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201 Min. 劇映画
出演者
Iain De Caestecker
(Tom - にわかカップルの青年)
Alice Englert
(Lucy - にわかカップルの女性)
Allen Leech
(Max - 路上に現われた男)
見た時期:2014年3月
★ バランスを欠く作品
春のファンタ初日の2作目です。1作目同様、それほどいいと思いませんでした。ストーリーは根本のところで1作目と似ています。ひょんな事で関わりができた人間につけ狙われ、とことんひどい目に遭うという筋です。多少被害者に落ち度がある場合でもこれほどの目に遭うのではバランスを欠きます。相手側は頭のどこかが狂っています。
1作目は被害者に落ち度らしい落ち度は見当たりませんでしたが、2作目ではちらっと落ち度が見えます。とは言っても、隣の家の屋根にとまっているスズメをバズーカ砲で撃つようなバランスを欠いた仕返しです。
犯人にひどい目に遭うカップルのうち女性の方はとばっちりと言えます。
★ 緩いカップルの女性の立場
まだ知り合って1ヶ月にもならないカップル。トムが提案して音楽祭に参加するはずだったのですが、行って見ると話が違い、人里離れたホテルに行き、ロマンティックに過ごそうという事になります。ルーシーは比較的常識を備えた人で、あまり乗り気ではありません。しかし英国のカップルは大陸側と違いこの現代でも男尊女卑が多いです。で、押し切られて決定。パブのあたりからホテルの車の先導で森に入って行きます。
英国やアイルランドのカップルで女性がキーキー文句を言っているシーンを見る事がありますが、意見が通るという意味では女性はまだ圧倒的に不利に見えます。
大陸側ですと、果敢に喧嘩を挑む女性もいますが、男性があまりあほな事に固執すると、女性が出て行ってしまい、そういう形で女性が勝ちはしなくても負けないという形が定着しつつあります。ドイツを見ていると本物の女性の自立には程遠く、形だけですが、それでもあまりバカな事を要求されると出て行く人はいます。その点半歩ほど英国やアイルランドより先を行っているようですが、実質的な女性進出を実現している他の国には半歩ほど遅れを取っているように見えます。
日本はその点欧米型とは違う展開で、一方で女性がただわがままを通しているだけじゃないかと突っ込みたくなる世代が親と子の両方の世代に通しで見られる反面、他方で、ぶつくさ言わず、低賃金でも何でも実際の仕事をやって見て、その場その場で実質的な力をつけて行く人も現われ、この線がうまく行けばゆっくりではあるもの力をつけた女性が増えるのでは、そして力があれば男女の対立も起きないのではとかすかな希望を持っています。
話を森に戻して、暫くしてホテルの車が退散。しかしホテルのシンボルマークのついた道しるべが至る所にあるので大丈夫そう。撮影は英国だったようですが、アイルランドのような感じのやや暗い、雨の多い場所で撮っています。
道しるべに従って森の奥に入って行くのですが、いくら走ってもホテルに着きません。そのうちにルーシーが変だと言い出します。それでも頑固頭を通すトム。観客には何となくルーシーが言っている事の方が常識にのっとって正しそうに思えるのですが。
森がだんだん迷路のように思えて来ます・・・。
★ 3人目の登場人物
不安が大きくなり始めた頃路上に突然現れたのがマックス。2人の車に引っ掛けられて怪我をしてしまいます。彼を助けて3人で走り出しますが、ガソリンがだんだん底をついて来る・・・。そしてマックスの挙動がおかしい・・・。
★ 実は・・・
森に入る前にいたパブでトムは地元の住民と諍いを起こしていました。マックスはそれを根に持って2人を引っ掛けていたのです。とは言っても、ここまでやるかといった陰湿さ。
★ 感想
全体としては落第点。トムとマックスのキャラクターに支えられてかろうじて成立している話で、トムが切れ易い人間でなかったらこんな展開にはなりません。
他方、マックスはミック・テイラーの雨天森版で、こうやって人を陥れるのを趣味にしているようです。ショーダウンのところで他にも犠牲者がいる事が察しられます。こんな男に出会えは大抵の人が命を落とします。
ところが1番最後が意外な展開。別にばらしてもどうという事は無いのですが、この結末がそれまでの経過や動機にマッチしません。ま、見ようと言う方もいるかも知れないので、ショーダウンは書きません。
★ もったいない
第1作でミック・テイラーを演じた俳優も俳優としての力がありましたが、ルーシー役の女優も将来有望です。小ぶりの作品の主演ではありますが、存在感はしっかりあり、繊細な表情を非常に自然な形で出しています。トムとマックスの俳優も一応役目は果たしていますが、ルーシー役の女優はケイト・ウィンスレットより情感がうまく出せています。
この乗りでもっと気の利いた脚本の作品に出てもらいたいです。この作品はぱっとしません。
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