モーターウェイ(Motorway 車手) 2013年10月19日 WOWOW放映録画 ジョニー・トーが制作に回り、ソイ・チェンが監督した作品。どうして、こういう経緯になったのかは知らないが、おそらくジョニー・トー自身が撮るよりも、ソイ・チェンに任せた方が、カー・アクションを面白く撮れると判断したからなのかもしれない。それでも、ジョニー・トーは制作に回っても、いろいろと口出しすると聞いたことがあるから、ジョニー・トー色は強いような気がする。 夜のシーンが多いのは、あの、一晩の出来事を映画にした『PTU』の色使いに似ている。あえてカラーで、白と黒のコントラストをつけるというのにこだわって作った映画。そういえば『モーターウェイ』に登場してチェイスする車も白と黒。 とにかく私はカー・アクションをあまり面白いと思わないのだが、これは面白いと感じた数少ない一本。 なぜ私がカー・アクションを面白いと思わないかというと、スピード感を感じる映画が意外と少ないということと、カット割りや編集が雑でどうなっているのかわからないものが多いからかもしれない。 私が一番面白いと思ったのは、やはりスピルバーグの『激突!』だもの。 『激突!』は無駄なストーリーを一切排除して、乗用車とタンクローリーのチェイス一本に絞ったところが勝因だろうが、『モーターウェイ』も基本は凄腕の逃がし屋と、覆面パトカーのドライバーの闘いに焦点を合わせて90分にコンパクトに収めていることに好感が持てる。 ドラマの方も最低限で押さえてあって、複雑なストーリーにしていないところがいい。 敵の逃がし屋は、狭いクランクカーブの路地を超絶テクニック走法で通り抜ける達人という設定。こういうのって、絶対にアメリカ人の発想じゃない。狭くてゴミゴミしたところを走る香港や日本の交通事情のところからしか生まれてこないんじゃないか? アメリカ映画だと、とにかくぶっ飛ばして、重量級の車両がぶつかり合うみたいなものしか出てこないもの。あんなの面白い? それにしてもこれ、つくづくスクリーンで観たかった。シネマート六本木での公開に気が付かなかった事が本当に悔やまれる。すでにDVDも出ているけれど、どこかの名画座でかければ絶対に観に行くんだけど。 ベルリンさんは私よりも一年以上早く観ていて書いているので、そちらの方もご参考に。 ベルリン横町にたった家 モーターウェイ 10月20日記 静かなお喋り 10月19日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |