スカイフォール 2012年12月5日 新宿ミラノ2 タイトル前の、いわばプロローグ部分が実にかっこいい。 私はカーチェイスにはあまり胸躍らない方なので、この部分はどうでもよかったが、次のオートバイを使ったチェイスは面白かった。トルコの住宅の屋根を駆け抜けるシーン。それに続くバザールへの着地。これぞジェームス・ボンドだと思わせるアクション・シーン。さらに次は列車の屋根での格闘。このスピード感は、この手のアクションでは、今までにないほど素晴らしいシーンだ。 そして、ジェームス・ボンドと一緒にカーチェイスに加わった今回の相棒イヴが、なぜか先回りしてトンネルの出口の鉄橋を見下ろす位置でライフルを構える。列車を追い越して自動車が先回りするなんてありえないというツッコミはこの際無しだ。 ちなみにベルリンさんの文章だとはエヴァになっているが、ドイツ語吹き替えではそうなるらしい。表記だとEve。 イヴはMに命令されたとおり相手を撃つつもりが、弾はボンドに当たってしまい、ボンドは橋の下に真っ逆さま。水中に沈んでいくボンド。そこにテーマ曲。かっこいいー。ここも、川なんだからあんなに水深は深いわけはないというツッコミは無しにしよう。 このシリーズ、オープニングが面白くなったのはロジャー・ムーアのころからだろう。これで掴みはOKというわけである。 ただ、このオープニングの作戦失敗のくだりが、この先の今回の話のまさに幕開けになってしまう。機密を盗んだ相手はそれを使ってMを境地に追い込んでいく。 実のところ、今回アクション・シーンで一番面白いのはこのオープニング。アクションを期待していると、今回の作品はいささか肩透かしを食うかもしれない。 敵はMに恨みを持つ、かつてのエージェント。つまり内輪揉めのようなものにボンドが巻き込まれてしまうといった感じになってしまうわけで、スケールとしてはなんだか盛り上がらないまま。 ダニエル・クレイグ版ジェームス・ボンドは、もともと暗いイメージで来たが、今回は中でも暗さいっぱい。風光明媚なリゾート地でもロケ先に選べば、それなりに画面も引き立ったんだろうが、ロンドン、それから最後の決戦の血はスコットランドだもんなぁ。 ここでアストンマーチン登場というのは、クルマ好きならずとも少し心が躍るところでもありますが・・・そのアストンマーチンが、ああ、そんな、そんなことになるなんてと思う人も多そう。 このスコットランドの地での闘いも夜。ひたすら暗くて盛り上がりに欠ける。 まっ、最終的にはこれからのシリーズを見据えた終わり方にしているので、さてさて次はどうすることやら楽しみになるエンディングではあるのだが。それは何年か先のお楽しみ。 12月7日記 ベルリン横丁にたった家 スカイフォール 静かなお喋り 12月5日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |