風雲電影院

イット・フォローズ（It Follows） ２０１６年１月２２日 ＴＯＨＯシネマズ六本木 　♪朝起きたら　男の態度が変わってた　前の晩とはえらい違いや　前の晩はジェントルマン　朝なったら・・・ 　小林万里子の『朝起きたら』じゃないけど、男と寝たら相手の態度が急変していたというホラー。そんなの男にとっては当たり前だなんて言わないように。この映画の場合、ヒロインはとんでもないことに巻き込まれるとになるのだから。 　ベルリンさんは、2014年のベルリン・ファンタて観ています。ベルリンさんによると周りの人の評価は高かったようだが、ベルリンさんにはあまり印象に残らなかったようだ。私は予告編を観て面白そうだったのと、設定がよくわからないけれど、なんとなくポスターの宣伝文句に惹かれてしまったというのがあって観に行った。まあ、けっこうエロチックそうというスケベ心が大きかったのかもしれないけれど。 　すごい低予算ホラー。それをアイデアで見せてしまう。ただ人が歩いているだけっていうシーンが、それだけなのにやたらと怖い。 　アメリカのホラー映画って、若くてきれいなオネエサンが襲われるというのが定番になっていて、ホラーであるのにサービスショットが満載。それを観るのがまた楽しみなわけだけれど、この映画の場合、゛それ”はセックスを媒介にして現れるわけだから、当然そんなシーンもあるわけで、これはもうそういうシーンを楽しみにしている観客はあまりにストレートということになる。もっともそれを期待すると案外肩透かし。その手のシーンは以外とあっさり撮ってる。中にはその部分を手前でバッサリとカットしてあって、「勝手に想像してください」にしてしまっているところもあるし。第一、゛それ”が近くまで来ている状態でセックスなんて落ち着いてできないだろうし、こっちも気が気ではないないんだから。 　興味は、果たしてこの映画、どういう結末に持って行くんだろうかということにある。ひとつは゛それ”を倒さずに、誰かに押し付けちゃって終わりにする結末。もうひとつは゛それ”と対決して倒すという結末。どうするのかと思ったら、この映画、相手と対決する方を選ぶんですね。罠を仕掛ける。ははあ、これで決めるわけだと思っていると、最初の方の伏線で、相手は動きは遅いが頭がいいということになっている。こんな見え見えの罠に引っかかるものかなぁと思っていると、ほんとに゛それ”は、やはりバカじゃない。罠を見破り、別の方法で襲ってくる。ここがまた怖い。もっともその罠を成功させちゃうと金がかかりすぎるという制約があったのかもなぁ。ウハハハハ。 　それでなんとなく中途半端なエンディングをそのあとに付けることになるのだけれど、これはこれでまた面白いんじゃないかな。 　結局、゛それ”は何だったのかの説明もなく、ヒロインとその仲間たちはなぜ事をもっと公にして防ごうとしなかったのかわからないままでおしまい。でもなぜかそれが妙に怖く感じた映画にだった。低予算ホラーに整然とした説明は必要ないってことかな。 １月２３日記 静かなお喋り １月２２日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る

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