January.11,2001 かきあげ天ぷらバーガー

        サンドイッチの由来は、その昔、大のカード・ゲーム好きだったサンドイッチ男爵が、食事の手間を嫌い、ゲームをしながら食事できるようにと、パンに具を挟んで食べたことによるという。

        一方、わが国のおにぎりは、大の博打好きのヤクザ、上州の鬼義理親分が賭場で丁半勝負をしながら食事ができるようにと、ご飯の中に具を入れて握らせたのが、その由来という(ウソです)。

        そう、昨日、『言いたい放題食べ放題』で述べたように、現代は仕事をしながら手掴みで食べられるものを、みんな望んでいる。天丼を食べたくても、一時仕事を中断して食事に専念しなければならない。そこへいくと、名古屋で発明された[天むす]はいいところに目をつけたと言える。今やコンビニのおにぎりコーナーにも置いてあるところがある。

        サンドイッチよりも人気が出たのが、アメリカから上陸したファースト・フードのハンバーガー。当初は、ハンバーガー、チーズ・バーガーくらいしかメニューがなかったが、日本の経営者は新メニューの開発に余念がなかった。目玉焼きを乗せてみたり、ベーコンを乗せてみたり、果てはハンバーグの代わりにとんかつを乗せて、とんかつバーガーなど。こうなるともう[バーガー]ってどういう意味なんだと思われてくる。しかし、客は新しいメニューを出すと飛びついてくる。もうアイデアは出尽くしたかと思われるハンバーガー業界だが、ひとつ見落としている組み合わせがある。さあ、もう私が何を言おうとしているか分かるだろう。

        そう、ハンバーガー用のパンに天ぷらを挟んでしまおうということ。実は私、もう何年も前から天ぷらをパンに挟んで食べているのだ。忙しかったある日のこと、もう自分の分の食事を作るのが億劫になったことがあった。ふと見ると[ねぎせいろ]に使う、イカのかきあげ天ぷらが揚がっている。そして目は、その先にある朝食の食べ残しの食パンに向いた。そうだ、食パンに天ぷらを挟んで食べてしまおう。私は食パンを2枚取ると、かきあげを天丼の汁(専門用語でドンジルという)につけてパンの間に挟んだ。これが予想外に美味しかった。それ以来、病みつきのようにして食べていた時期がある。

        早速、ハンバーガー用のパンを買いに行ったのだが、売ってないんですね、これが。マフィンならあるが、これはイマイチ。とりあえず撮影用にと、マクドナルドでハンバーガーを買ってきた。中のハンバーグとピクルスを外して、イカのかきあげを揚げをドンジルにくぐらせ、パンに挟む。

        これ、どんな味がすると思います? そうですね、おそらくみなさんが想像しているよりも、数段旨いという自信があります。とろけるチーズを乗せて食べてみたりもしましたが、これもいける。まったく問題なし。チーズかきあげ天ぷらバーガーも可能だということが分かった。この調子だとタルタルソースもOKだろうし、そうだそうだ栄養のバランスを考えるなら、レタスやトマトも加えて挟んだっていけそうだ。ピクルスだって一緒に食べてみたらいけた。う〜ん、ということは、ピクルスの代わりに漬物を挟むといのもありだなあ。

        しかもです。揚げたての天ぷらをその場で食べてももちろん旨いのだけれど、驚いたことに、これ、冷めても旨いんです。よおし、ファースト・フード・チェーン展開だあ!

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