3DXchange5 Pipeline テストシリーズ 11J : MMD Model to iClone5.4
2013.3.20 Reported by Hirospot (パーソナルサイト)
拡張ボーン内蔵のMMDキャラクターも大丈夫! 日本語表記対応3DXchange5.4
デモ ビデオ (YouTube)
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印は日本語でのレポートです
Lily_Top 最新版の3DXchange5.4ではフェイシャルアニメーション機能が搭載されましたが、拡張ボーンを内蔵するキャラクターへのボーンマッピングのインターフェースについても大幅に強化されております。

マッピングの効果は①translate、 ②rotate、それに、③mixing の3種類の方法で適用できますが、ボーンを内蔵する部位の材質特性により、更に調整することができるようになっています。


従来は、長い髪の毛や衣装、アクセサリーにも複数の拡張ボーンが組み込まれた複雑な MMDキャラクターについては、個別にSPXファイルの編集をするなど、手間をかけて動きを得ておりました.

今回、新たな拡張マッピングツールが使えるようになったため、3DXchange5.4上で視覚的に細かな調整が可能になり、iClone5.4上に持ち込んだ時にもより自然な動きを伴ったアニメーションを楽しむことができます。


Scene Tree_s

また、PMDEditor上で表示される日本語の材質名、ボーン名称は、そのまま、英語版3DXchange5.4 のマテリアルリスト内とシーンツリー内に日本語で正しく表記されるようになっております。

マテリアル名とボーン表記は英語版iClone5.4上でも表示できるため、従来に比べ、大変便利になりました。

このレポートではMMDセカンドパックの付属DVD内に収録されている特別収録モデルの中からVOCALOID のLily を使わせて頂きました。

モデリングをされたキオ様、デザインをされたKEI様、著作権を所有される会社様に感謝いたします。


(備考) このレポートは個人的に試した事を記録してご紹介しており、正式なチュートリアルではありません。
また、このレポート内容は英語版の単なる翻訳ではなく、日本語表記に対応して各部に手を加えてあります。

本レポートで使用したツール類
製品のバージョン
備 考
(a) PMDEditor 0139 Released on 2013/3/11
(b) ColladaExportPlugin.dll 1.0.0.0 See Details in the Report #4
(c) FBX Converter 2013 7.3.0 Autodesk FBX web site
(d) Live Animation 4.30 See Details in the Report #8
(備考) MMDモデルのFBX ファイルの生成には上記 (a)+(b)+(c) 又は(d) が使えます。
3DXchange5 Pipeline 5.4.1511.1 Reallusion (5.4 New Features)
iClone5 Pro 5.4.2706.1 Reallusion (5.4 New Features)
CrazyTalk 6 Pro 6.21 Reallusion
 
1
PMDEditor
1.1
PMDEditorを使い、拡張ボーン内蔵のMMD キャラクターを準備します。
  1) LilyのFBX ファイルを生成します。その手順は以前のレポート(#4) に記載しております。
 
PMDEditor : モデルの 外観
PMD1
PMDEditor : 拡張ボーンの状態
PMD2
  2) 日本語の材質名とボーン名を確認しておきます。この表記が3DXchange5.4上でも表示されます。
 
材質:PMDEditor
Material:3DXchange 5.4
Material_J
ボーン:PMDEditor
Scene Tree: 3DXchange 5.4
Bone_J
Scene Tree
  3) PMDEditorからDAE形式でエクスポートする場合、日本語表記にチェックします。
 
DAE_J
  4) Autodesk社のFBX Converter2013でDAE→FBXに変換します。
 
FBX Converter
2
3DXchange5.4 (シーンツリーとマテリアルリストは日本語表記されます)
1) 3DX5.4 を開きます。File/Open後、MMD Model の FBX ファイルを開きます。 (Lily.fbx)
  2) キャラクターのサイズを調整します。標準状態で出力した場合はここでScaleを8倍程度にします。
 
Scale
  3) キャラクターの各部の色を調整します。
 
マテリアル名を選択し、スペキュラ値を0に戻します.
2.1
キャラクタライズ
1) Modify/Character(N)と選択し、Character Setup にて 'Convert to Non-Standard' ボタンをクリックします。
  2) Presets はCustomで, 各iClone 標準ボーンを、相対するMMDモデル側のボーン上にマッピングします.
  3) Bone サイズは3~4位にします. 作業する個所により適宜変更すれば良いです。
 
Just_Mapped
  4) Active の前にチェックを入れます。
 
  5) Hip bone アラート
 

左図のアラートが表示された場合には、一旦、Activate を止め、ヒップボーンのマッピング位置を変更します。

iClone標準ボーンのHips上にマウスのアイコンを乗せ、 右クリックをすればマッピングが外れますので、再度、クリックし、MMDモデル上の所定のボーンをクリックします。↓

 
  6) 'Spine Page' を開き、"Spine1 - 上半身" をMMD モデル上のボーンに再マップします。
 
Spine Bone_J
  7) 左右の腕のボーンを選択し、 Rotate Objectツールを使って Tポーズ にします。
 
  8) ’Active’ にチェックを入れ、 'Convert' ボタンをクリックします。次のメッセージが出ますが、’OK’ ボタンを押します。
 
Click_Convert
  9) キャラクタライズが済むと, Face Setup欄に'Expression Editor' ボタンが現れます. (New)
 
Characterized
   
2.2
Face/Extended Mapping (New)
 
【コメント】
以下の作業は分かり易いように部位別に記載してありますが、
拡張ボーンへのマッピングを全部済ませてから、まとめてコンバートし、
スプリングの編集ステップに移ってから場所別に再選択すれば効率的に設定できます。
(1)
Face Setup/Expression Editor
  1) 'Expression Editor' をクリック後、'Head' タブ内のOrientation内で頭部の方向を調整します。
 
傾斜の調整には'Rotate Object' ツールを使います。角度を決めたあと、 'Set' ボタンを押しておきます。
Expression_Editor
(2)
Expression Editor による Eyes expressions の設定
  Characterization Profile (New)
  1) 両眼のボーンへのマッピング
 
0. まず、 'Bone Mapping' アイコンをクリックします。

1. 次に、'Face/Extend Mapping' アイコンをクリックします。

2. Active にチェックを入れます。

3. 右目のボーンを選択します。

4. 'Map to Right Eye' アイコンをクリックします。

5. 'Convert' をクリックします。

6. 左目についても0 から5のステップを繰り返します。(両眼について0~4を最初に行ってから5を行なっても良いです)

7. Modify/Face Setup と選択し、Expression Editor ボタンをクリックします。

 
('Convert' ボタンを押す前の画面状態)
 
2)Eye Expression の設定
  1. 'Expression Editor'をクイックします。 'Eye' タブ内で Both Eyes を選択し、'Rotate Object' ツールで眼球の動作範囲を設定します。
 
Both Eyes
  2. ExpressionEditor パネルを閉じます。
  3. Modify/Character からConvert to Non-Standard をクリックします。
   
(3)
Spring Type: Translate (胸部)
 
【コメント】胸部のように質量のある部分が揺れて欲しい場合にはTranslate が適している模様です。
  1) 左右の胸ボーンを選択し、'Map to Extend' ボタンをクリックします。胸ボーンが紫色に変ります。
 
 
2) 'Convert' ボタンをクリックし、Modify/Spring と選択します。
  3) 'Edit Spring'ボタンをクリックし, マッピングされた胸ボーンを選択します。
  4) 'Active Spring' ボタンをクリックし, 'Translate' を選択してダイアルを 6 にしてみます。
  5) Preview/Motion Animation で03.Dance を選択し、モデルを回転させてみます。
 
Breasts Setting
  6) Previewを観察し、胸の動きが自然になるようにGroup Setting のパラメータも調整します。  
  7) ここでは、Mass/Strength/Bounciness=3/6/11 としました。
  8) 設定が完了したら、’Apply’ ボタンをクリックします。
 
(備考)プレビュー後、モデルを元の姿勢に戻したい場合はモーション欄上部の空欄をクリックします。
(4)
Spring Type: Rotate (スカートに対して)
 
【コメント】 生地が薄く、面積が少ないスカートの様な場合には、
マッピングするボーンの場所や本数を考慮する必要があります。
このモデルの場合には上着を着ているため、内側の部分は
マッピングしない状態で始めてみます。

  1) 'Face/Extended Mapping' アイコンをクリックし、スカートの裾側のボーンだけ最小限選択します。
 
複数のボーンを選択する場合は、Ctrl ボタンを押しながらやって下さい。
8本のスカートボーンの中で、選択するのは前3本のボーンの裾側だけにしておきます。
 
Skirt Bone Select
 
2) 'Map to Extended Bone' アイコンをクリックすると、マッピングしたボーンだけが紫色に変ります。
 
Skirt Mapped
  3) 'Convert' ボタンをクリックします。英文メッセージが現れますが、そのまま’OK’ボタンをクリックします。
  4) Modify/Spring を選択し、'Edit Spring' ボタンをクリックします。
  5) 既にマッピングした部分のボーンが表示されますので、 スカート部分のボーンを再度選択します。
  6) 'Active Spring' ボタンをクリックし、Spring type は 'Rotate' 側を選択します。
 

  7) Soft と Hard の間でスライダーを2の位置に仮設定し、Preview Motion/Animation で03.Dance を選んで再生してみます。
 
 
8) スライダーの位置を変えてスカートの揺れ具合を確認し、更に調整したい場合はGroup Setting も使います。
  9) Soft/Hard スライダーの位置は2、Mass/Strength/Bounciness=7/7/7 としておきます。
 
10) 'Apply' ボタンをクリックします。
   
(5)
Spring Type: Rotate (髪の毛に対して)
1. 後髪
  1) Modify/Character を出し、 'Convert to Non-Standard’ ボタンをクリックします。
  2) 'Face/Extended Mapping' アイコンをクリックし、後髪全体を選択します。
 
Face Extend Mapping 複数のボーンを同時に選択する場合は最初のボーンをクリックし、Shift キーを押して最後のボーン上をクリックして下さい。
 
3) 'Map to Extended Bone' アイコンをクリックします。選択した髪の毛全部が紫色に変わります。
 
Hair Mapped
 
4) 'Convert' ボタンをクリックします。
 

左の英文告知が出ますので、OK ボタンをグリックします。

  5) Modify/Spring と選択し、'Edit Spring' ボタンをクリックします。
  6) 後髪全体のボーンが表示されますので、もう一度全部を選択し、 'Active Spring' ボタンをクリックします。
 
Hair Active Spring
  7) Spring type は 'Rotate' を選択し、Soft/Hardスライダーを5の位置にしておきます。
 
8) Preview Motion/Animation で 04.Catwalk などを適用し、後髪のなびき具合を診ます。
 
 
9) このレポートでは、Soft/Hardスライダーを4、
   Group Setting で Mass/Strength/Bounciness=3/7/4 としてみました。
 
10) 'Apply' をクリックします。
   
2. 長い前髪房
  1) 右房、左房の全ボーンを選択し、前節と同じ手順で作業をします。
 
  2) Spring タイプは ’Rotate' を選択し、03.Dance でプレビューしながらスライダーの値を決めます。
 
HairF1
  3) スライダー値を7、Mass/Strength/Bounciness=6/6/3として 'Apply'をクリック.
   
3. 前髪とアホ毛 (額の上)
  1) 前髪とアホ毛のボーンを選択し、'Map to Extend Bone' アイコンをクリックします。
 
Hair Front
  2) ’Convert’ ボタンをクリックし、Modify/Spring と選択します。
  3) 英文のメッセージが出ますのでOKボタンをクリックします。
  4) 変わった画面上で 'Edit Spring' ボタンをクリックし、先程選択した前髪とアホ毛のボーンを再度選択します。
  5) 'Active Spring' ボタンをクリックし、Spring Type に'Rotate' を選択し、スライダーを6程度にします。
  6) Preview/Motion Animation でプレビューをします。例:Group Setting M/S/B=8/4/5.
 
Hair Front Preview
  7) 良ければ、 'Apply' ボタンをクリックします。
 
(6)
Spring Type:Mixing (New) (上着)
  1) Modfy/Character(N)/Character Setup と選択して、"Convert to Non-Standard" ボタンをクリックします。
 
【コメント】モデルが着用している上着には3段のボーンが10列組み込まれていることを確認します。
各ボーンで対応する上着の面積が大きく、全体をスムーズに動かすのはなかなか難しい部分です。
開発元からはTranslate とRotation の混合(Mixing)方法が紹介されておりますが、
今回のモデルでは対応ボーンが3段と少ないため、Mixingの適用効果が出にくい模様です。
結果としては、今回は最小限の設定に留めております。

  2) 上着部分のボーン全部を選択し、 'Map to Extended Bone' アイコンをクリックします。
 
Jacket
  3) 'Convert'ボタンをクリックし、Modify/Spring と選択して表示される画面上で’Edit Spring’ ボタンをクリックします。
  4) 上着のボーン全部が白色で表示されますので、ここからのマッピングを腰周囲、中間、裾側と3つに分けます。
 
腰周囲左右の上着(左右のA1、B1、C1、D1) → Translate 
中間部(左右のA2、B2、C2、D2)   → Rotation_1
裾側のボーン          → マッピングはしないでおく

 
Jacket Mapping
 
5) 腰周囲のボーン(左右の上着A1、B1、C1、D1)を選択し、'Active Spring' をクリック。
  6) スライダを7に設定し、Preview/Motion Animation の04.Catwalkを適用してプレビューしてみます。
  7) 続いて、中間部のボーン(左右のA2、B2、C2、D2)を選択し、'Active Spring' をクリック。
 
Jacket Mapping2
  7) スライダを8に設定し、同じモーションで上着の動きを観ます。
  8) Group Setting にてMass/Strength/Bouciness=2/2/5 と設定しました。
  9) 'Apply' ボタンをクリックして確定します。
  10) ケーブル2本についても同様の設定作業を行います。
 
【コメント】全体についてプレビューを重ね、修正したい部分がある場合には
’Edit Spring'ボタンを押し、修正したい部分のボーンを選択します。
修正方法として、ボーンに適用したパラメータの変更、そのボーンから
マッピングの除去、スプリングタイプの変更など、ボーン単位で行なうことができます。
本レポートでは、すり抜け対策として、スカート側面のボーンにもスプリングボーンを適用、
上着側面のボーンマッピングの除去、その他を行いました。

 
  11) 最後に’Push 'Apply' ボタンをクリックし、Modify/Character(N)のページで 'Apply to iClone' ボタンを押します。
   
   
3
iClone5.4
 
(備考) 3DXchange5.4で作成したモデルをiClone側で読み込ませる場合には、事前にiClone5.4をインストールしておく必要があります。インストール上に問題がある場合には下記のメッセージが表示されます。
 
Reminder
   
3.1
Facial Edit を確認します。
  1) Animation/Facial Animation と選択し、Modify/Facial Edit と選択し、'Face Key' ボタンをクリックします。
 
Facial Edit
  2) Face Key 画面左下にあるHead Orientation または Head Tilting アイコンをっクリックし、そこでマウスを移動するとモデルの顔が動きます。FaceKey上の男性の両目をクリックしておくとLilyの両目も顔と一緒に動きます。
 
Mouse Move_1
   
3.2
Avatar Proportion
  Model Proportion
  下記の部位のボーンについてModel size (Width, Length, Depth) の編集が可能です。
上半身、首、頭、左肩、左腕、左ひじ、左手首、左手の指全部、右肩、右腕、右ひじ、右手首、右手の指全部、下半身、左足、左ひざ、左足首、右足、右ひざ、右足首
 
(個人的な好みもありますが、下記の設定にしてみました)
 上半身: W/L/D=120/100/100
 下半身: W/L/D=120/100/100
 両腕: W/L/D=120/100/120
 両足: W/L/D=120/100/120
 
Proportion
   
3.3
Edit Motion Layer
  animation/motion から EditMotion Layerパネルを開くと、ポーズの設定ができます。
 
   
3.4
Mix Move
  MixMove ボタンをクリックしてMixMoves Motion List を開くとプリセットモーションを適用できます。
 
MixMove
3.5
Show Bone
  'Show Bone' と'Bone Settings' メニューが利用できます。
  ボーンのサイズ、色、透明度、表示・非表示が自在にできます。
 
EditMotion_J
 

4
テストビデオを作ります。
  1. ボディモーション
  1) Lily と共に踊るサンプルキャラクターを準備します。(サンプル: Chimp, Croc)
  2) iCloneのライブラリから適当な背景を選択し、モデルとライトを配置します。
  3) Time Setting パネルでフレームの長さを設定しておきます。(3,000フレーム)
  4) Lilyに適当なアニメーションモーションを付加してみます。I Got a Feeling in A&M Mocap Motion Series
 
iC5.4_Setting
  5) Motion track lists を開き、各モデルの動きを調整します。
 
Composing
   
  2. 表情の表現
 
【コメント】iClone 5.4ではDAZキャラクターモデルの表情データが使えるようになったのですが、
MMDキャラクターについては表情モーフデータの外部利用方法がわからない状態のため、
代案として、デモビデオの解説部分をCrazy Talk6のTTS を使って作成します。
  1) TTS Editorを開きます。VW Julie voice を適用します。 Voice Pitch は55% とします。
 
テキストの段階で良くヒアリングし、聴きやすく編集してからモデルに適用します。Lily Voice
  2) テンプレートを使って表情を付加します。
 
Add Expression
  3) Emotivesの表情の中からも適用可能です。
 
  3. 試作したデモビデオを YouTube にアップします。(編集ソフトも使用しています。)
 
(デモビデオで使用したLilyは英語版レポート作成時のものです。)
Lily & New Friends
3DXchange5 Pipeline Test Series 11J: MMD to iClone5.4
2013. 3.20 (日本語版2013.4.3) by Hirospot (パーソナルサイト)