テレビのページ
2013- @ 43 Min. 劇映画
出演者 レギュラー
Hugh Dancy
(Will Graham - FBI のプロファイラー)
Laurence Fishburne
(Jack Crawford - FBI 特別捜査官、グレアムの上司)
Mads Mikkelsen
(Hannibal Lecter - 医師、FBI に協力する精神分析の開業医、美食家)
Caroline Dhavernas
(Alana Bloom - 精神科教授、FBI に協力するプロファイラー、レクター博士の友人)
Hettienne Park
(Beverly Katz - FBI の CSI 捜査官、繊維の専門家)
Scott Thompson
(Jimmy Price - FBI の CSI 捜査官、指紋の専門家)
Aaron Abrams
(Brian Zeller - FBI の CSI 捜査官)
第5回の出演者
Mark Munro
(Roger Brunner - 天使の形に演出された死体で発見された夫婦、変名を使う犯罪者)
Elana McMurtry
(Michelle Brunner - 天使の形に演出された死体で発見された夫婦、変名を使う犯罪者)
Al Vrkljan
(天使の形に演出された死体で発見された偽警備員、犯罪者)
Seann Gallagher
(Elliot Buddish - 癌に侵された男)
Cynthia Preston
(Emma Buddish - エリオットの別れた妻)
Billy Parrott (警官)
Craig Thomas (警官)
Gina Torres
(Bella Crawford - クロフォードの妻)
見た時期:2013年10月
この週のタイトルは《殻》で、卵の殻や貝殻などを指すようです。
ドイツ語のタイトルは《天使》で、守護天使のことを言っています。発見された死体がどれもグロテスクな方法で天使の形に演出されているからです。
★ 新しい監督
この週の監督はいかにもという感じで、ようやくハンニバル・シリーズに向いた人が出て来たという印象を受けます。43分という短い時間ですが、アビゲイルの話はそっちのけで、ハンニバル物らしい猟奇事件に仕上げています。現在のところこのシリーズで3本撮っています。その前は短編を1本撮っただけなのですが、撮影監督を長くやっているためか、猟奇事件をそれらしく撮影するのには成功しています。
名前がギレルモだと言う理由から(!?)クロノス、ヘルボーイ 1、ヘルボーイ 2、パンズ・ラビリンス、パシフィック・リムで撮影担当、そしてメキシコ生まれだという理由でデスペラードを撮影、そこでロドリゲスと意気投合したのかフロム・ダスク・ティル・ドーン 、スパイキッズ を撮影、そこでタランティーノと知り合いでもしたのかジャッキー・ブラウンを撮影、ついでにスポーン、ナイトミュージアムも撮っています。つまり撮影班としてはかなりたくさん有名な作品に参加しています。ただ参加しているだけではなく、その作品を非常に引き立てています。
★ うわっ(おえっ)という事件
この回はこの週の連続殺人事件に焦点を合わせ、アビゲイルは外しています。脇でクロフォードやグレアムの事情も描いていますが、主眼は殺人事件に置かれていて、レギュラーの事情はいくらか横に置いてあります。このぐらいのバランスがちょうどいいように思います。
日本でもテレビに出るとしたら、どの時間に放映するかが問題ですが、この回は食事中には見ない方がいいです。
羊たちの沈黙でレクター博士が捕まり、檻に入れられているシーンを覚えておられるでしょうか。レクター博士が確か他人の顔を自分に貼り付けてまんまと逃げ出してしまうのですが、その時男が1人天使のような姿で檻の上の方に吊るされているシーンがありました。劇場版では死体をあまり長く大写しにせず、その上羽の部分はカーテンか何かを使っているように見えました。
第5話は天使のような姿で殺される被害者が続出します。そのシーンがグロテスク。劇場版とかなり違います。被害者は少し離れた所から見ると天使のような姿なのですが、近づいて見ると、腰から背中の肉を切り開いて、それを吊り、羽のように見せているのです。なので、前から見ると天使のように見えますが、後ろから見ると背中の骨が見えるぐらいえぐられています。なので血みどろ。大連でばれた、人体の不思議展を開くために死体からモデルを作る工場のようなイメージです。もしかしたら撮影のために参考にしたのかもしれません。まあ、グロいこと。
しかも犠牲者の1人は体をそういう風に切られても15分程度は生存していたというのですから不気味。
★ ゴーストライダーのハンニバル版
犯人は最初から分かっていて、その男は特定の人が近づく時、顔が燃えているように感じます。全員がそういう風に見えるのではなく、特定の人だけです。燃える顔を見ると、男はその人物を殺します。
今度の被害者はアンダーソン夫妻。2人は全裸で祈っているようなポーズを取らされ、背中は首の近くから腰まで肉を切り開かれ、それを上から糸で吊り上げてあります。ちょうどその部分の肉は天使の翼のような格好になります。死体から内臓は抜き取られていないので、レクター博士の仕業ではありません。
最近は夢遊病にまでなり、レクター博士の治療を受けているグレアムですが、このグロテスクな2人の死体を前に、犯人が寝ただろうと思われるベッドに自分も横になります。そしていつものように犯人になり切り、「僕からの贈り物だ。僕は君たちを天使にしてあげたのだ」と言い出します。犯人はそういう意図を持って2人を殺したのだろうと想像。
★ レクター博士のご馳走
レクター博士はクロフォード夫妻を夕食に招き、ご馳走を出します。夫婦仲はあまり良くありません。夫人はレクター博士の食事が気に入りません。
★ 検死
検死や証拠調べで犯人は脳腫瘍をわずらっているだろうということが判明します。殺された2人が祈るようなポーズを取っているのは自分たちの命乞いをしているからではなく、犯人のために祈っている状況を作り出しているだろうとの説が出ます。とは言え、体を切り裂かれている最中まだ15分ほどは生存していただろうというのが残酷。犯人は自分の死が近いことを知っていて、眠りながら死ぬことを嫌がり、天使に守られながら死ぬような状況を演出していました。
★ 病気の夫人
捜査の協力をしているグレアムがレクター博士の患者になり、犯人の娘もレクター博士の庇護の下にあり、今度はクロフォード夫人がレクター博士の治療を受けることになります。分析医としてのモラルは目茶苦茶。
こうやって近くの人間をどんどん引き受ける反面、治療中に問題が生じるとレクター博士は患者を他の医者に回そうとします。その点は分析医の身分をわきまえています。博士の行動の矛盾も作品にいくらかインパクトを与えています。アンソニー・ホプキンス版とはちょっと違うテイスト。
★ また天使の死体
3人目が天使の姿で発見されます。3人共犯罪者。犯人はどうやら人を選んでいる様子。顔が燃えているように見える時だけ犯罪に走ります。ではどうやって犯罪者を見分けているのか・・・そこは説明無し。
★ ちぐはぐなクロフォード夫妻
フィッシュバーンの演技のお粗末さのためか、夫婦で重大な秘密を持っている2人の演技がちぐはぐになります。夫人役の役者はやりにくそうです。
★ 調和が感じられるグレアムと7匹の犬 - 白雪姫と7人の小人のノイローゼ版か
夢遊病のグレアムは犬に守られていて、その演技はうまく溶け込んでいます。才能を持て余し、孤独で苦しんでいるグレアムが、犬と一緒にいるととても幸せそうに見え、それが真実味を持って伝わって来ます。ダンシーの演技が良いのか、犬の演技がいいのかは不明。
町からちょっと離れた田舎の小さな家に住んでいるグレアムと、居間で一緒に眠る7匹の犬の姿は平和そのもの。心の安らぎが感じられます。
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