50年代から有名だったような印象を受けるほど、どの時代にも顔を出しています。オスカーを2つ持っており、グラミー、ゴールデン・グローブ、トニーなども十分貰っていて、あとは引退するのみと思われているようですが、まだ当分現役で行きそうです。仕事熱心、才能も一応あり、練習を嫌わず、常に新しい傾向に目を向けているためどの時代でも成功しているのですが、優等生過ぎるためファンと非ファン派にはっきり分かれてしまうようです。ここでノミネートされた作品はコメディー。
後記: 彼女はオスカー・ショーにゲスト出演していました。あちらにも書きましたが、年を取ってもコンディションはキープ、太り過ぎもせず、やせ過ぎもせず、まだちゃんと歌えます。私は音にうるさいので、音程を外した箇所を見つけましたが、一般の人にはほとんど気づかれない程度。プロとしては上々の年の取り方です。歌手や役者としての彼女は好きでありませんが、今時珍しいプロ根性には敬意を払います。
最低助演男優
ファンタで見損なった作品。アホ映画とは分かっていますが、ピラニア 3D が愉快だったので、いずれ見たいです。
彼の名前が出るのは出演作の選択が下手な時があるため。合った役を貰うといい役者です。夫人を亡くしてから暫くアクション映画に出ていましたが、あれはなかなか意外でいい選択でした。
後記: ここには「選んだ作品がまずい時もある」と書きましたが、全体的に近年は役の選択眼が冴えて来ています。準備まで始めていたスピールバーグのリンカーンを蹴っています。代わりに役を貰った ダニエル・デイ・ルイスが大快挙、3本目のオスカーを取ったのですが、ニーソンが蹴ったのは正しい判断だったと思います。ルイスにはぴったり、ニーソンではどこかに不協和音が生じたのではないかと思います。仮に後で役を貰った人が大成功しても、こういう時は悔しがる必要は無いのでは。ニーソンもオスカー・ショーにチラッと顔を出していましたが、あまりカリカリしていない様子。
最低助演女優
Playing for Keeps はサッカーの映画だそうです。トータル・リコールは私自身も書いているように彼女だけ浮いていました。とは言うもののラジー賞にノミネートはちょっときつい。
恋愛だけじゃダメかしら? の元ネタは妊娠、出産に関する実用書。主演のキャメロン・ディアスのノミネートは無し。
ジェニファー・ロペスが映画に出れはラジー賞。彼女を上手く使った監督もいたんですけれどね。
最低監督
Good Deeds はこんな具合。サン・フランシスコの会社の跡継ぎ。タイラー・ペリー演じる男は成功した人生を送っている。気ままな生活を送る弟と比べ親の躾も行き届き、仕事熱心。その上間もなくインテリ美人の女性との結婚も。ところがある日別な女性と運命の出会いをしてしまう。彼女は彼の会社に掃除婦として雇われている。経済的には恵まれず路上生活(車の中で娘と2人暮らし)。彼女は仕事中会社に娘を連れて来て、倉庫に寝かせたりしている。会社の経営者と掃除婦という別々な現実の中で生きる2人が出会い・・・という社会ドラマのメルヘン。あまりにもご都合主義なのでラジー賞に高く評価されたのかも知れません。
原作はアリーサ・ジノヴィエヴナ・ローゼンバウムという物凄くドイツ・ユダヤ人っぽい名前の
元ロシア人の作家の小説《肩をすくめたアトラス》。彼女が生まれた頃はまだソビエトではなくロシア。その後起きた革命のため女性が大学で学べるようになる。アメリカへ渡り、アメリカ人と結婚。そのためずっとアメリカに住み、舞台や映画のために脚本を書いていた。
後に小説も書き始めるが、あまり受けなかった。最近のティー・パーティー派には受けている。ハリウッドにはリベラル派が比較的多いので、思想的に嫌われた可能性あり。
人口の4分の1が失業という凄まじい不況のアメリカ。大陸横断鉄道の経営者の妹が新しいモーターの開発に取り掛かる。発明者を探すが、その人物こそがアメリカの大切な人材を流出させてアメリカの産業界をダメにしている張本人だったことから話がややこしくなる。経済、労働の世界を織り込んだ SF。話だけを聞くと現代に受けそうな話なので、きっと演出が悪かったのでしょう。
最低脚本
原作は小説。
元ネタはゲーム。
原作は小説。
最低前日譚、リメイク、盗作、続編
ま、つまらない映画かも知れませんが、見たいという人もいるんですよ。
これもアホな作品ではありますが、アハハと笑いたい人もいるようです。私も。
若き勇者たちのリメイク。オリジナル版ははっきりした反共映画と思われたが肩透かしで、あまり政治性は無かった。リメイク版は米中戦争という設定を急遽アジアの某国対アメリカに変更したためトラぶったとか、911にも配慮したとか言われている。トム・クルーズ、ニコール・キッドマンの養子が出演。なのでラジー賞には手堅くノミネート。
最低スクリーン・カップル
1930年代の三ばか大将のリメイク。ファレリ兄弟はラジー賞に狙われ易い。
最低スクリーン・アンサンブル
このコーナー、何が何でも全員嫌いという意思がよく現われています。
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