自作ダミーロードのチップ型エレメント焼損と修理

しばらく愛用していたFlorida RF Labs32-1005ターミネータを使った800Wダミーロードが過大入力で焼損してしまった。過大入力は勘違いによる誤操作によって発生した。元々144MHzの1KWアンプ用に製作したものだが、同軸ケーブル(5D-2W)を60m用意して約6dB超のATTとして併用していた。従って144MHzにおいては約4倍の3.2KWは大丈夫(同軸は熱を持つが)だった。
ところが何を勘違いしたのかこれをそのまま50MHzのKWアンプのテストに使用してしまった。電力は3KWを超えており、ATT効果は50MHzで3.6dBしかない事に気付いたのはずっと後のことであった。3.6dBだから約2.3倍=1.84KW。その倍程度の電力を放り込みしばらくKeyingしてしまった。その結果ターミネータの焼損に至り、ダミーロードの抵抗値はオープン(∞)になってしまった。

(1)上部放熱器を取り外したダミーロード
チップ型ターミネータは放熱器によりサンドイッチ状に挟まれている。ターミネータやコネクタの配線で出っ張る部分は放熱器をフライス盤で削り取っている。写真は、上側の放熱器を取り外した状態だが、部品は密閉されているため、その瞬間電子回路が焼けるあの独特の匂いが漂った。
N型コネクタからのリン青銅盤の半田も流れ出し、ターミネータにヒビが入っている様子が分かる。

(2)破壊した32-1005ターミネータ
ターミネータのクローズアップ。前述の様に縦にヒビが見られるが、さらに白いセラミックに穴が開いており焼損時の温度の高さが推測できる。焼損時は相当な閃光が放たれたと考えられるが、金属で密閉されているため何も感じなかった。

(3)交換のために用意した新しい32-1005ターミネータ
予備に用意していた32-1005を持ち出し、不良になったモノの上に並べてみた。このターミネータは国内ではFUSO/扶桑商事が取り扱っている。
今後は少なくとも100m(50MHzで6dB損失)もしくは150m(9dB)のケーブルが必要である。
ただしお断りしておくが、同軸への給電部分やその近傍はそれなりの温度になるので注意する必要がある。