映画のページ
開催時期:2024年4月、8月
詳しくはファンタ 1987年5月 〜 現在を見ていただくと分かるのですが、私が参加し始めてからのファンタは最新作を中心に上映していました。初期ファンタは古い作品がほとんどで、最新作はちょろっと。暫くそういう感じだったのですが、間もなく最新作中心に変わりました。
今年新しい企画として、普通のファンタの枠外で1本古い作品を上映するようになりました。会場は東ベルリンの天文台。
1作目は4月で、アンドリュー・ニコル監督のガタカ。1997年の作品で、公開当時ファンタ以外の機会に見た記憶があります。
もう1本はロバート・ワイズ監督の1971年のアンドロメダ…。8月上映。ワイズの作品はいくつか見ていますが、この作品は見ていませんでした。
2作とも上映後コメントをする専門家との討論の時間がありました。とは言うもののあまり面白い質問が出ず、残念でした。
会場は1987年にオープンした天文台。建物は今見るとクラシックな印象ですが、設備は2022年に改修され近代的になっています。映画を上映できる会場があり、ファンタはそこを使いました。2回とも1本だけを特別上映という形にしてありました。事前に主催者に申し込むと無料。当日何も知らずに来た人はその会場の普段の料金。そういう場所で古いSFを見るのは乙な気分。
タイトル: "Gattaca" の G と A と T と C は、DNA の基本塩基 guanine(グアニン)、adenine(アデニン)、thymine(チミン)、cytosine(シトシン)の頭文字。
ストーリー: 未来の社会は階層が2つに分かれており、遺伝子操作で生まれ、各種能力が優れた人が自然妊娠で生まれた人より上の階層に属す。職業上も様々な自由、特典がある。同じ家の兄弟だがヴィンセントは自然妊娠の子、弟アントンは遺伝子操作で生まれた子供。兄弟の間にはライバル意識が生じている。普段はアントンの方が優れているが、泳ぎだけはヴィンセントの方が強い。
将来の職業として宇宙飛行士を選んだヴィンセントだが、遺伝子操作で生まれていないので応募すらできない。裏社会には遺伝子操作を誤魔化すことができるブローカーがおり、ヴィンセントは事故で障害者になった元水泳選手の血液等のサンプルを入手する。いくつかの困難を乗り切りついに宇宙へ旅立つ。その裏には彼の本当の階層に気づいていながらわざと見逃す体制側の人もいた。
監督: デビュー。ニュージーランド出身。
トレイラー: 27年も前の作品なのに古く見えない。テーマはむしろ現実に近づいている。建築物、衣装などを凝り過ぎず、あっさりした物にしていたため古臭さが無い。
後記: 1997年にニコルがこの作品を作った時には恐らく「こうなっては行けない」という意味でく警告のつもりだったのだろう。しかし2024年になって、いくつかの映画を思い返してみると、せっかく警告をしてくれたのに、なぜか状況は映画のシナリオ通りの悪い方向に進んでいるような気がする時がある。「なんじゃ、あれは警告ではなく、予告だったのか、それとも人類はそこを取り違えるほどボケだったのか・・・」と考えるこの頃。
原作: マイケル・クライトンのSF小説。
ストーリー: 米ニューメキシコ州に人工衛星が墜落。軍が回収に向かうが付近の村人が2人を除き全員死亡。現場に来た兵士も死亡。政府は秘密裏にプロジェクトを立ち上げ、原因調査に乗り出す。担当の4人の科学者は原因は衛星と共に村に落ちた微生物との結論。衛星は宇宙空間で地球に無い微生物を収集する任務を持っていた。なぜ2人だけ被害に遭わなかったのか、被害がこれ以上広がらないためにはどうするかなどが検討されるが・・・。
監督: 1942年から長編を撮り始めた監督。非常に多くのジャンルに取り組んでいる。パッとしない作品もあるが、問題作と言われる物もあり、かと思うとミュージカルも手掛けている。私も1人の監督としてはかなり多くの作品を見た。
トレイラー: トレイラーだけを見ると面白そうだが、本編を見終わると、やや単調だったという印象。
後記: 131分だが、やや長過ぎる印象。記録映画風になっているため、メリハリやドラマが無く、普段クライマックスで緊張する映画を見慣れていると、やや単調。
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