自作SSB/CWトランシーバ用電源の改修(Apr 25, 2012)
自作HFトランシーバの電源に待望久しい工夫を施す
1972年4月20日から運用を始めたHFオールバンドSSB/CWトランシーバ、1979年最初の転勤で実家を離れて以来電源が入ることがなかった。
もう2度と電源など投入することは無いだろうと思っていた昨年(2011年)12月、3.5MHzで聴く自作談議に刺激され、妙にこのトランシーバが恋しくなり32年振りに電源投入となった。
その後送信系の修理や手直しを行い、今年2月、ついにSSBによる交信に漕ぎ着けた。また自作5T31/450THリニアアンプをつなぎ、オール自作ラインによる1KWの動作も確認。4月までに数10局との交信が実現している。
これら復活作業の最中、かつてやろうと思っていて出来なかった電源部の改修を行ったので紹介する。
改修内容は…。

@パワーリレーによる電源ON/OFFのリモート制御
今までトランシーバ本体の電源SW(AF-GAINに連動)で直に電源をON/OFFしていた。すなわち、電源トランスの1次側回路がケーブルで本体まで導かれ電源SWを経由して返って行ったのである。5球スーパー程度のSW付VRのSWの容量も怪しいが、同時に長いルートをACの大電流が往復し周辺へノイズをまき散らしていたことも否めない。
そこで、トランスの1次側の開閉はAC100Vパワーリレー(15A)で行い、リレーを今までの電源SWにより小電流で制御する方法へ変更した。小電流でON/OFFされたパワーリレーが大電流をON/OFFする様は、見ていて中々心地良い。

A電源部をスピーカーケースへ組み込む
電源部はずっと剥き出しだった。だから机の下に置きデスクトップには顔を出さないようにして、スピーカー箱をトランシーバの上に置くなどしてお茶を濁していた。このままでも十分なのだが、Collinsの516F-2などを見ていると、やっぱりカッコいいしスピーカーに重量感があって良いと思うようになった。実はその目的に八重洲無線のSP-101がピッタリだろう思っていたのだが、適当なモノが出てこない。有っても他の101シリーズとセットだったりして中々単品のゲットできなかった。富山のTMTさんへ尋ねるとレストア済みのSP-101が有ったが高価。逆にSP-401を案内されるがちょっと趣向が違う。そこでひょっとしたらSP-901が良いのではと探すと金沢の中古無線機本舗さんに適当なモノがあり即ゲット。サイズもあつらえたようでグッドだった。電源部にはスピーカー出力がRCA-JACKで伸びているので接続も容易だ。



写真左は電源部シャシ内側面に取り付けたAC100Vパワーリレー。右はトランシーバの上で、撮影用に後ろ向きに置かれた電源部を組み込んだSP-901。Toshibaの白黒TV用トランスTBW-913Bが印象的だ。トランスと角型コネクタの赤錆が時代を物語っている。
話は違うがこのSP-901、GU-74Bを組み込んだFL-2100Zの外部電源ケースに使える。この中にFL-2100Zのトランスを2個放り込み、本体のトランスと3パラ駆動すれば安定な1KWアンプになる。

左は横に並べる替わりに(スペースが無いので)、トランシーバの上に電源部の入ったSP-901を乗せてみた。高さは160mmで、トランシーバの165mmに比べやや低い。下図は電源回路図でクリックすると拡大。
そのうち屋根裏シャックで横に並べて、少年時代に思いを馳せる予定だ。
右奥にOSCAR BLOCKのSWR-200。手前にUSB-DDS用のロータリーエンコーダが見える。