映画のページ

ザ・コンサルタント / The Accountant / O Contador / The Accountant - Acerto de Contas / El contador / El contable / Mr Wolff / The Consultant

Gavin O'Connor

USA 2016 128 Min. 劇映画

出演者

Ben Affleck
(Christian Wolff - 「経理士」と呼ばれる男)

Seth Lee
(クリス、若い頃)

Robert C. Treveiler
(クリスの父親、米軍士官、若い頃)

Mary Kraft
(クリスの母親、若い頃)

Jon Bernthal
(Braxton Wolff - クリスチャンの弟)

Jake Presley
(ブラックストン、若い頃)

Jason Davis (神経科医)

Alison Wright
(Justine - ハーバー神経科学研究所所長の娘)

Izzy Fenech
(ジャスティン、若い頃)

John Lithgow
(Lamar Blackburn - 義手、義足を作る会社ロボティックスの経営者)

Jean Smart
(Rita Blackburn - ロボティックスの重役、ラマーの妹)

Crystal Spurlock
(ロボティックスの重役)

Andy Umberger
(Ed Chilton - ロボティックスの会計責任者、6100万ドル横領の被疑者、糖尿病患者)

Anna Kendrick
(Dana Cummings - ロボティックスの社員、経理)

Robert Kistenberg
(ロボティックスの技術者)

Jessica Marie C.
(ロボティックスのオフィス・マネージャー)

ロボティックスの身体障害者
Zachary James Rukavina
Robert T. McKnight II
Angel Giuffria

Gregory Alan Williams
(財務長官)

J.K. Simmons
(Raymond King - 財務省の捜査官)

Cynthia Addai-Robinson
(Marybeth Medina - 財務省の分析官、キングの部下、後継候補)

Alex Zelenka
(金融犯罪の調査員、事務方)

Ronald Wallace
(金融犯罪の調査員)

Jeffrey Tambor
(Francis Silverberg - ガンビーノ一家の経理担当者、財務省への情報提供者)

Sheila Maddox
(ZZZ 会計事務所の受付)

Ron Prather
(Frank Rice - クリスの隣人、経理の依頼人)

Susan Williams
(Dolores Rice - クリスの隣人、経理の依頼人)

Gary Basaraba (Don)

Fernando Chien (Sorkis)

Alex Collins
(Simon Dewey)

殺し屋、ブラックスの部下
Tait Fletcher
Curtis Lyons

Buster Reeves
(アルファ傭兵)

Ron Yuan
(Pencak Silat (南アジアの格闘技)の師匠)

Malachi Malik
(短期少年院の看守)

Victor McCay
(IRS のエージェント)

Richard Pearson
(Gordon Amundson - FBI の言語、声紋分析官)

FBI エージェント
Michael Beasley
Viviana Chavez
Johnny Giacalone
Gregory Fears
Slim Khezri

狙撃手
Greg Sproles
Alex Huynh (Bobby)

Nick Arapoglou
(国家安全保障局の技術者)

Jade Bartlett
(ハーバー神経科学研究所の看護婦)

Joe Hardy Jr.
(自閉症の少年の父親)

Carrie L. Walrond
(自閉症の少年の母親)

Roman Spink
(6歳の少年)

Noah Hudson Killingbeck (ハーバー神経科学研究所の子供)

David Anthony Buglione
(Tony Bazzano)

Eric Goins
(UPS 配達人)

Rick Moose
(死にかけのギャング)

Joseph Levine
(マフィアの用心棒)

ごろつき
Nicholas Martin
Daniel DiVenere
Daeg Faerch

傭兵
Dennis Keiffer
(戦術担当)
Amir Perets
(ティーム・リーダー)
Duke Jackson

David De Vries
(クリスの母親の再婚相手)

Randall Taylor
(葬儀屋)

Scott Poythress
(保安官代理)

Anthony Collins
(葬儀に居合わせた警官)

弔問客
Robert Hatch
Gerald Duckworth
Jason Claspell
Petra Post
Lisa Shirley

Cesar Mendoza
(メンテナンスの作業員)

レポーター
Kelly Collins Lintz
Jason MacDonald
Angela Davis
Samantha Janco
Johnathan Blake
Steve Carr Jr.
Jerry Cashman
Mark Falvo
Tahseen Ghauri
Wesley Gordon
Trey McGriff
Leigh Takata

見た時期:2016年10月

要注意: ネタばれあり!

見る予定の人は退散して下さい。目次へ。映画のリストへ。

会社だけでなく、映画のコーナーも長い間病欠をいたしました。作品自体はドイツで公開されてすぐ見ました。原稿もすぐ書き始めたのですが、校正を始めた頃から体調が坂道を転がり始め、頻繁に病院へ出向くことになりました。そのため趣味の方は早々と休止。仕事はまだ続けていましたが、それも手術の話が徐々に具体化し始め、秒読みが始まっていました。そのためアップが大幅に遅れました。

その間に井上さんも見たようなので(ブログの終わりの方)、2人の感想を見ていただけることになりました。結果としてはその方が良かったです。

元々はジェイソン・ボーンの冒頭に書き始めたものをこちらに移しました。あちらにも書いたのですが、ジェイソン・ボーンを見に行った時に見た予告編がおもしろそうだったので、改めてザ・コンサルタントも見に行きました。

後記: そのボーンの記事は長くなってしまったので、まだアップしていません。

★ タイトルは

確かに主演のアフレックは金融関係のコンサルティングをするのでザ・コンサルタントというタイトルは間違いではありません。しかし会計士や経理が主演という映画は少ないので(これが初めてかも)、タイトルは《会計士》にしてもらいたかったです。ベン・アフレックが主演で《会計士》というタイトルだと、「何じゃ、これは」と好奇心に駆られて見に来る人が増えるのではないかと思ったりします。

★ 上手に会計士に化けたアフレック − 予告編を見た感じ

予告は作品のごくわずかな部分をかすめるだけですが、それでも分かるのはアフレックが自閉症の子供で、成人してから会計士、つまり経理をやる人に成長していること。

劇映画なので話を劇的にしなければならず、その先は荒唐無稽になっています。会計士は彼の本職になっていますが、その横でヒットマンのような仕事もちらつきます。

★ 注

インターネットでザ・コンサルタントの解説を見ていると会計士、経理士などいくつかの言葉が入り乱れます。このページではこんな感じで使っています。

《経理士》という言葉は正式には見たことがありませんが、巷では耳にすることがあります。私などはこの範疇に入りますが、後ろに《士》をつけるほど立派なキャリアはありません。食べて行くために仕事に応募する時経理だと一般の会社員より楽に職場が見つかるので経理を中心に仕事をしていただけです。私程度ですと《経理中心で働く事務員》とか《会計士のアシスタント》ぐらいのレベルです。

アフレックの演じているクリスチャン・ヴォルフぐらいだと、《会計監査の能力のある独立した会計士》と呼べるでしょう。実際ザ・コンサルタントの中では彼はロボティックスという会社の監査のために一時的に雇われます。

アンナ・ケンドリックが演じているダナ・カミングスはロボティックスの専任会計士。仕事中に妙な金の動きに気づき、そこから事件に発展するという展開になります。彼女も《会計士》と呼んでいいでしょうが、アフレックよりランクが1段下と言えます。

欧米の話なので、彼女は入社してから経理部に配属され、そこで仕事を学んだのではなく、高校を出た後、大学で経理に関係する専門の学部で学んだか、職業学校で学んだかでしょう。そういった学校を正式に卒業し、国家試験に合格してからロボティックスに応募したのではないかと思います。なので最初からそれなりの給料は出ていると思われます。

2人の違いは自社の月毎、年毎のお金の流れを内部の人間として、税務署が決めたルールに従って処理して行き、税務署に報告する役目と、外部の人間としておかしな点を解明する役目の違いです。カミングスも会計事務所にでも就職していればヴォルフと似た仕事を担当することもあったかも知れません。

英語やドイツ語の解説ではヴォルフの仕事を forensic accountant と呼んでいる記事があります。扱うのは数字ですが、CSI が事件現場で証拠を集め、ラボで細かく検査をするように、数字を見ながら帳簿の検査を行います。この種の仕事をする人たちは一般には政府、税務署、裁判所側に属しています。

その他に《税理士》という職業もあります。会社や個人のお金の流れの中の税金に重点を置いて仕事をする人たち。ザ・コンサルタントでは老夫婦にヴォルフがアドバイスするシーンでやや税理士っぽくなっていますが、ヴォルフはその仕事を専門にやっているわけではないので、彼を税理士と呼ぶと現実に合いません。

もう1つ、最近は色々な英語の名前の職業も増えているので、何と呼ぶのか分かりませんが、会計士ほどのレベルの知識と経験がある人は、合法的なお金の処理や節税ばかりやっているのではなく、会社の上げた利益をどこかに上手に投資してさらに額を増やすための作戦を練って、社長に勧めたりもします。

投資の方には手をつけない会計士も多く、投資も担当する人は一部専門化しています。ここで近年様々なトリック、不正、詐欺が行われるようになり、大きな事件が何度も起きていますが、社長の命令で不正をやれと言われる人もいれば、本人が勝手にやる人もいれば、やって大損する人もいれば、儲かり過ぎて隠す場所に困る人もいるという、私たちの目から見ると地獄のような時代に入って久しいです。

一旦そういう事件が発覚すると、その調査をするのが会計士の中で forensic accounting の能力を持った人。職業上の同僚から追跡されることになります。

そういう時代を経た今こういう作品ができたのは満を持してという感じがします。

私が病欠している頃に、東芝がとんでもないへまをやらかしたというニュースが飛び込んで来ました。事件は毒入り饅頭を食らわされた東芝が負担になる部門を売り払ったりしており、大分前から起きていましたが、去年、今年にかけて上場が取り消されかねないどたばたが起きています。

変な会社を引き受けさせられたとか、国に振り回されたなど、民間会社としての東芝にやや同情できる点もあるのですが、結果としては経営が傾いていました。なので会計監査を担当している外部の会社が状況をまとめたものを発表しようとしたのでしょうが、東芝がそれを止(と)めてしまったのです。

会計監査を依頼された会社は私も知っているのですが、きっちりした所です。東芝が依頼主で、もし経営が不振だったら、税務署にはその通りに報告をしなければ行けません。法律があるのでどうにもなりません。

税務署に出す報告書と株主に知らせる報告の内容が違っていたら、どういう罪状がつくのかは分かりませんが一種の詐欺です。そして3月31日には億とか兆の金があっても、4月1日に債務を払って金庫がすっからかんになるのなら、そういう風に報告しなければなりません。

報道でしか東芝の状況を知る方法は無く、関心を持っていなかったので情報を網羅しているわけではないのですが、ざっと見たところ、東芝はほとんど素人に近い経理事務員の目から見ても、どこかでボタンのかけ違いが生じています。

会計事務所がこういう時に東芝の意向にそってちょろまかしたら、会計事務所自体の信用が落ちるだけではなく、お縄頂戴となるかも知れません。アカデミー賞の授賞式で社員が封筒を間違えるのとは話が違います。

こういう時に突貫工事で働いているのがベン・アフレックのような人たち。

さて、アフレックの役は会計士と言うか経理をやる人。数学の天才として生まれて、社会に溶け込めない人物。数字を扱うのが天才的に上手いので、非合法団体の経理もやっています。それがどうやら事件に発展するような予告編でした。

書き始めた頃にはまだ解説記事がほとんど無かったのですが、その後やや詳しい記事が出ました。

(高機能自閉症と紛らわしい、いずれにしろ空気を読むことが極端に苦手な、冗談の通じない)アスペルガー・シンドロームを持つ青年が職業的に成功し、小さな町で会計事務所を経営するに至ります。私も周囲にアスペルガー系の人を何人か知っていたのですが、数字に強い人が時々います。アフレックが演じる主人公ヴォルフ(ドイツ系の名前)もそういう1人。些細な数字の差から脱税や着服を見抜くことができます。

行きがかり上闇の社会の会計士として大成功。税務署の調査員キングが彼の仕事に気づき監視を始めます。その結果キングに協力する話にヴォルフが乗っかることになります。ここでは2人の関係は端折ってありますが、下に少し詳しく書いてあります。

ロボティックスという身体障害者に義手や義足を提供する会社の経理担当の女性カミングスが不正を発見。ヴォルフはそれが本当に違法かを調べる役目を仰せつかります。

どういうわけかこの件に関わり、脱税をチェックした人は次々に命を失って行きます・・・。

アフレックが演じている役には元々はウィル・スミスが考えられていたそうです。そうなるとまた全然違うイメージの人物ができ上がったでしょうね。監督はメル・ギブソンの予定だったそうです。ギブソンの監督作品は1本見たことがありますが、大味でした。この変更は良かったかも。

後記:  私は犯罪スリラーを見に行ったつもりだったのですが、あてが大はずれ。犯罪スリラーという固定観念を見ている最中に捨ててしまい、映画の展開に身を任せると感想が大分変わります。

そうなるとウィル・スミスとメル・ギブソンのコンビよりこちらの方がいいように思います。

★ 興味を持った理由は・・・

本職が経理だからです。高校の頃から経理の助手としてアルバイトをしていました。数学の天才ではありません。どの分野の天才でもありません。ただ、中学校の頃から学校で数学パズルが好きな友達とよく本を交換して読んでいました。高校に入ってからは自分で数学部を設立して、女の子だけで数の遊びをやっていました。

私たちがやっていたのはユークリッド、ガウス、アインシュタインなどとは全然別な方面で、遊び心中心の活動。お金を賭けないとポーカーでよく勝ちますし、直感も無視せずに、確率計算なんかをやっていました。

ちなみに主演のアフレックは現実生活ではポーカーの名手でトーナメントに参加して結構な成績を上げるような人です。

私はブラックジャックの知識は無いのですが、アフレックはブラックジャックの時に場に出たカードを全部記憶するという手法を使ったためカジノの出入り禁止を頂戴してしまいました。聞くところによるとこれはいかさまではないので、警察沙汰にはならないのですが、他の客が迷惑するので礼儀として使ってはいけない手法らしいです。

ただ、私たちもアフレックほど天才的な記憶力はありませんが、子供の時ポーカーで場に出たカードは一応記憶しました。ポーカーの場合記憶すべきカードの数があまり多くないので、ちょっとの注意力で足ります。「もう使った人がいるから、このカードは2度と出ない」ぐらいの感じです。

まだ義務教育が終わる前だったので、世の中の事はほとんど知らず、数人の友達と教室で遊んでいるだけ。現金は誰も持っていなかったので、点数表でやり取りするだけ。いくら失っても借金は生じないので、皆が大胆にその時の判断で勝負。私も結構勝ちました。多分本物のお金が賭かっていたら怖くて勝負に出られなかったでしょう。

こういう力は年を取ると衰えます。衰えないとアフレックのように天才と呼ばれます。

またある専門学校の学生たちが自分たちの勉強のために高校の数学部に接触して来たため、当時としては最新の国産コンピューター2つのうちの1つと知り合いになりました。数学の教科書に載っている式の証明をやってから、それをプログラミングして、パンチカードを作り、入力したら成功。フローチャートを描くところか始め、当時一般的だった2つのプログラム言語を勉強しました。

なので、もし今上司がやって来て「明日からマイクロソフトは止めて別なシステムを使え」と言い出したら、私は「仕方ない」と言って切り替えるでしょう。

50年近く前の話なので、今考えるとよくあんな事をやったなあと自分でも呆れるのですが、1つはっきりしていたのは私たち3人の少女(当時は若かったのです)はある程度まじめな人間ではありましたが、天才タイプでは無かったこと。アスペルガーや自閉症のタイプでもなく、3人で数のいたずらをやっては笑い転げていました。ごく平凡な公立高校の生徒でした。

どう逆さにして振ってみても私たちから天才のかけらも出て来ません。私が勉強したような事は誰でもできる初歩的な内容です。そしてガウスに代表されるような天才なら自分自身にエンジンがかかり、どんどん発展しますが、友達や私はそうはなりません。特に数学に興味があるわけですらないのです。

常人とやや違うのは、数字を見ていて退屈しないとか、教えられた事は素直に覚えるとか、帳簿や明細書の最後の1セント、1円まで合わないと気持ちがすっきりしないとか、何日、何十日、何百日、何千日、何万日帳簿をつけろとか、コンピューターに入力しろと言われても抵抗が無い、間違いがあると何となく変だと感じるなどという点でしょう。

数字にアレルギーが無い、毎月同じ事を繰り返すことにアレルギーが無い、仕事場やデスクを去ると、きれいに忘れてしまう、こういった部分が常人と違い、一種の適性があるのだと思います。とは言うものの天才と呼ばれる人の苦しみは全然知りません。

天才数学者はナッシュやアフレックが演じるヴォルフのように社会生活が難しかったり、頭の中は数だらけらしいです。私は経理の家に生まれ、身内に何人かその方面で働いて家族を養っていた者がいるのですが、なぜか多方面に趣味を持っている者ばかり。そこが天才と凡才の分岐点なのでしょう。

天才は他の事に時間を使う暇がなく、頭の中は数字だけでフル回転。私たちは現世への欲を出して推理小説を読んだり、詩を書いたり、山に登ったりするので、天才への道に迷い込まなかったのでしょう。そう言えば皆揃いも揃って散歩が好きでした。散歩しながらその辺の物を好奇心旺盛で眺めるとか、季節が変わるのを肌で感じるとか。

アフレックの予告編を見て、「ああ、世間が考えている会計士のイメージ通りだ」と感じました。経理をやって最後の1円までこだわる人はつまらない人間だ、退屈だ、きっちりし過ぎて付き合ってられないよ・・・式のイメージを背広、髪型、目つきで上手に表現していました。

実際に経理をやっていて、同じ職業の人と知り合うと、実は全然そうではないのですが、私たちは「世間に勝手に思わせておくのもいいか」と考えてしまうのです。「『経理担当の○○さんはおもしろい人だ』ということを他の人に宣伝して回る必要無いじゃん」と思ってしまうのです。

まあ、アフレックの作品は会計士が非合法経理活動をするだけではなく、どうやら殺しにも関係するらしいので、私たちとは全然別世界の話に発展しそうです。会計士の日常をどこまで表現しているかに興味があり、アフレックの作品はできる限り見たいと思っている私なので、残りの話が突飛でも見ようかと思います。来月(2016年10月)ドイツで公開予定です。

後記: 見ましたが、いくつか違和感があります。制作側は世間の会計士のイメージを荒唐無稽な与太話に利用したのだと思います。いいんですよ、それでも。

私たちのように実際に経理系の仕事をしたことがあったり、現在もやっている人間から見ると、アフレックの演じるクリスチャン・ヴォルフのようなタイプの天才は経理などという職業に就かないだろうと思えるのです。そのため彼がなぜ経理を生業にするようになったのかの説明が入っています。それでも皮膚感覚ではしっくり来ません。そこを強引に押し切った監督と脚本家には、評価していい力量があります。

★ ジャンルを間違えた宣伝

ドイツではスリラー系として宣伝されていますが、見始めて30分もしないうちにコメディーだということが分かります。犯罪コメディーという分類にすると評価は1、2段階上がると思います。アフレックはかなり以前からコメディーに向く俳優だと認識していました。本職のコメディアンと演技のアプローチの方法は違いますが、マジな顔をしてコメディーをやらせるとかなり笑えます。

始まって15分あたりから少しずつ「これはコメディーではないか」と心配をし始めていました。間もなく大声で笑ってしまうシーンが出ました。やっぱりと思いました。

アフレックは長い間自分に合わない作品に出演していましたが、10年ほど前スモーキン・エース 暗殺者がいっぱいに脇役で出演したのが伏線だと考えてもいいかと思います。その6年ほど前にマネー・ゲームにも出演しています。両作品の出演時間は数分。ですが、しっかり足跡を残しています。その延長線上、今度は主演として ザ・コンサルタントに出演。

★ コメディーと呼ぶには関係者が複雑にからみ過ぎる

ストーリーに数個の要素が絡むため、1度見ただけでは分からない点が残るかも知れません。私も部分的には一緒に見た人と話し合わないと分からない所がありました。なのでコメディーと呼ぶわけに行かないかも知れません。ユーモラスな犯罪映画と言うのがちょうどいいかも知れません。アフレック以下出演者全員がシリアスな顔をして出て来るので、見終わってもコメディーだと気づかない人がいるかも知れません。

日本公開までに暫く時間がありますが、コメディーなんだと先に聞いてから見るとより楽しめます。

★ ここからネタバレ

やや複雑な内容を簡略化した表を書きます。ネタが全部ばれてしまいます。

見る予定の人は退散して下さい。目次へ。映画のリストへ。

注: 自閉症という言われ方をしますが、上に書いたように多分アスペルガーなのだと思います。ここでは字数の関係で自閉症と書きます。巾の広いモニターをお持ちの方は画面いっぱいに表示すると読み易いです。

クリスチャン・ヴォルフの年齢 クリスチャン・ヴォルフの家族と友人 マフィアとの関係 近所付き合い ロボティックス 財務省 ハーバー神経科学研究所
誕生から小学生ぐらいまで

・ クリスは自閉症、弟ブラクストンは自閉症でない

・ 自閉症施設ハーバー神経科学研究所を家族で訪ねる

・ 所長の娘でジュスティーンという自閉症の同年齢の少女を見かける

・ 父親はクリスを施設に入れず、自分の元で育てる決心

・ 母親が去る

・ 軍人の父親と一緒に兄弟は2桁の回数世界中を引越し(普通でも友達が作りにくい環境で育つ)

・ 父親の命令で兄弟揃ってアジアの格闘技の訓練を受ける(父親なりに子供の将来を考えての事と思われる)

引越しが多く、近所付き合いは無い

・ 入所するかを決めるために見学

・ 所長の娘ジュスティーンは研究所で暮らしている

・ 父親はクリスを入所させないことに決定

30歳あたりまで

・ 再婚して小さな子供が2人いるクリスの母親が死亡

・ 招待されていないのにクリスと父親は葬儀に押しかけて行く

・ 揉め事が起き、クリスの父親は現場にいた警官に撃ち殺され、クリスは逮捕され刑務所に入る

・ 弟と音信普通になる


・ 刑務所でフランシス・シルヴァーベルク(ドイツ語で銀山という意味)と知り合う

・ 服役中にマフィアの経理について指導を受ける

・ 刑務所でクリスとシルヴァーベルクが出会う

・ シルヴァーベルクは財務省と司法取引を条件にマフィアの経理の内情を証言する、担当はレイモンド・キング

・ 服役中にシルヴァーベルクはクリスにマフィアの経理について詳しく教える

・ シルヴァーベルクの司法取引、証人保護プログラムは成立せず、シルヴァーベルクはそのまま釈放される

・ 証言で被害を蒙ったマフィアがシルヴァーベルクを拷問した上で処刑


・ シルヴァーベルクの死を知ったクリスは拷問・処刑関係者に復讐

・ シルヴァーベルクの死後同じ拷問・処刑関係者を財務省の捜査官キングも監視

・ 復讐中のクリスはキングは殺さない

・ 服役中、刑務所内の近所付き合いはシルヴァーベルク

・ ラマー・ブラックバーンと妹のリタが手足を失った人のためにロボット技術を生かした義手、義足の会社ロボティックスを経営している

・ ロボティックスの財務担当は糖尿病のエド・チルトン

・ ラマーは社の株価をまず下げ、画期的な研究成果を発表した所で上昇させ差額で大儲けすることを思いつく

・ 財務省の冴えない捜査官キングがマフィアの金の動きを調査している

・ キングは年を取って放り出されたマフィアの経理士シルヴァーベルクを逮捕し、司法取引を餌に内情を証言させることに成功する

・ キングは上司からこの件で証人保護プログラムを引き出すことができず、シルヴァーベルクはそのまま釈放

・ 釈放直後にシルヴァーベルクは被害を蒙ったマフィアに捕まり残酷な拷問の後死亡


・ シルヴァーベルクの惨殺死体が発見され、キングは犯人と思しき男たちの出入りする場所の監視を担当

・ キングは顔の見えない男が1人で9人を殺して回っている現場に出くわす

・ 自分も殺されて当然の状況で、その男は「お前はいい父親か」と聞き、キングは「自分のキャリアはパッとしないが、父親としてはいい父親だと言える」と答える。男はキングを殺さずに去る

・ その後キングの所にはザ・ボイスという人物から時々電話がかかり、有力な情報が届く。そのため彼は財務省の捜査担当部署のトップにまで上りつめる
(現実の世界にもこういう形で有力な情報を《謎の》情報提供者から得て、社会的に大成功する例があるようです。FBI 副長官と某有名新聞社の記者の関係が1つの例)

・ クリスが裏の社会で経理をやり始め、財務省の調査が行われるようになってから、クリスにザ・ボイスが必要な情報を電話で提供

40歳前後(現在)

・ クリスは出所後(脱走か釈放かよく分からなかった)表、裏の両方で経理士として働き、財を成す

・ ブラックストンは傭兵部隊を率いてヒットマンになっている

・ クリスは表向き田舎の町に住み、商店などの小口の経理を請け負って食べていることになっている

・ 裏ではマフィアや問題のある企業の裏経理を引き受けている

・ 報酬は現金以外に闇で取引される絵画、金塊などで支払われている

・ いつでも高飛びできるように財産はトレイラーに隠してある

・ 田舎のいくつかの商店は裏で全てクリスに繋がっており、そこで金を転がしている

・ 小さな田舎の町に住むクリスは近所の商店の経理を引き受けている

・ 中の1つは老ライス夫妻の経営コンサルタント

・ クリスは謝礼を受け取らず、代わりにライス夫妻の庭で射撃の練習をする許可を貰う


・ ロボティックスの仕事を引き受けた後ヒットマンに付け狙われ、クリスに近づくために老夫婦が襲われる

・ 帰宅したクリスは老夫婦を助けるが、その後その家には住まなくなる

・ 不審な金の動きに経理担当のダナ・カミングスがぼんやりと気づき、社長のラマーに報告する

・ ラマーは監査のためクリスを臨時に雇う

・ クリスの要求に応じダナは一晩で過去15年分の書類を用意する

・ クリスはその書類を一晩でチェックし、6100万ドルが不審な動きをしていることを突き止める

・ 調査は終わっていなかったが、話を聞いた社長はクリスに謝礼を払い、調査を打ち切る

・ 粉飾決済の容疑は社の経理担当者エド・チルトンにかかる

・ ちょうどその頃チルトンの自宅にラマーが送ったヒットマンが押し入り、チルトンを脅迫している(持病の糖尿病の注射の量を誤って死んだことにしろ、断わるなら、彼の妻や家族に残酷な仕打ちをしてから殺すと脅す、チルトンにかかった容疑は冤罪と思われるが死ぬ)


・ 事件を無かったことにするためにラマーはダナとクリスの所へヒットマンのブラクストンを送るが、クリスの方が強く、逃亡に成功する

・ キングの定年が迫り、後継者候補としてマリーベス・メディナが浮かぶ

・ 彼女を試すためにキングは謎の人物「経理士」の調査を命じる。その際彼女の過去の殺人の秘密に触れ、プレッシャーをかける

・ メディナはかなりいい結果を出す

・ 引き続きザ・ボイスからクリスに必要な情報が提供される

決算の結果

・ 母親死亡

・ 父親は母親の葬儀の場で射殺される

・ クリス、1度刑務所に入る、経理士兼ヒットマンとして裏の世界で成功、事件後これまで住んでいた場所を去る

・ 弟とは大喧嘩の末仲直り、今後も連絡を取り合うと見られる(続編ありか?)

・ シルヴァーベルク関係のトラブル解決

・ ロボティックス事件解決

・ トレイラーで高飛びするため、今後の裏の仕事がどうなるかは不明(続編の余地を残している)

・ 高飛びのため御破算

・ 会計担当者濡れ衣で自殺させられる(他殺じゃないか)

・ ダナは社長と対立する立場になったため、恐らく首

・ リタは傀儡にされブラックストンに殺される(金のため骨肉の争い)

・ 社長はクリスに撃たれて死ぬ

・ 社長の家はクリスとブラックストンの戦場と化し破壊され、ブラックストンが連れていた傭兵は全員死亡

・ 事件が解決し、キングは間もなく年金生活に入る

・ 後継者は一応試験に合格

・ 観客にも幼馴染のクリスとジュスティーンの関係が分かる

★ 蛇足

☆ 数学ができる子供

途中でも少し匂わせましたが、この作品は自閉症、あるいはアスペルガー症候群の人、数学の天才、会計士のイメージを枠に使って面白おかしく語ったエンターテイメントの与太話です。それぞれの分野を多少なりとも知っている人たちからは、「まじかよ」とか「ありえねえ」といった反応が返ってくるのではないかと思います。

☆ 自閉症とアスペルガー症候群は関係者から見ると違う話

部分的に似た症状があるだけで、本来は全然別な話だそうです。

どうやら発達障害という大きな分類では同じカテゴリーに入るものの、具体的な話になると症状が違い、対処の仕方も違うそうです。共通しているのは知的な発達は普通で、中には天才的な人もいるようです。下に少し書きましたが、似たような発達傷害としてレガステニー(ディスレクシア)も挙げられます。また、近年は自閉症を細分化して高機能自閉症という定義をしている医師もいるようです。

インターネットの記事によるとアスペルガー症候群と診断された人は対人関係が不得手で、周囲の人がその人と付き合うのに苦労します。特定の事にこだわりが強いそうです。逆に言えば集中力を超人的に発揮する能力があり、仕事の手順を系統的に整える力があります。きちんと仕事を終えずに放り出すことが嫌いで、番狂わせにはうまく対処できません。クリスのキャラクターに取り入れてあります。

運動能力はあまり強くなく、サッカーなどティームで行うスポーツは特に不得手です。クリスは父親に言われてスポーツはやっていますし、それなりの能力を発揮しています。個人技です。

感覚が過敏なため特定の衣服が体に合うと、そればかりを着る、合わない物は着用しないというはっきりした規則があります。クリスにもその傾向があるようですが、アスペルガーでなくても結果が同じになることがあります。

私はバーゲンや安売り店の衣類を1つ買って見て、良く合えば同じ物を複数買います。仕事に出る時に着る服は制服と考えているからです。気に入った服でも何度も洗うとみすぼらしくなってしまうので、洗濯回数を減らすために同じ物を3着持っていたりします。

ベン・アフレックの演じている人物は記事によっては自閉症と書かれていることもありますが、アスペルガー症候群を意識して作られたキャラクターに見えます。

☆ 能力はあるらしい

私自身は「自閉症だ」とか「アスペルガーだ」と診断された人と直接接したことは無いのですが、現在出入りしている診療所にそういう子供が頻繁にやって来ます。私の目には普通のやや引っ込み思案の子供に見えるのですが、世話をする人の話ではコミュニケーションが非常に難しいそうで、そのために世話をしている人にかなりのストレスがかかっているようです。そういう人から直接聞いた話ですが、子供たちは何かしらの部門に並外れた能力を持っているそうです。

世話をしている人は本当は全然別な方面の専門の治療者(物理的に損傷を受けた器官の能力をトレーニングで回復させる仕事)で私も現在トレーニングを受けているのですが、なぜかアスペルガー方面の誰かを扱った時に良い評判が立ってしまったらしく、口コミでそういう子供を持った人が集まって来るようになったようです。

こちらが求めたのではないのに人が寄って来てしまうという経験は私もしたことがあるので、この人には同情しています。

自閉症でもアスペルガーでも度合いという物があると思うのですが、直接そういう人を家族に持った人や本人はアフレックの演じるクリスをどういう風に受け取るでしょうねえ。

役作りをするために貰った役の分野を非常に深く研究して真似る俳優がいますが、アフレックは真似る手法を取らず、適度にそれらしく演じています。なので直接かかわりのある人たちからは「現実と違う」とクレームがつくかも知れません。

☆ レガステニカーとは知り合った

超人的天才ではありませんが、結構なレベルに達している人と知り合ったことはあります。感じのいい若者でしたが、暫く日本語を教えているうちに「自分はレガステニカーだ」と言いました。日本ではディスレクシアとして知られている学習障害で、アルファベットを決められた順序で学ぶことができない人たちのことです。それなのになぜか問題無く日本語は勉強していました。なので私はこの人に障害があるとは本人が言うまで気づきませんでした。

障害のせいか、一般の押しの強いドイツ人の若者に比べるとやや遠慮がちな話し方をしますが、明るい印象の好青年でした。社会生活に大きな問題は抱えておらず、超社交的ではありませんが、自分に閉じこもっているわけではなく、世間話には参加しています。話によると、アルファベットは苦手だけれど、数字にはかなり強いようで、確か数学を専攻していました。

有名人でディスレクシアと公表しているか、知られている人は
  トム・クルーズ、
  キアヌ・リーブス、
  ジェニファー・アニストン、
  オーランド・ブルーム、
  キーラ・ナイトレイ、
  スティーヴン・スピールバーグ、
  ウォルト・ディズニー、
  トーマス・アルバ・エジソン、
  レオナルド・ダ・ヴィンチ、
  アルベルト・アインシュタイン、
  ルイス・ハミルトン
など。芸能界など人とのコンタクトの多い社会で名を成している人も多いです。

ディスレクシアはアフレックが演じている人物とは無関係ですが、ディスレクシアの人の中にも数学が得意な人がいます。

☆ 会計士と数学の天才

会計士として食べている人には何度も出会いましたが、数学の天才は見たことがありません。

多くの会計士はアフレックが演じている人物ほど几帳面でもありません。服装は比較的地味ですが、人が眉をしかめない程度にだらしなく、カラーがちょっと曲がっている人もいれば、会社員として後ろ指を指されない程度にきちんとしている人もいますが、極端に几帳面な印象を与える人は男女とも見たことがありません。

この点クリスの演出はユーモア、カリカチュアと言ってもいいのではないかと思います。

しかしこと数字に関しては忍耐があり、几帳面。例えて言えば最後の1¢まで追求する意志を持った人ばかりです。忍耐というのは「耐える」ということなので、この言葉を使うのは正しくないかも知れません。「数字に対してリラックスしてアプローチするので、ストレスになっていない」と言った方がいいです。

「数字がストレスにならない」ことは天才の条件ですらなく、ごく普通。小説を毎日1冊読むぐらいの読書好きの人は文字がストレスにならず、楽しんで暮らしているわけで、私たちは数字がずらずら並んでいても別にどうということはありません。(まあ、強いて言えば欧米の通貨はコンマ以下に2桁あるのがわずらわしいので、私は全部を¢に換算して計算し、後で書く時だけコンマを付け足しています。(笑))

なのでアフレック演じるクリスがロボティックスの応接室で白板と窓ガラスにずらずらと年間のお金の出入りの数字を書きまくったシーンでも、「私でも同じ事をやるだろうなあ」と納得するばかり。ユーモアたっぷりのシーンなので普通の人でも笑えますが、経理をやった事のある人なら、わざと極端に描いたなあとお腹を抱えて笑えるシーンです。

他の会計士、経理の人がどうやっているか分かりませんが、私は事務所のドアを閉めたとたんに、それまでやっていた事をきれいに忘れてしまい、駅に着くまでに急性時限性アルツハイマーにかかっています。翌日事務所に入るとまた思い出します。そうやってストレスをためないので長続きするのかも知れません。毎日何千もの数字を扱っているのですが、家に帰ると1つも思い出すことができません。

私自身を見ても、これまでに知り合った会計士、経理の人を見ても天才肌の人はいませんでした。恐らくは数学の天才はこの職業を選ばないのでしょう。クリスも会計士の職業学校に行ったようには見えませんでした。刑務所で先輩から手ほどきを受けただけだったのでしょう。たまたま数字と相性が良かったので職業にすることができたのでしょう。

☆ 会計士はスポーツと深い縁が無い

クリスは父親の希望で小学生の年齢の頃から厳しい格闘技の訓練を受けていました。弟も一緒にやっていましたので、2人とも小学校でいじめっこにやられた後、父親の命令で仕返しに行ったほどです。

現実の世界では私はメタボ肥満の会計士に出会ったこともありませんが、スポーツをやっている会計士に出会ったこともありません。適度に太り過ぎない程度に食事をしているのでしょう。そして健康の情報が出回っている現代では定期的に散歩をするとか、自転車で出勤するとか、フィットネス・クラブに行くとか、ある程度の健康管理はしているでしょうが、プロ級のスポーツを長期に渡って続けている人は見たことがありません。

「私が見たことが無いから、いない」と言うつもりはありませんが、クリスの傭兵にも負けないスポーツ能力を見ていると、ここまでできる人はこの職種では珍しいのではないかと思います。

この点は劇中にクリスがなぜこうなったかの説明があり、本当の会計士から「ありえねえ」「まじかよ」と言われる前に先手をうったようです。

★ 結論

この作品を現実と比較するとあちらこちらでぼろが出ます。それがこの作品の評価を「まあまあ」にとどめ、「すばらしい」にならなかった理由と思われます。

しかしもしこの作品を最初からコメディーとかユーモラスな犯罪映画と考えてみたらどうでしょう。私は前半でその路線に頭を切り替え、爆笑エンターテイメント映画と評価しています。

コメディーだと思って見る場合は俳優はトレーニングをやり過ぎず、職業や医学の分野で似せ過ぎず、観客がストーリーの展開について行けるように適当に流した方が効果的です。もしそういう方針で作ったのだとしたら、成功作と言えますし、私にはそういう風に見えました。ところが映画の宣伝にコメディーのコの字も無く、どこもかしこも犯罪ドラマとか、スリラーとして紹介していました。

その一言でもう少し興行収入が上がったかも知れないのにねえ。

この後どこへいきますか?     次の記事へ     前の記事へ     目次     映画のリスト     映画以外の話題     暴走機関車映画の表紙     暴走機関車のホームページ