FE103Σの修理を試みるも…(Feb 21. 2020)
はじめに
1983年12月17日、名古屋市の仲野無線から購入したFOSTEXのバックロードホンキットYB-120。引っ越しのたびに持ち歩いていたものだが、生活の基盤を静岡に移してから15年。最近は全く鳴らすことが無かった。昨年正月、300Bシングルアンプを製作した折、ALTEC/A-7と聞き比べようと鳴らせてみたらガサゴソ音。そのまま1年が経過した今年2月、ようやく重い腰が上がり、ユニットを取り外して様子を見ることになった。このYB-120は一回り大きいサイズの物もあったと思うが記憶は定かでない。6080のA級プッシュプルアンプでYB-120駆動して、アパマンのHandmadeAudioを楽しんでいた時代だった。
写真左はYB-120に実装されたFE103Σ。

YB-120からFE103Σを取り外す
写真右はYB-120より取り外したFE103を手にしている様子。10cmフルレンジユニットだが、マグネットが同系のFE103の倍ありずっしりと重い。

コーンとエッジの様子を確認
コーンとエッジ間を接着していた接着剤が革質化して両者がつながっていない。コーンを押したときに特段の引っ掛かりは感じない。ボイスコイルの断線もない。写真はコーン部とエッジ部の隙間が分かるようにやや横から撮影したもの。紙を入れ一回りすると完全に分離されている。

コーンとエッジ間へ糊を塗る
薄くてやや硬めの紙を利用して隙間に糊を塗っていく。多からず少なからず均等に…。糊は一般的な糊(フエキ糊など)で、強力な糊は不要。

適度な荷重でコーンを押さえ糊を乾かす
力を加えないとコーン部とエッジぶが分離するので、軽い重しをして接着を促す。写真の左は重しにビニールテープ、右は円筒容器(味付け海苔ケース)を使っている様子。重すぎるとコーン部とエッジ部の重なりが減少するので注意する。

YB-120への戻し…ところが
はやる気持ちを抑えながら、復旧させたFE103ΣへYB-120のケーブルをつなぐ。オッ中々グッドじゃん。木ネジでFE103Σを固定して暫く音楽を聴く。と、ところが何となく音楽の背景にザワツキを感じる。それもある特定の編成の曲で…。一体何なんだろう。考えられるのは磁性粉が磁気回路とボイスコイルの間に紛れ込んだこと位か。この調査に時間はさけないので、あっさりと代替えユニットを探すことを決定。

新ユニットFE103NVを交換投入…FE103Σは新たな人生へ
コストパフォーマンスを考えた末、FE103の流れをくむFE103NVを購入することにした。秋葉のコイズミ無線へネット注文すると早々に届いた。ところが、端子のサイズが大きくなっていて、昔のコネクタがささらない。止む無くボイスコイルからの配線処理をしている部分へ半田付け。これで完全復旧。早速音出しをするが、くたびれた40年近く前のFE103Σより遥かに歯切れが良く、その音に満足。
ところで取り外したFE-103Σ。今年のOneTubeCompeに出展する単球スーパー&レフレックスラジオに実装し、第2の人生を歩んでいる。