Russian Tetrode "GU-84B" を50MHzで研究するページです(ハイパワーが目的ではありません!)

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総合回路図GU-84Bのスペック・・・クリックしてください。

グラビア(PDF)・・・クリックしてください。


Feb 〜 Sep. 2004
Sep 27. 2004 入力ケーブル(BNCP-BNCLP)の不具合

これもジャンクからの流用品だが、入力コネクタからの配線に使うケーブル(BNCP-BNCLP)を確認のためテスターで当たったら、確かに導通はあるものの芯線とシールド間に抵抗値もある。もちろん直流抵抗だが測ってみると何と60Ω程度ある・・・一体なんだ。まさか終端抵抗内臓なんて考えられないし・・・。それで片方のL型側のネジを外し中を見たら実に綺麗で問題なし。続いて反対側のストレート側を分解したら写真の様に何と充填材であるポリエチレンが真っ黒で炭化していた。これで初めて60Ωが理解できた。ケーブルを2cm程度切断しコネクタを付け直すことで無事復旧した。オンマウスカーソルで無事復旧したケーブルを確認できる。右側のストレー側を2cm程詰めた。
それにしても何時なったのか?・・・確かGU-74B/144MHzアンプをテストしているときにこのケーブルを使ったことがある。しかしあのアンプは完全50Ω終端型でSWRは悪くないし電力も50W止まりだし・・・これだけ黒くなって炭化しておれば、それなりの匂いがしたはずだが?。謎が深まるばかりである。
ちなみにケーブルはRG-55/U(FUJIKURA)、コネクタはノーブル無線のBNC-P052/LP083。

Sep 26. 2004 入出力コネクタ・同軸リレーボックス他取り付け

背面パネルに入出力コネクタと同軸リレーリレーボックスを取り付けた。入出力コネクタはフランジ付きのNJ-NJとNJ-BNJである。16mmΦの丸穴と周辺に3.2mmの取り付け穴4個を入出力用に2組空けた。16mmΦ穴はシャシパンチで行った。取り付けは3mmのビス&ナット4本で締め付けている。
同軸リレーボックスは4本の皿ビスで締めたフタ付だが、この対角の2本をリアパネル内側から4mmビスで共締めした。
写真は取り付け後手元にあったNP-NPケーブルで試しに入力側とリレーをつないでみたところ。オンマウスカーソルではレイアウト検討段階の背面の様子が確認できる。このケースは保護用の白ビニールシートが貼ってあるので、作業中はなるべく剥がさないで罫書きなどもこの上に書いた方がキズが付かなくて良い。
参考までにNコネクタの上側が出力で下側が入力。同軸リレーボックスの上側は出力につながる。同側面の上側がANTで下側がトランシーバに接続される。また赤のRCA-JACKは外部スタンバイ入力(接点)で、下方に見える黒いコネクタはDC24Vリレー電源とスタンバイ出力(送信で接地)となる。本音はパネルの内側に入れたかったが、同軸リレーが他からの流用のため位置関係が満足できず外側に取り付けた。

Sep 25. 2004 名古屋大須で部品購入

久しぶりに名古屋の大須商店街に足を運んだ。9月も下旬だと言うのに異常に暑かった。PC関係には目もくれず第二アメ横ビルを目指した。目的は製作中のリニアアンプに使う部品だったが、一番欲しかった#43材の大型メガネコアは無かった。このコアはACラインのLPFに使う予定だが、名古屋では入手できそうに無いので、秋葉原の斉藤電気に頼もうか・・・。
写真はゲットした部品。ファストン端子(平型端子)とLED(24V)ブラケット・・・この端子は電源・HV切替・STANDBYスイッチに直挿しが可能でハンダ付けから開放される。キャプタアケーブルは3.2mmSQの2芯でAC200V受電用。200V/20Aソケット&プラグも一緒に購入。200Vの配電も行わなければいけない。黒のブッシングは前述のケーブル用。黒のコネクターはパネル面の保守性を考慮し、メーターとLED配線を切り離せるようにするためのもの。
オンマウスカーソルでファストン端子をリレーの端子に試しに挿入した様子を伺える。実装時はこれに透明のビニールカバーが被せられる。
フロントパネルに配線される線材は、前述の様にどこかで切り離しができる構造にする。製作を容易にするのと何といっても保守性が高くなる。
色々と買いたいモノもあったがグッとこらえて、使途が判明している物意外は購入しなかった。未使用の部品ばかり集まっても困るから。

Sep 22. RF&STANDBYリレーボックスを修復する

GU-74Bの144MHz/KWアンプでテスト中に巻き線コイルが断線したリレーを修理した。これはOMRONのLY4/12VDCの4回路ある内の2回路を並列にして出力用、1回路を入力用、更にもう1回路をスタンバイ用(送信時接地)にしてTAKACHIのアルミダイキャストボックスTD7-10-3Nに組み込んだもの。スタンバイ接点は出力と入力の間に置きRFバイパス処理する事で入出力間の結合を軽減化している。RF切り替えとスタンバイ制御を同一リレーで行うので、少なくともアンプ単体ではタイミング合わせが要らない。そのSWRデータはTest&Dataコーナーにアップしてあるので参考にされたい。巻き線が断になった件についての原因追求はしていないが、大電力(1KW)通過によるRF電磁界が、DC励磁されたコイルに何らかの影響を与えたものと考えている。もちろんコイル周辺はRFバイパス処理を施し、また接点そのものには損傷は無かった。
写真は端子の配線替えをするのが面倒なため、分解してコイル(左)を取り外した様子。代わりに新しいリレー(LY4/DC24V)からコイルを取り外し入れ替える事にした。コイルの巻き線と端子は、古いLY4では半田付けであるが現在はスポット溶接に変わっているので注意が必要である。
リレーをファイナルボックスに入れる方法があるが、オーナーはこうしたやり方を好んで採用している。同軸と同じ低インピーダンス回路として捉えればその理由が理解できると思う。

Sep 21. 2004 入出力コネクタを決定する

アンプのRF入出力コネクタを決定する。外部インターフェイスは入出力共N型とする。また内部接続は入力においてはサブシャシ側が既にBNC型なのでこれに合わせBNCとする。一方出力側はN型コネクタから直に出力回路に接続したいが、手持ち部品の関係と作業のし易さから一度N型コネクタを経由する事にする。
写真は背面パネルに取り付けるコネクタ(レセプタクル)である。左側はフランジ付きのNJ-NJ中継コネクタ、右は同じくフランジ付きのNJ-BNCJ中継コネクタで両者ともノーブル無線(NMC)製造。NJ-NJ側は大電力が通過するので、片側(内側)は直にケーブル処理するタイプが好ましいが手持ちの関係で今はこのタイプしかない。オンマウスカーソルすると半対面を見る事ができる。
出力の取り出しや入力導入の同軸ケーブルをこの場所で一旦先バラにして同軸関係を崩してしまう造りをする方がいらっしゃるがオーナーは恐くてとてもできない。ここは既にノーマルモードの伝送路に入っている部分であるからである。むしろここではサブシャシのグランドと背面パネルのRF的電位の違いに興味を絞り、コモンモード系の信号対策をしたいところである。

Sep 20. 2004 高圧平滑ブロックの組み立て2

ガラエポ基板にケミコン(ニチコン製470μF/450V)を10個取り付けた。同じロットでもケミコンの端子幅が微妙に違うので、ラジオペンチ等で修正して取り付ける。基板に差し込んだときケミコンが踊る場合はこうした対策が必要である。ケミコンがしっかり刺さっていることを確認してからハンダを流す。作業は慌てず一個一個丁寧に取り付けていく。どうしてもケミコンが踊り、隣のケミコンに接するような場合はタイラップ等でケミコンにハチマキを巻き、互いに接しないような措置を施す。こうした作業は、近い将来に発生するかもしれないトラブル対策を製作段階で行っているような思いもする。
ケミコンの取り付けが終わったらベーク板とスペーサーにより平滑ブロックを組み上げ形にしていく。写真は組み上げた平滑ブロックの俯瞰ショット。 作業はこの後セメント抵抗によるデバイダー&ブリーダー抵抗の取り付けを行う。ここでは50KΩ/10Wを10本使用するが、本当は39KΩ辺りのを欲しかったが、あの秋葉ラジオデパートの桜屋電機にも置いてなかった。
オンマウスカーソルで見える写真はその後50KΩのデバイダー&ブリーダー抵抗を取り付けたガラエポ基板。整流用ダイオードをこの上に組むか別途接地するかは未定。

Sep 19. 2004 高圧平滑ブロックの組み立て1

高圧電源の平滑(場合によっては整流も含む)ブロックを製作する。既に購入済みの470μF/450Vのケミコンをガラエポ基板上に10個直列に配置しデバイダー&ブリーダー抵抗を10本取り付ける。最終的に47μF/4500Vのケミコンが完成する予定である。今回はブリッジによる全波整流なのでケミコン群の中点の取り出しは無い。
写真はガラエポ基板にケミコンのレイアウトを行い取り付け穴を開けた後、回路に従いカッターで基板の銅箔を剥がす作業をしている様子。銅箔は均等に引っ張らないと縦に裂けてしまうので、オンマウスカーソルで見えるように、なるべく幅のある物で掴んで(この場合はニッパーで程よき強さで掴む)偏りの無いように慎重に剥がす。カッターだけで作業していると思った以上の力が必要で、またキズが付き仕上がりも綺麗にならない。
ケミコンは基板(150mmmX100mm)上一杯にレイアウトした。このサイズだとケミコン間に2.5〜3mm程度の隙間ができる。取り付け穴は1.5mmドリルで開けた。プリントパターンの間隔は掛かる電圧を考慮して決定している。すなわち同じ通りの隣り合わせのケミコンは大した間隔は必要ないが通りが変わると一気に電圧が高くなるので間隔を開ける必要がある。
ガラエポ基板の銅箔カットが終わったら、同じサイズにベーク板(3mm厚)を切り出しガラエポ基板とスペーサーによるフレームを作る。ベーク板とガラエポ基板の4角(エッジから5mm位置)に3mmの固定用穴をドリルで開ける。ベーク板は平らな面に取り付けられるように、底側は皿もみしておく。写真はガラエポ基板の銅箔面と、既に皿ビスで金属スペーサー(50mm長)を固定したベーク板。オンマウスカーソルすると、これらを組みあわせた様子を伺える。ケミコンは未だ搭載して無いが、経験的にロットによっては高さが微妙(1mm程度)に違う場合があるので、ケミコンを実装してガラエポ基板を取り付けるときに、ファイバーワッシャー等で高さ調整をする事になる。スペーサーは手持ちの関係で全て金属製(真鍮)を使ったが、GND用以外はポリスペーサーの方が安心である。

Sep 12. 2004 タイマーリレーの遅延量の調整は可能か?

手元に30秒/24Vのタイマーリレーが幾つかある。24Vを投じると0〜30秒遅延後ブレイクとメイク接点を得ることができる。30秒はGU-84Bのヒーターの予熱時間としては短いので、これを何とか3分程度(約6倍)に伸ばすことができないものかと分解して見た。初期のタイマーリレーはトランジスタやCR類のディスクリートでできており、非常に構造が簡単だったから基板を見れば何とか回路が読めて細工ができた。ところがこの製品(OMRON/H3Y-2)は一件簡単そうに見えたが、時間調整VRの背面にICやらチップ部品が所狭しと張り付いていた。実はリレーコイル駆動用のTr基板はディスクリートで別になっていて、最初はこれを見て「しめた!」と思いC値を増やしてみたが変化が無かった。そんなわけで本日は時間切れで作業を諦めた。どうやら専用ICを使用して精度を上げているようで、昔やっていたような原始的なことはやっていないことが判明した。
写真は分解した本体とカバーの様子。オンマウスカーソルするとICが張り付いた基板とリレーコイルのドライブ基板を見ることができる。
もしこのDC24Vタイマーリレーが使えるなら、ヒーター巻き線を両波整流してRegって24Vを作り電源として使用し、RFや制御関係のリレーもDC24Vに統一できる。当然だがこのリレーは5Aと接点容量が少ないので、AC回路の開閉には別途パワーリレーを制御する。

Sep 11. 2004 電源トランス仮搭載した重量

いきなり体重計が出てきた。電源トランスを組み込んだときの重さが気になり、今までの状態に高圧電源トランス・低圧電源トランス・高圧ケミコンを乗せ重量を測って見た。計ると写真が示す様に何と37.4Kgもあった。これは制御リレーやRFリレーボックス、AC-LPFボックス、出力タンク回路や高周波コネクタ、及びその他電子部品や線材類は含まれていないので、全てを搭載したら45Kg近くになりそうである。
確かにシャシを持ち上げて体重計に乗せる作業はかなりの力を要する。はっきり行って腰を悪くするかもしれない。それ以前に製作過程では高圧電源トランスの据付は一番最後にしないと、作業効率が上がらないのが目に見えている。それにしてもTAKACHIのケースは頑丈だし、組み込んだ3mm厚の仕切り板も十分威力を発揮している。
オンマウスカーソルするとシャシ内部の様子が伺える。今日はこの後高圧電源トランスの取り付け穴を開けた。シャシ側に5mm穴を4個と側面に4mm穴を皿で4個開けた。またトランス直下に位置するビス2本も皿処理しシャシと面を合わせた。
ここまで来ると気持ちがはやるが、名古屋地区では気に入った小物の入手に時間がかかるので進展が遅い。AC-LPFやRFリレーボックス、高圧整流平滑基板、低圧基板、制御基板・・・まだ細かい作業が残っている。

Sep 6. 2004 仕切り板にシロッコファン穴を開ける・・・更に組み込んでみた

中央の仕切り板にシロッコファンの吸入口を開ける。シロッコファンを取り付けたサブシャシを平らな台に置き(プラグ部分は凹みに収める)、定規を使って台からの高さ・サブシャシからの距離・穴の直径等を正確に採寸する。この際サブシャシの下に紙を敷き、位置関係をプロットすると作業がやり易く精度が上がる。これらの数字を基に仕切り板にシロッコファン吸入口のセンターを罫書く。
センターが決まったら3mm程度のドリルで穴を開ける。その後穴を拡大するがここではシポラツールと言う工具を使った。サイズを78mmΦに合わせて慎重に切削していく。オーナー自宅の工作環境は極めて乏しく、本来ならボール盤に部材をしっかりと固定し、低回転速度で切削するのであるが電気ドリルしか持ち合わせていない。それで、回転速度を最も落とし部材を探りながらシポラツールを入れていく。このときシポラツールの歯は、中心位置により長くすると中心が部材に接触する前に歯が先に部材に当たるため危険。切削時はCRC等のオイルを流すことを忘れないようにする。写真はこうして3mmのアルミ板を貫通した直後のスナップ。オンマウスカーソルすると採寸中のスナップも見ることができる。
金属加工、特に動力を使う場合は例え電気ドリルであっても回りだしたら凶器になるので、取り扱いの心得と環境(余計な物を周りに置かない・人を近づけさせない)に十分注意する
仕切り板に空けた丸穴のバリをヤスリで取り、サンドペーパーで仕上げてから再びシャシに組み込んだ。写真はその様子で、採寸した位置にピタリときている。オンマウスカーソルすると穴からファンを覗いた写真が見えるが、カメラ位置が正確に定まらなかったので穴とファンの軸がずれた様に写っているが、本当はドンピシャリ!。
ファンの吸入口は高さ10mm程度の円筒形になっているため、20mm幅程度のネオプレンゴムで作った筒を、仕切り板との間に挿入する予定。タンクボックス内のエアは基本的に遮断して吸い込まないように処置する。
今回の作業で大掛かりな板金はほぼ終えたと考えている。残るのは入出力リレーボックス、ACラインLPFボックス、電源関係のみとなった。

Sep 5. 2004 シロッコファンをサブシャシに取り付ける

シロッコファンをサブシャシに取り付けてみた。サブシャシ側の四角穴の両サイドに10mmx10mm(1mm厚)の硬質アルミアングルを3mmブラインドリベットで固定し、さらにアングルの間にファンを差し込み3mmビスで固定する。この際ファンには3mmタップを4個たて、アングル側は3.2mmバカ穴を開ける。四角穴の上下はサブシャシが折り曲がっている部分にかかるためRが付き若干の隙間ができるが、この部分は最後にアルミテープを張り気密性を保つ。
したがって当初予定していたようなゴムパッドを挟む手法は採用しない。写真はサブシャシに固定したシロッコファンの全景で、オンマウスカーソルすると結合部分のクローズアップを覗く事ができる。ファン吸入口周辺に付着しているのはスポンジを貼り付けてあったノリの痕だが、アルコールにより拭き取った。こうした作業は正確な寸法取りと罫書きによる穴空けが必要になる。またファン(鉄板)にも穴を開けタップを立てるので、工作と言うより金属細工的な雰囲気が強い。
問題は、強電界中にACモーターをさらすことになるので妙な動きをしないだろうか?・・・。余談だが、シロッコ(sirocco)とは辞書を引くと「サハラ砂漠から吹く熱風」とか「南からの熱風」とある。

Sep 4. 2004 シロッコファンのテストを行う

シロッコファンを取り付けたらどの程度のエアがGU-84Bのプレートフィンから噴出して来るのか興味があり、実際にエアを送りテストを行ってみた。サブシャシのプラグ群が畳の境に刺さるようにして伏せ周辺をガムテープで貼り付け、さらにシロッコファンをサブシャシにガムテープで固定した。
写真はその様子である。シロッコファンは日本サーボのMF-8S55-15LK(AC100V)で、やや小振りと思ったが意外としっかりとしたエアを噴出している。風量や風圧を測定する術がないため、写真のように梱包用のボリヒモ約25mcをプレートの噴出し口に貼り付け、その吹き流し状態を観察した。プレートの真上約50cmの高さに顔出すと、心地よいエアが頬にぶつかる。
この形を見ていると、ファンとサブシャシは一体の物として製作した方が作業がやり易い感じもする。シャシ上にサブシャシと一緒に固定し、吸入口は仕切り板に丸穴を開け、ネオプレンゴムなどでパイプを作りファンと結合させ、特にビス止め等しない方法も・・・。
またこの状態はオープンなので騒音もそれなりだが、シャシやケースに収めてしまえばかなり静かになるだろうと見込んでいる。ちょっとした隙間があると音色が変わるので、それなりの風圧にはなっているようだ。

Aug 29. 2004 サブシャシにシロッコファン穴を開ける

サブシャシにシロッコファン穴を開けた。使用予定のファンの出口は約51mmx51mmある。若干ののりしろを設け四角穴をサブシャシに開けた。本来ならこの作業は既に行われていなければいけないが、探りながらの製作を行っている関係上前後が随分と入れ替わってしまっている。写真は四角穴を開けた外側の様子であるが、オンマウスカーソルすると内側からの様子も見ることができる。ファンとサブシャシの固定方法が気になるところであるが、サブシャシはプラグイン方式で真上から挿入する。接合部にネオプレンゴムか合成ゴムのパッドを挟み込んで気密性を保つ予定。但し何らかのガイドがどちらかに必要と思われるので現在検討中。恐らくサブシャシ側から四角穴の左右にアルミアングルによる突起(ベロ)を出す見込み。
ソケットがサブシャシにかなり食い込んでいるため、ファンからのエアがソケットにぶつかり、エアの流れが悪くなる可能性がある。まぁ風量より風圧(プレッシャー)が問題となるのでこのまま様子を見ることにする。

Aug 28. 2004 BNCコネクタ(ジャック)の注意点

サブシャシに取り付けたBNCコネクタ(ジャック)の注意点について記す。BNCコネクタはVideoから高周波まで様々な周波数帯域を扱うため、色々な構造の製品が出回っている事を知っておきたい。写真はその代表的なもののサンプルである。
大きな違いは芯線のコンタクト部分にある。左はコンタクトが丸い円筒状のスリーブ型で、接触部は面接触となり、接触面積も広くプラグ側の芯との親和性が良い。
ところが最近右の様なタイプが出回っている。これは主にアナログVideo信号を対象としたローコスト版である。芯線のコンタクトはフォーク型と呼ばれ、フォーク状の接触部にプラグの芯が挿入される。ところがこのフォークは、接触部が平面のため線接触となり、前述のスリーブ型に比べ接触面積が極端に少ない。またプラグがケーブル重量で垂れ下がると更に接触面が減少する。オーナーはこのBNCコネクタを多用した某社の映像機器で不測の接触不良に遭遇し何度もエライ目に遭っている。
こうした理由で一定の電力授受を行う場所や高い周波数ではスリーブ型を使用したい。オンマウスカーソルするとドライブ入力用に実装したスリーブ型BNCコネクタが見える。

Aug 23. 2004 サブシャシ内の配線にトライ

サブシャシ内の配線にトライした。6Pプラグ周りのパスコン取り付け(オンマウスカーソルで見える)とGU-84Bソケット周りの配線、それに入力タンク回路周りの修正を行った。シャシに無造作に流して良いのは直流のみとし、低周波交流や高周波の流し込みには注意するようにする。(そんな事よりにブロア吸入口を空けたい・・・。)
写真はその様子。6Pプラグ位置が入力BNCに近くやや窮屈だが、深さがありクリアランスは取れている。Sgには50KΩのブリーダー抵抗を2個取り付けた。Sgバイパスはソケット内臓で十分と判断しピンには取り付けていないが、6Pプラグで1000PFでバイパスしFB801を挿入。Cg回路は終端抵抗(写真は仮物)経由でCgに接続され、終端抵抗のコールド側は1000PFでBNCコールド直近にバイパス、6Pプラグ側も1000PFでバイパスしFB801を挿入。H回路も6Pプラグ側は同様、ソケット側はヒーター間をバイパス。K回路は6Pプラグ側のみ同様の処理をしている。
6Pプラグの取り付けに合わせコイル位置を修正。さらにDCブロックコンを取り付けた。DCブロックコンのXc・Xl(容量・誘導性リアクタンス)影響があるので、直付けの場合と状況が変わってくる。可笑しなモノを使うと共振周波数を見失ったり、Xl(リードインダクタンス)が効いて周波数可変が妙になる場合がるので注意する。VCを抜いたら周波数が下がったり、可変幅が極端に狭く自然に上昇しない場合は、このXlが効いている可能性があるので要注意。写真の状態で50〜53MHz台(4MHz弱)までSWR=1で可変可能。オンマスクカーソルで6Pプラグの配線状況を見ることがでる。プラグイン方式にした事で製作作業が非常にやり易くなった。

Aug 22. 2004 サブシャシとシャシにプラグ&ジャックを取り付ける・・・フロントネットを固定する

昨日試作したサブシャシのプラグ(6P)をサブシャシ内に固定した。写真はその様子。シャシ側の罫書きが楽なように、サブシャシの固定ネジ間を結ぶ線上にプラグが並ぶように配置した。取り付けは10mm長(4mmネジ)の六角真ちゅうスペーサーをヤスリで8mm長まで削り込み位置合わせを行った。またジャックへの差込ストロークは結果的に9mmとなった。
シャシ側はこの位置関係に基き罫書きを行った。この時の精度は0.2mm程度を満足していないとプラグとの勘合が上手くいかないので注意する。また罫書きやポンチ打ちが良好でも、いきなり大きいサイズのドリルを入れると中心がずれ易いので必ず2mm程度の予備穴を開けてから拡大するジャックは完全に締め付けてしまうと差し込み時の誘導性が乏しくなるので、遊びを作りダブルナットで固定する。オンマウスカーソルするとジャック側の様子が分かる。写真では穴が余計に開いているが、これは暑さのせいか勘違いして左右を間違えた結果である。こういう時のために左右線対称に配置しておけばプラグの位置は修正しなくて済んだのだが、残念ながら2mmずれておりプラグ側も外側に2mm移動するハメになった。余計な穴は後でアルミ粘着シールを貼り、ジャックも気密性を保つためにゴム材を詰める予定。
試しにサブシャシを収納してみたが、グサリとプラグインする感覚が素晴らしくメンテナンス性も非常に良好な方式と言える。これでようやくサブシャシ内の電気配線が行えるようになった。
フロントパネルエア吸入口のダイアプレスネット(鉄・黒塗装)をビスとLアングルで固定した。今まではガムテープで仮固定してあった。ルックスは表面にビスを出さないで固定できるのがベストだが、機構的に複雑になるのでビス止めを選択した。ビスは当初3mmのトラスを使用し、アングルは10mmx10mmx1mm厚の硬質アルミにタップを立てて使用した。ところがフロントパネルを眺めていると何か落ち着かない。3mmのトラスがパネル上で賑やか過ぎ目立つのである。トラスを諦め代わりに2mmの皿で露出面積を減らす事にした(内側はナット締め)。ちょっとした事だが、印象と言うものは大切で後まで尾を引くことがあるので早々に対策した。写真はその様子であるがその違いが分かるだろうか?。オンマウスカーソルするとパネル裏の処理の様子を見る事ができる。
またこの際、仕切り板を固定していたビス(4mmx4本)をトラスに変更してみた。当初は皿ビスを考えていたが、試しに交換したらトラスでもそんなに悪くない印象。そんな事どうでも良いじゃない!と言われそうだが、物造りって言うのはあらゆる面で・・・そう思うか思わないか、気付くか気付かないか・・・非常に大切な事だと思っている。
後日再び気が変わりと試しにアーレンボルトに変えてみた・・・まずまずのルックスだがちょっと厳ついか・・・。

Aug 21. 2004 6mmΦシャフトと1/4inchシャフトの整合・・・サブシャシ取り付け穴開け・・・サブシャシプラグ&ジャック製作

海外から部品を調達するとVC等のシャフト径が国産の6mmΦより大きい事に気付きます。良心的なメーカーは6mmΦの製品も用意しており、例えばUKのJacksonBrothersは注文の際に6mmΦを指定する事ができます。しかし殆どの場合は1/4inchi=6.35mmΦで、そのままでは国産のノブや軸受けには入らず、逆に国産のシャフトでは隙間ができガタガタします。写真はそれを救済するための手法です。ここで使用しているボールドライブはJacksonBrothersですが、6mmΦ指定を失念してしまったため1/4inchが届いてしまいました。そこで薄手の金属を6mmΦシャフトに巻き付け目的を果たします。清涼飲料水やビールのアルミ缶を細く切り出しシャフトに巻きつけそれをボールドライブに差込ます。6mmよりは細目のシャフト、例えばドライバー等に巻きつけ、6mmΦシャフトを一回りする長さに切断する簡単な作業です。これでばっちりシャフトとボールドライブの軸合わせができます。アルミ缶は金切バサミで解体した後、カッターで切り込めば簡単に切断できます。
オンマウスカーソルで見える写真はボールドライブの6.35mmΦ穴にアルミを巻いたベークシャフト6mmΦを実装した様子。完璧イン軸が合っている。
なおSunhayatoが出している粘着アルミシートによる「磁気ガード」も、やや薄いが使えるかもしれない。但しこちらはアルミが比較的柔らかいのでイモネジを締めたときの変形が大きいと思われる。
さらにサブシャシを固定するための4mmビス穴を4個開ける。写真は穴あけ後実際にサブシャシを固定した様子で、四角に位置する4本のビスが固定ビス。穴サイズは若干遊びを入れ4.5mmΦとした。サブシャシ側は7月26日に紹介している様に真ちゅうの板ナットを組み込んであるので十分な締め付けが可能である。穴位置はサブシャシのネジ位置を正確に採寸後、シャシ上に罫書いて行う。
シャシ底は現在のところノッペラボウだが、この四角内の何処かに低圧電源供給用のプラグ&ジャックが取り付けられる予定。
オンマウスカーソルで見える写真は、実際に固定したサブシャシと出力タンク回路及び同調ノブやシャフトの様子。ロードVCはTDK製TC-15(70PF/1KV)を使用しているが、固定はVC背面のコールド端子ネジに10mm幅1mm厚の銅板を定し、GU-84Bのソケット固定ビスに共締めしている。なおシャフト類のパネル側は絶縁材であるベークライトを使用している。それはタイト製シャフトカップリングを使用して入るものの、更にループを断ち切りたいと言う願望からである。
絶縁シャフトの取り扱いは高電力高周波では要注意である。直流的耐圧は十分あっても静電誘導で部材が溶解したりする場合があるので、誘電率の高い素材を高周波にさらす場合は予め注意をしておく。
サブシャシ内に電源関係を供給するために方法を考えた。
@サブシャシ側面に貫通コンデンサを取り付ける・・・ファイナルボックス内に余計な配線、貫通コンデンサが更に必要
Aサブシャシ下のシャシ面に貫通コンデンサを取り付ける・・・脱着時の半田外し作業面倒、シャシ下側が10mm程度で機構的に難しい
Bサブシャシとシャシ間をプラグ&ジャック方式にする・・・パスコン・FB等によるデカップリング必須
以上3案を考えたが、ここではBのプラグ&ジャック方式を採用することにした。写真はそのために試作したバナナプラグによるプラグとジャック。オンマウスカーソルでトップビューとボトムビューが切り替わる。内訳はGND/H1/H2/-Ecg/Esg/Kの6ピンである。バナナプラグで6ピンをフルに差し込むとかなりの力になるのと、サブシャシ下に突起を余り出したくないので挿入ストロークは数mm程度に抑える。プラグ側の取り付けは、GND以外は筺体から絶縁する必要があるので、写真の如く3mm厚ベーク板で受けた反対側の硬質アルミLアングル(15mmx15mm)にはフランジ付絶縁カラーを挟み込んでいる。バイパスはプラグ側(サブシャシ)とジャック側(シャシ)両方で行う。前者にはFBを挿入し外部へのRF漏れや結合を可能な限り押さえる。構造は貫通端子形式なので貫通コンデンサに近い特性が得られるものと考えている。

Aug 20. 2004 プレートコイルを固定する

プレートコイルのコールドエンド側を固定した。コールドエンド側はπ回路の出力側になるのでロードVCに接続されるが、ロードVCに補助コンデンサとしてドアノブコン(100PF)使用することでプレートコイルのコールドエンドを固定する。写真はサブシャシ横にアルミLアングルを固定し、アングル上部にドアノブコンを取り付け、そこにコイルのコールドエンドをネジ留めした様子。手前は入力同調VCシャフトの軸受け。またこの、際バリLシャフトとボールドライブとの芯合わせを忘れないようにする。この段階では正確に目的周波数帯に持っていけるかどうかは不明で、コイル径や長さの調整作業が後に控えている
オンマウスカーソルで見える写真は、やや俯瞰気味に撮影したコイルと補助コンデンサの位置関係である。右手前の空いたスペースにロードVCが取り付けられ、補助コンデンサに接続される。出力は同軸ケーブルにラグ端子を取り付け補助コンデンサ両端にネジ留めして取り出される(π型の場合)。
現物を見ていると、信号源が何処にあるのか、また負荷で仕事をした信号がコールド側経由で信号現に戻るルートがどうなっているのかに興味がわいてくる。シャシ上の数cm間でも電位差が発生し、無造作に接地できないことが何となく分かってくる。したがって装置の信号源のグランドポイントを何処にするかも考えておく必要がある。

Aug 19. 2004 チューニング関係のレタリングを行う

出力同調(PLATE TUNE/LOAD TUNE)と入力同調ノブ周りのレタリングを行う。レタリングはすフロントパネル左側のスイッチ周りと同様に、乳白色の粘着シートに熱転写でプリントアウトしたものをパネルに貼り付ける。事前に紙にプリントアウトしてサイズの微調整を行った後に粘着シートへプリントアウトする。貼り付けるときは空気やゴミが混入しないように細心の注意を払う。シートの位置は垂直・平行とセンターを確認しながら目分量で行う
写真は基本的なレタリングが終了した記念に撮影したスナップ。概ねイメージ通りに仕上がっている・・・これは自己満足だが。同時にプリントアウトした"GU-74B INSIDE"と記した名盤シールも貼り付けてみたが、何と日付は"Aug 2004"となっていて自らプレッシャーを掛けている。
オンマウスカーソルすると粘着シートをパネルに貼り付けた状態を見ることができる。穴部分はカッターの先端を使い丁寧に切り落とす。大雑把に作業するとシートに傷を付けるのでここも慎重に作業する。
アンプ作りをしていると電気的・高周波的な部分にのみ興味が行き勝ちであるが、こうした部分に時間をかけるのもハンドメイドを楽しむ一つの方法である。そのためには電気的な予備実験を済ませ、最低限タンク回路の共振点や整合点の把握ができている事が必要であるが・・・。

Aug 18. 2004 フロントパネル入力同調シャフトの位置決め(芯出し)

フロントパネルに入力同調シャフト用軸受けを取り付ける。サブシャシ側から決めてきた軸位置(芯)を、フロントパネルまで正確に延長しなければいけない。シャシがフロントパネルとつながっていないので採寸して罫書きから始めるとやや作業が面倒になる。このため、写真に示すようにサブシャシの軸受けに罫書き針代わりに皿モミ歯(カッター/シャフト6mmΦ)を差込み、シャシ上をサブシャシごと前方に軽く押し付けフロントパネル裏面にマーキングする方法を採用した。位置が決まればポンチを打ち細めのドリルで内側から穴を開ける。このとき場所が狭いためハンドドリルで行うと精度を落とさないで作業ができる。
この妙な格好は、知らない人には「一体何が始まるのだろうか?」と疑問に思えるに違いない。しかしオーナーはVC類の芯出しにはこうした方法を好んで使っている。特に現物合わせで物を作ら無ければいけないアマチュアの場合は、開発的要素と製作的要素が同居するため有効な手段と言えよう。
最終的にパネル前面からリーマで穴を拡大し軸受けサイズにする。軸受けの締め付けナットは内側で締める事でパネルに傷を付けない様に配慮した。こうした作業により精度の高い位置決めが可能となる。
オンマウスカーソルで見えるのは、フロントパネルに取り付けた軸受けのクローズアップと、軸受け越しに見るJacksonBrothersのボールドライブダイアル。

Aug 9. 2004 入力同調ノブとサブシャシの固定

サブシャシ内の入力同調VCの取り付けが完了したため、シャフトをタイトカップリングで延長しさらに6mm真ちゅう棒で軸受け経由で外に引き出した。この軸受けは、位置を正確に採寸した後フロントパネルに取り付ける。これによりVCのシャフトはタイトカップリングと真ちゅう棒で延長されパネル面の同調ノブまで伸びるが、軸受けを出たところでもう一度カップリングを取り付け軸ズレを吸収する予定。またサブシャシは程よき位置に固定するための4mm穴を4個開ける。サブシャシにはシロッコファンの吸入口をこの後開ける事になる。フロントパネルの軸受けもシャフト位置を正確に採寸して行う。ノブの大きさはメーターセレクトのノブと同じにするか、或いは軸受け内でシャフト止めとしシャフト先端にスリットを入れてマイナスドライバーで回すか・・・ドライバーは面倒なのでやっぱり小型のノブになりそうだ。
入力同調は既に確認しているが、実はCg回路にDCブロッキングコンの取り付けが済んでいない。この後のサブシャシ内部配線は直流関係とそのバイパスが中心となる。実に簡単な作業だが筺体の高周波ドライブと、筺体上での入出力の結合を意識した配線を心がける。直流の供給はバナナプラグとジャックを使ったプラグイン方式を採用する予定。プラグ部分は十分なデカップリングとバイパスを施す必要がある。さていよいよ形になり、やる気が倍化してきた。

Aug 8. 2004 入力タンク回路を実装する

入力同調VCの位置が決まらないとフロントパネルのノブ位置も決まらないので、急遽入力タンク回路を組み込んでみた。以前のテストではワンターンLに入力タップを出したが、今回は複数巻き(16mmΦ2T/2mmスズメッキ線)して小型化を図った。それから当初Lに直列にVCを入れてインダクタンスを微調する手法を考えていたが、テストすると70MHz付近でLの巻き数が4T(16mmΦ)以上になり、50MHzまで落とそうとすると大きくなるため断念し、単純なVC(+StrayC+Cgk)とLの並列共振回路とした。VCは30PFの超小型を使用し、エアの通路を妨げないよう考慮した。写真はその実装状況である。この状態で49.6MHz付近から54MHz付近まで同調が可能で、帯域内でSWR=1(Cgで200Ω終端)を示した。オンマウスカーソルでVCシャフトに万力で絶縁カラーを押し込み、シャフトの6mm変換とローターの絶縁を図る様子が見える。
この作業に合わせて入力BNCコネクタを取り付けた。入力回路の全てのリターンはこのBNCのアースラグ(又は近傍)に戻す事にして他には不用意に接地しないようにする。特に終端抵抗のリーターンや入力コイルとVCのリターンは慎重に取り扱い、一番電位の低いところに最短で返す。KW出力がサブシャシ筺体を介し、多かれ少なかれ入力側とコモンになり結合するからである。銅版を敷き詰めたとしてもこうした配慮が無いと入出力結合を招き易い。エンドフィードアンテナをイメージすればその理由が直ぐ理解できる。筐体に電流を流す事はアンテナ給電と同じ事だから・・・。

Aug 7. 2004 フロントパネル左側のレタリングを開始

フロントパネル左側(メーター・スイッチ周り)のレタリングを行う。事前にPCで作画をし、それを紙にプリントアウトした物をパネルに合わせてみて寸法を確認する。この作業を幾度か繰り返し寸法を最適値に調整する。寸法やイメージに間違いがなければ乳白色の粘着シートにプリントアウトしカッターで切り出す。粘着シートはホコリや塵がつき易いので、手やパネル面は綺麗に洗浄しておく。粘着シートを慎重にパネルに張り合わせる。位置決めは大変にクリチカルで完全に手作業になるので、丁寧かつ慎重に行う必要がある。このとき空気がたまり気泡となるので、なるべく空気を均等に逃がしながら作業する。どうしても抜けないときは針の先で突付いて空気を抜く。粘着シートは事務機メーカー各社で販売しているが、ここではPLUS社の「ワープロ粘着フィルム・メンディング(ツヤ消し透明)を使った。これに合わせマルチメーター切り替えSWとLEDブラケットの取り付けも行った。
写真は確認のため部品を取り付けた様子だが、大分雰囲気が出てきた。実はLEDブラケットをもう少し増やし、−EgやEsg等の状態を表示しようと考えたがパネル面がゴチャゴチャするので諦めた。ただしHV投入のタイミングは知りたいので表示を残している。オンマウスカーソルでは事前に紙にプリントアウトして寸法を確認している様子が見える。寸法がアジャストするまで何回もプリントアウトして確認する。

Aug 1. 2004 日本開閉器SWをパネルに合わせてみた

日本開閉器のパワースイッチをパネルの各穴に合わせてみた。正確に採寸して各穴を開けたつもりだったが手作業なのでどうしてもサイズがぴったり来ない。削りすぎに注意するためか合わせてみるとやや小さい。それは殆ど0.1〜0.2mm程度の話なので、ヤスリを入れなおしてサイズを合わせた。このスイッチの周辺は独自のレタリングをするので、未だスイッチは奥まではめ込んではいない。
レタリングは、乳白色の片面粘着シートにPCやワープロで作成した画像をプリントアウトしたものを貼り付ける、毎度おなじみの手法で実施する。
このスイッチは1回路で16Aの能力があるのでパラってAC200Vを直接開閉しまず低圧電源を起動するが、高圧電源の投入はリレーでオンディレイを設け、更に突入電流を和らげるためのディレイ回路も設ける。

Jul 27. 2004 出張帰りに部品調達

東京出張の帰路、秋葉原に立ち寄り若干の部品を購入する。写真左上は日本開閉器の16Aスイッチ(2回路)で白は電源、赤はスタンバイ、グレイは高圧切り替えに使う。右の小型VC(30PF)は入力同調用に考えている。シャフトは細いのでプラスチックカラーを差し込んで6mmに変換して使う。サブシャシ内のスペースを少しでも稼ぎたいからこの選択になった。過去にも記述しているが、単純にこの容量とCgkを足すとかなりHi-Cになってしまうので、同調Lのインダクティブを微徴するように直列に入れる・・・但しこれは直列共振ではない!。
金属スペーサーとベークスペーサー各種は6mmシャフトの延長用でプレートとロードチューンに使う。太目の金属スペーサーはネジサイズ6mmの物で、コイルの高さ調整(シャフト位置合わせ)に使う。バナナプラグとジャックが見えるがこれはサブシャシとメインシャシ間をプラグインにするための物である。内訳はヒーター(2)、Cg(1)、Sg(1)、K(1)、GND(1)の計6本になるが、まとめて6本はちと力が必要かもしれない。通常の貫通コンデンサは使わず、フェライトビーズとパスコンによるデカップルを予定している。メンテナンス性を上げるための選択だが、サブシャシに四角穴を開け金属の蓋を取り付ける方法もある・・・。中央の黒いネジは4mmのアーレンビスで、フロントパネルで使おうかと考えたが果たしてどうなるか?。以上はラジオセンターの東邦無線とネジの西川電子で購入した。

Jul 26. 2004 サブシャシ固定用「板ナット」の製作と取り付け

GU-84Bサブシャシをシャシに取り付けるために前者に板ナットを取り付けた。板ナットは1.5mm厚x9mm幅x20mm長の真ちゅう板で、4mmのタップを立て更に取り付け用に2mmの穴を開ける。4個製作しサブシャシ底の4隅に取り付ける。サブシャシのアルミに直接タップを切ることはできるが、強度が取れないのでこうした細工が必要となる。真ちゅうで製作した板ナットをサブシャシ底ののりしろ内側に2mmの皿ビスで取り付け、シャシ底から4mmの貫通ビスで締め付ける。こうした作業が煩わしいと思っているうちは、機構的に完成度の高い物は作れないと自分に言い聞かせ、なるべく手を抜かないように努力している。
写真は板ナット部のクローズアップ。背景にはソケット取り付け用のビス・ナットが3組アウトフォーカスで見える。皿ビスは2mmであるが、板ナットを支えるだけなのでこれで十分である。そのまま伏せても突起で底が持ち上がらないように皿は十分掘り込んでおく。3mm皿ビスだと掘り込み量が増えるので板ナット側に食い込む可能性があるから、2mmはベターな選択だったと言えよう。こうした細工のために1.5〜2mm程度で幅9〜10mm程度の真ちゅう板を所持しておくと良い。オンマウスカーソルで4墨に取り付けた板ナットの状況を見ることができる。

Jul 25. 2004 サブシャシにソケットを乗せてみた

ソケット用大丸穴を開けたサブシャシにソケット取り付け用ネジ穴を開けた。GU-84Bのソケットの固定はやや複雑である。4本の4mmビスでシャシに貫通すれば良いのだが、それ以前にソケットの上側と下側を締め付けている8本の3mmビスとナットが邪魔をしている。サブシャシの上から沈める場合はそのナットサイズの穴を8個開ける必要がある。また内側から入れる場合も同様でビスの頭の部分が邪魔にならないように8個の穴が必要になる。これも精度を上げて開けないと綺麗に仕上がらない。今回はシャシの上から沈めるために3mmビスのナットが通る6mm穴を8個開けることになった。
写真は4mm穴4個と3mm穴8個を開けたサブシャシ。オンマウスカーソルではソケットを乗せたサブシャシを見ることが出来る。このあたりの細工は制度0.2mm程度の精度が無いとヤスリお世話になるので、正確な罫書きとポンチ打ちとドリル操作が必要になる。
この後サブシャシにはエア吸入口やドライブ入力、それに電源・制御関係等が出入りする。

Jul 24. 2004 GU-84Bの「サブシャシ」を作る

今日も35℃を越える酷暑であったが、貴重な時間を無駄に出来ないので大汗を書きながら板金作業に励んだ。
秋葉原ラジオデパートB1の奥澤電気から購入したアルミシャシを切断し、ファイナルボックスに収まるように細工した。元サイズ160mmx250mmx55mmであったものを、160mmx156mmx55mmに切断し作り変えた。写真は金ノコでシャシを切断している様子。切断が終わったら切り取った側の側板を綺麗に取り外し、残った側の側板として使用する。オリジナルは側板の固定にスポット溶接を使っているので、その中心を4mm程度のドリルで削り取り側板を外す。固定はオンマウスカーソルで見えるように、ブラインドリベットを使用する。また本体側のオリジナルのスポット溶接はそのままとしたが、前後に1ヶ所づつブラインドリベットを追加している。素材は1.5mm厚ありそれなりの強度があるが、通常アルミなのでタップは立てにくい。そのためケースへの固定は真鍮板等で作った板ナットをシャシ底の四隅に取り付ける予定。背景に1968年の6月に親父に買ってもらったハンドドリルと、1981年頃静岡のJumboEnchoで買った木槌が写っている。電動工具は殆ど使わない家内工業である。
続いてシャシにソケット用の丸穴を開ける。直系は130mmと大きいためやや工夫が必要である。写真はシポラツール(商品名?)を広げ130mmサイズにしたが、これを固定してボール盤に載せるような設備は無いので手でツールを回転させて切り落とすことにした。CRCなどを流し作業をするが厚さが1.5mmあるためそれなりの力と根気が必要である。円周上に子穴を開けて打ち抜く場合に比べたら、やはりこのやり方の方が綺麗だし早い。
気分転換にシャシ裏側からも削ってみる。作業を始めて凡そ30分部分的に貫通しだすと一気に力が入る。反対側が見える箇所が円周上に程よく散らばったところで指を押し付けるとパキンといってアルミ円盤が落ちる。実に気持ちがいい瞬間である。
オンマウスで見えるのは、シポラツールとソケット用の丸穴が開いたシャシと打ち抜かれた円盤。

Jul 20. 2004 ダイアプレスネットを当ててみた

フロントパネルの吸入口に裏側からダイアプレスネットを当ててみた。暫定なのでガムテープで貼り付けてある。中々雰囲気がある・・・自己満足かもしれないが。保護用のビニールシートがベロベロと邪魔して縁が直線に見えなくなっている。最終的な取り付けは背面からLアングルで押さえる。Lアングルを押さえるのは3mm程度の皿ビスで貫通する方法をとる。パネルが化粧版と2枚構成なら、ビスの頭を隠す事が出来て綺麗に仕上がるのだが・・・このケースでは、むしろビスを演出する位でレイアウトした方がベターと考えた方が良さそうである。
ところで、今まで見えなかったメーター穴やボールドライブ穴がここで初めてお目見えした。皿ビスの皿は最後に彫ることにしている。
オンマウスカーソルで見える写真はメーター用丸穴を開けたホールソー。元々金属用ではないようだが、アルミ板ならCRC等で注油を施せば、加工硬化を起こさずに問題なく切削できる。不注意で1サイズ大きいホールソーを使ってしまったが、メーターの四角サイズ内にきっちりと納まった。なお取り付けビス穴の位置は、罫書きの段階で正確に決めておかないと後が大変なので注意したい。また世の中には正方形と長方形のメーターがあるが、いずれでも取り付け穴位置は正方形の場合が殆どなので勘違いしないようにする。

Jul 19. 2004 フロントパネルに穴を開ける

罫書きが終わったら早速に穴を開けたいが、書き込みに誤りが無いか慎重に確認する。せっかく開けた穴が部品とサイズが違ったら大事になるからである。
電源SW類ははめ込み式の四角で28mmx20mmである。四角パンチなんて便利な道具は無いので写真の様に2mmの小穴を四角周辺内側に開け、ニッパーで切り落とした後ヤスリで仕上げる。スイッチはフランジ部分(つば)があるので雑に仕上げても隠れて見えない、などと言って手を抜かず丁寧に仕上げる。吸入口の四角穴は小穴をまともに開けると大変な作業になるので、オンマウスカーソルで見える様に金ノコが通る程度に3mmの小穴を開け、後は金ノコで切り出しヤスリで仕上げる。この四角穴はフロントパネルのほぼ中心にあり本機のシンボルポイントでもあるので丁寧に縁を整える。裏面から黒塗装のダイアプレスネットを取り付ける予定。メーターの丸穴はホールソーを電気ドリルに取り付けて行った。CRCを流し込みながら、ものの2〜3分で貫通である。取り付けネジ穴は4mmとした。ボールドライブは30mmΦの丸穴をシャシパンチで開け、更に取り付けビス用に3mm穴を上下45mm間隔で開ける。その他は基本的に単純な丸穴なので、部品が揃ったら位置調整しながら開ける事になる。

プレート同調とローディング用のボールドライブ位置は、GU-84BとバリLシャフトの高さを正確に測り決定する。GU-84Bのソケットの高さ(フランジの下で)がシロッコファンの噴出し口52mmX52mmより低くなると機構的に収まらないので全体の状況を把握しながらサイズを決めて行く。ソケット自身はGU-84Bをかなり沈み込ませた形であるから、本来ならエアの通りを考慮してもう少しソケット位置を高くしたい。ところが、そうすると今度はプレートトップと天板とのクリアランスが狭くなりボックスとの結合が始まるので注意が必要である。ボックス自身は、50MHzより遥かに高いV/UHF帯で非常に高いQを持つ共振器と考えられるので、結合度によっては自己発振や寄生発振等の異常発振を誘発するからである。50MHzアンプを作りながら、回路や配線には問題が無いのに異常発振で悩まされるケースの殆どがこれである。ボックスにはパラ止め等を入れてQを落とすなんて芸当は出来ないから(入力側で対策)、高い周波数まで使える球は特に注意が必要だと経験的に感じている。
写真は早る気持ちを抑えきれず手持ち部品を置いてみた様子。クリックすると雰囲気を確認するために差し込んだメーター周辺のアップが伺える。段々と雰囲気が出てきた。こうして焦らないでコツコツやるのが楽しい。しかし写真の様に外は晴天で気温は35℃超、扇風機を回しても汗だくであった。

Jul 18. 2004 フロントパネルのレイアウトを決める

フロントパネルとレイアウトを決める。部品が未だ手元に無いか、立体的過ぎてパネルに上手く乗らない場合は写真の様にボール紙を同じ平面サイズに切り出してパネル上に置いて見る。特にタンク回路のチューニングノブは高周波回路を優先させなければいけない場合があるので、パネルデザインとはトレードオフの関係になることも考慮に入れる。パネルデザインを重視する場合は機構的な工夫を施す(オルダムカップリングやギア・ベルト駆動など)が、総合的に見たら、タンク回路をフロントパネルを意識して作るのがベターだと思う。
吸気口はシロッコファンの吸入口より面積を広く取る。ドライブチューンはこの場合はノブではなくマイナスドライバーでVCを回す仕掛けとしているが、しまりが悪ければノブにして中心を左か右にずらし開いた部分に名盤を貼る。メーターはNishizawaのU-60で、右がIpで左がマルチメーターになりその下に切り替えSWとノブが取り付く。左下のSWは左から電源、Ep切り替え、オンエア/スタンバイである。
こうしてパネルデザイン上のバランスと機能バランスを考慮しながらレイアウトを決める・・・実に楽しい時間である。レイアウトが決まったら各部の間隔を採寸して図面に書取り、いよいよ罫書き作業が始まる。フロントパネルは表面がヘアライン加工されているが、更に薄いビニールシートが貼られているので、写真の様にボールペン等で罫書くと良い。

Jul 11. 2004 ファイナルボックス右側板の下方締め付け

この締め付けのために写真のように1.5mm厚・9mm幅の真ちゅう板でスペーサーを製作した。スペーサーには縁ぎりぎりに4mmの穴を開ける。シャシ板を支えている鉄Lアングルも1.5mmあるため、4mmのトラスビスが真ちゅう部を締めながら鉄アングルも締める仕掛けである。この位置で側板の折り曲げ部の中央に貫通する。真ちゅう板にタップを立てて側板側からビスを通すやり方もあるが、この場合は鉄アングルを挟まないので全体の強度が落ちる。
写真は製作した4個のスペーサーとオンマウスで見えるのはシャシ底で実装してトラスビスで締め付けたスペーサー周辺の様子。鉄の部分がシャシ板を両サイドから支える鉄アングルである。中々決まっていると思う・・・自己満足か!。こうした細工を、ボール盤や万力など本格的な板金設備を持たないウィークエンドハンドメーカーが、畳の部屋でハンドドリルと簡単なバイスでやっている事を信じてもらえるだろうか?。

Jul 10. 2004 仕切り板とシャシをビスで貫通

中央の仕切り板とシャシ貫通穴を開け4mmビスとナットで仮固定した。これに合わせてシャシを両サイドで支える鉄製Lアングル(写真では見えない)を、4mm鉄ビス2箇所で固定している数を3箇所(中央に1箇所追加)に増やした。この状態で高圧の電源トランスを載せてシャシのたるみ具合を確認したが全く問題ない状態になった。トランスはシャシに4本、それにケース側板に4本(皿・ステンレス鋼)で5mmのビスとナットで行う。写真の重量だけで既に30Kgを超えており、全ての部品を実装すると恐らく40Kg程度の重量になりそうである。
なおファイナルボックス右側板の底には、シャシとそれを支えるLアングルがシャシの裏にある。それらを貫通ビスで共締めしたいが位置が微妙なため若干の工夫が必要となる。側板の折り曲げ部のセンターがLアングルの縁に来てしまうのである。何らかの形でLアングルを延長して対策するか、Lアングルと折り曲げ部が重なる位置に穴を開け、折り曲げ部にタップを立ててLアングル側からビス締めするかである。いずれにしても強度には影響しない部分なので作業がやり易い方法を選択する。
ビス1本にしても、その目的や加重に応じた材質を選択したりする過程があってまた楽しい。

Jul 9. 2004 仕切り板を取り付ける

仕切り板2枚をケースに組み込んでみた。取り付けは前後パネルでそれぞれ2組ずつ4mmのビス&ナットで行った。最終的には皿を彫って表面は平らにする予定。写真は前面側から見ているが、パネルに4本のビスが見える。シャシが微妙に反っているので、高さ合わせには細心の注意が必要である。仕切り板はシャシ・ケースの強化とファイナルボックスを構成する側版になる。今日は前後の取り付けしか行っていないが、後日下側(シャシ側)にも4mmの穴を開けビスで貫通する。また上側はシールド蓋を締め付けるためのタップを立てるがこちらは3mmで行う。また中央の仕切り板には吸入口を開けシロッコファンを取り付ける予定。シャシやパネルに直出しのビスは基本的に皿ビスを、取り外しや分解が不要な部分はブラインドリベットを使うことにする。また加重のあるビスはステンレス鋼又は鉄、そのほかは真ちゅう製を使う予定。
スケールを置いてあるが、ファイナルボックスの幅は外寸で約180mmである。希望的にはこの幅にGU-84Bを左右均等に収めたい。そうするとプレートチューンとロードチューンのノブ位置がやや外側に寄るので、タンクコイルを左側にシフトする金具が必要になりそうである。電気的な部分と機械的な部分が段々とぶつかり出して来るので、両者の協調点を模索するのも楽しい時間である。

Jul 8. 2004 再びソケットを分解清浄

GU-84BのソケットのSgリード方向を変えようと固定ビスを緩めていたら中からカソード抵抗がボロボロ落ちてきた。この部分は以前の洗浄では手を入れなかった部分で、結局完全に分解することになった。カソードリング、Sgリング、カソード抵抗などが組み込まれ間にフィンガーストックが挿入されている。この部分もホコリが侵入し汚れていたためシンナー等の薬品を使って洗浄した。写真は洗浄後の部品を並べた様子。右下が一番底で左に行くにしたがって積み重ねられ、引き続き2段目の右から左、3段目の右から左と積み重ねられる。右下に見える小さなスペーサーのような部品がカソード抵抗10個で、合成抵抗をミニブリッジで計ると0.542Ωを示した。汚れは分解してみないと分からないので、中古で入手した場合は一度分解することをお勧めする。それにしても多くの部品で構成されており驚きに耐えない。

Jul 6. 2004 仕切り板にLアングルをリベット留め

切り出したLアングルと仕切り板に3.5mmの穴を開けブラインドリベットで固定してみた。手持ちのリベットが6mm長の物しかなく3mm+2mm=5mmを貫通するにはちと辛いため、後日長めの物で打ち直す予定。仕上がりはまぁまぁの出来だろう。しかし総重量が30Kg近いトランス群を支えるにはちょっと心持たないので、4mm径のリベットにするか、ステンレス製にするか、或いは鉄又はステンレスの貫通ビス・ナットにするか・・・色々と選択の道がある。
それにしても3mmのアルミ板はハンドドリルで挑むと壮観である。それとこのアルミの素材は意外と硬めで、ひょっとしたらタップが立てられるかもしれない。そうしたらファイナルボックスの上蓋のビス締めが容易になる。仕切り板にはシロッコファンの吸入口を丸穴で開ける予定・・・これは自前のシポラツールでやるか、友人に頼むか、色々とイメージが広がって来て楽しい。
この日の昼休み名古屋の東急ハンズに行き、ブラインドリベットの9mm長の物を100本購入した。LOBSTER社のNSA4-3Pであるが、実はこのリベットの適正かしめ板厚は4.8mmとなっている。まぁ0.2mm程度は使い方次第と勝手に理解して持ち帰り打ち直した。

Jul 5. 2004 仕切り板固定用Lアングルの切り出し

出勤前に仕切り板を固定するためのLアングルを切り出した。Lアングルは硬質の2mm厚で10mmX10mmX143mmに4本、コの字に折り曲げた仕切り板の内側に合うように金ノコで切断した。10mm幅なので、3mm厚の仕切り板に取り付けると幅13mmとなり、コの字に折り曲げた部分の先端と長さが合い気持ちが良い。恵まれた工具など無いウェークエンドハンドメーカーだが、写真にあるような木の固定台にアングルを沿わせると切断作業が格段にやり易く直角精度も上がる。この台は、その昔子供のゲルマニュームラジオを入れてあった箱のひとつであるが、とんだ所で役立っている。コの字は90℃に折り曲げられているが、内側には小さなRがあるのでアングルの角をヤスリで削る必要がある。こうした金属加工も実に楽しい。

Jun 30. 2004 フロントパネルレイアウトをデザインする

フロントパネルのレイアウトを描いてみた。これ以外に各状態表示用のLEDランプが数個取り付く予定。余り変わり映えのしないデザインの中で、冷却用エアの取り込みを大胆にフロントパネル中央に置いてみた。ネットはダイアプレスの黒塗装の鉄製か、シルバーのステンレス製を考えている。吸入口は上下左右のカバーに設置すると、物を置いたりした場合風通しが悪くなるのでこのやりの方がベターと考えている・・・但し音がやや心配ではあるが。十字ネジは本当は出したくなかったが、ケース自身が化粧パネルが無い1枚構成なので、止む無く皿ビスで仕切り板との固定を行い、全体に圧迫感を残さないようにする。PLATEとLOADノブはJacksonBrothersのボールドライブダイアルだが、バリLの位置に合わせる必要があるので、最終的にはこの位置より若干下がる可能性がある。DRIVEはノブで出しているが、マイナスドライバーで回す半固定方式も考えている。各部のサイズは実寸の約50%で書いているが、こうした作業は作業の先々のシーンが脳裏に浮かび実に楽しいものである。また作業を行き当たりばったりにしないためにも、しっかりとしたイメージを(背面パネルやシャシも含め)作っておくと良い。

Jun 27. 2004 ケースに部品を置いてみた

昨日届いた仕切り板をケースのシャシ上に並べてみた。あわせてGU-84Bと出力タンク回路、それにシロッコファンも並べてみた。この目的は全体のクリアランスの確認とフロントパネルデザインとの関係を掴むためである。GU-84Bは45mmのスペーサーでソケットを持ち上げているが、実際にはシロッコファンの噴出し口サイズである55mm程度の高さをもっつサブシャシに組み込む。またファンにはRFを浴びせたくないのでGU-84B及びタンク回路とは金属板で分離する。またシャシ下は約10mmのクリアランスがあるので低圧用の配線は可能である。ケースの左側は電源・制御関係になるが、RF部の大きさとバランスよく振り分けるために、電源・制御著各部の大きさが決まるまでは罫書きは控える。バリLとロードVCの間隔が比較的狭いのと高さがやや低めであるため、パネル上の配置をどうしようか考えている。ノブはJacsonBrothersのボールドライブ・バーニアダイアルを使う予定である。入力同調はVCとしバーニアは使わずパネルデザインに圧迫感を与えない小サイズのノブにするか、マイナスドライバーで回す半固定方式にする。シロッコファンはやや小振りで心配の向きもあるが、ファンの能力ベースを基準にRF系を動作させる事にする。念のため通電し回転させると32℃の室温で1.5m離れた足元に勢い良く冷気を当ててくれた。それにしても3mm厚の仕切り板は頑丈である。

Jun 26. 2004 ケース仕切板届く

友人のF氏にお願いしていたアルミの仕切り板が本日届いた。幾度かメールのやり取りをしたが、最終的にはコの字型にして、前後はLアングルを取り付けることにした。また素材の厚さは当初2mm希望であったが、在庫の関係で3mmとした。おかげで非常に丈夫な仕切り板となった。しかし厚さが3mmもあると内側は完璧に直角であるが、さすがに外側はR状になっている。これを見ていると2mm厚のシャシも3mmに交換したくなるが、余りやると後の加工が大変なのでこのまま行くことにする。見取り図は修正を加えた物でクリックすると原画を見ることが出来る。また写真は送られてきた仕切り板であるが、、短い方は先に予定していた小振りのケース用。2枚の内の1枚は中央に取り付け仕切りとファイナルボックスの左側面とし、もう1枚はファイナルボックスの右側面とする。

Jun 19. 2004 ケース仕切板を検討

静岡市清水に済む友人のF氏とメールのやり取りをしているうちに、金属加工が容易に出来る旨の連絡をもらった。先日購入したケース中央にシャシ補強用で件低高周波分離用の仕切り板を製作してもらう事にした。図はそのために書き出した図面(見取り図)である。高さ150mm、奥行き424mmが最大寸法で、これを超えるとケースに収まらなくなる。材料は2mmのアルミとし、4辺を取り付け用のシロにするために幅12mmで折り曲げる。これによりシャシが補強されるので、トランスの重量による垂れ下がりが大幅に軽減されると考えている。同じ物を2枚用意し高周波部のシールドボックスとして使用する。

Jun 15. 2004 一回り大きいケース「TAKACH MSC-43-45」が届く

6月11日に所用で上京した折、秋葉原ラジオデパートのSS無線にお願いしておいたケースが届いた。既に購入していあるTAKACHのケースの一回り大きいMS-177-43-45BSである。大きさは数字が示す通り、外形が高さ177mm、幅430mm、奥行き450mmである。前回のケースと違うところは寸法以外に、上下カバーが1mm厚の鉄製と言う事と、塗装が黒と言う事である。また上カバーにはエア抜き用スリットがパンチされている。注文の際末尾に付くアルファベットをしっかり把握しないと異なったモノが来るので注意。BSは塗装は黒でパネルは前後シルバー、Bは全て黒、Gは塗装はグレイでパネルはシルバーとなっている。ケースは材料の形で送られて来るので組立作業が必要になる。写真はその2台のケースを並べたものだが、随分と大きさが違う。これなら電源を含めて比較的ゆったりと収めることが出来るだろう。フロント・リアパネル、シャシはアルミで厚さは2mmである。電源トランスの重量が25Kg以上あり、アルミシャシそのままでは支えきれないので、中央に厚手の仕切り板を渡すのと、トランスの固定を丈夫な側版で行うなどして、重量を分散する工夫を行う。塗装を黒にしたのは、手持ちのJacksonBrothersのボールダイアルとNishizawaのメーターも黒であるからで、デザイン上のバランスから決定した。

Jun 7. 2004 入力タンク回路の終端抵抗とタップ位置の関係

入力タンク回路(並列共振タップダウン・抵抗終端)のタップ位置を探った。200Ω終端と1KΩ終端時の完全整合時(SWR=1)のタップ位置を写真に示す。ノーマル時が200Ωで、オンマウスカーソルで表示される方が1KΩである。また整合しても負荷Qが変わるのでSWR=1.5以下のバンド幅は200Ω時は1.6MHz程度であるが、1KΩ時は半分以下の0.69MHzに狭まる。その代わり電圧は5倍違う。ただしドライブ側のインピーダンスが5倍になった事になるのでIcgが流れ出すと信号レベルがあおられる可能性がある。またCpgによる帰還の終端状態も変わるので、1KΩの場合は中和ズレの影響を拡大するものと思われ中和を施したくなる。Cgに負極性で返す中和はNFB回路そのものなのでIMDの改善が期待できる。それぞれに一長一短があるため、どれをとるかは製作者の考え方そのものと言えよう。
さて写真のタップ位置だが、200Ω又は1KΩまでの任意の終端抵抗に対する整合点(50Ω点)がコイル上にあるので、利得やエキサイター電力と相談しながら設定すれば良い。こうした作業は実に楽しいし、共振と言う自然現象の不思議さを体験できる時間である。
これで随分と方針が固まってきた。チューニングはLにVCを直列に入れ「Xl±ΔXc」の如くVC操作でXlを可変する方法がシンプルで良いだろう。ここもバリLショートリングでやっても良いけど・・・。ここまでやると実装が待ち遠しくなる。

Jun 6. 2004 1:4ステップアップトランスの実験

入力のステップアップトランスの実験を行った。#61材のフェライトコアにバイファイラで3T巻き、巻数比1:2(Z変換比1:4)の伝送線路トランスを製作した。当然2次側は50x4=200Ωになるので、1KΩのP型抵抗を5個並列にした。この状態のSWRは約1.1で良好である。ちなみに周波数をスイープするとHFでは巻数不足になりSWRが悪化するが、上は150MHz帯まで1.2程度である。必要最小限の巻数ならこれが限界と思われるが、低域の伸びが気になる場合は巻数を4T程度にすれば良い。
オンマウスカーソルでMFJ-259で見たSWR特性を見る事が出来る。さらにクリックすれば測定回路のアップになる。
この状態から2次側に100PF程度のコンデンサを抱かすとメーターは一気にSWR=∞に振り切れる。従ってGU-84Bで実装する場合はCgkをインダクタンスとの「共振」によりキャンセルする手法が必要になってくるのは容易に想像がつく。またCgにはCgkばかりでなくリードインダクタンスもあるので、それも考慮に入れなければいけない。
と言う事で最初から共振したコイル又は同調線路でタップダウンする方が手間が省けそうである・・・オーナーの私見。

Jun 5. 2004 ソケット内臓のカソード抵抗を精密測定する

気になっていたソケット内臓のカソード抵抗を精密測定した。デジタルテスターでは凡そ0.5Ω付近であることは分かっていたのだが、確認のためDELICAのミニブリッジDS1を持ち出した。写真はワニ口リード線を含めた抵抗値を示しているため、ワニ口リード線の先端をショートして残留抵抗も測定しその差をx0.1倍した数字が求める抵抗値となる。その測定結果は全体の抵抗値=0.593Ω、ワニ口リード線=0.057Ωであった。従って求めるカソード抵抗は0.598-0.056=0.542Ωとなった。
この値を基に、仮に2AフルスケールのDCカソード電流計を想定すると、2A流れると2x0.542=1.084Vが発生するから500μA(40Ω)フルスケールのNishizawaのU-60なら、倍率器として(1.084/0.0005)-40=2.128KΩが必要となる。と言う事でこのカソード抵抗を有効に使うことにする。但しどの程度の精度なのか不明なので、各個体ごとに抵抗値を測定する必要があるだろう。
なおカソード電流にはそのままだとIsgも含まれてしまうので、Esgのマイナス側は接地しないでカソードに接続することになる。Icgは流れたとしても微々たる量なので無視すれば、こうしてカソード電流を測定することでプレート電流(Ip)を測定することが出来る。

Jun 2. 2004 50Ωターミネーターを比較する

手元にあった50Ωターミネーター。左の一番小さいのがFlorida RF Labsの32-1051(30W)、中央はFlorida RF Labsの32-1085(50W)、右はHDK/北陸電気工業(型名?)の50Wである。Florida RF Labs製はセラミック封入でHDKのはセメント封入である。いずれも50Ωの無誘導抵抗だがGHz帯まで使用できる物なので、50MHzで使うにはちょっともったいない気もする。しかし円筒型の無誘導抵抗だと大きく実装に苦慮するが、これなら筺体にビス止めするだけでOKである。またブロアから相当量のエアが通るので30Wの物でも100W程度を放り込んでも大丈夫である。
筺体フレームがコールド端子で、出ているリードがホット側になる。したがって直流的に浮かせるような用途には向かないが、シリコンゴムなどで絶縁し浮かせて使うことも出来る。丁度メタルカンのパワートランジスタを放熱器に取り付ける要領である。GKの場合でGridにDCバイアスを与えかつRF終端させて使いたい場合はこうした作業が必要であるが、Florida RF Labsにはホット・コールド共筺体フレームから浮かせた製品がある。また抵抗値も50Ω以上のものがラインナップされている。
余談だが被写体の中の光物を写真に収めるには工夫がいる。HDKのターミネーターは全く鏡状態だから、逆に面積のある白っぽい物を写しこんで撮影する。ここでは間近に白い紙を置いているがちょっと近すぎたか芯がずれたか・・・これも楽しい。

Jun 1. 2004 ケースに主要部品を乗せてみた

入出力タンク回路の目途が立ったので、次にケース上に主要部品を並べイメージ作りをする。写真は既に紹介しているが、電源別筺体として購入したケースであるが少し色気を出して一体型にならないか検討中である。このスペースに高圧整流平滑ブロックや低圧電源ブロック、それにオンディレイ・オフディレイ用のリレーブロックやシロッコファンとACラインフィルターブロック等が配置される。しかしシロッコファンはちと辛そうで写真では背面に追い出し、ACラインフィルターブロックはアルミダイキャストケースに電源ヒューズ群と一緒に収めこれも背面へ、その他の物は開きスペースに立体的に押し込めば何とかなるだろうか・・・もう少し時間をかけて観察する予定だ。実はこのイメージ作りは非常に大切な時間で、慌てて作業に入り、にっちもさっちも行かなくなるような事が避けられるばかりでなく、パネルデザインとの関係等、工作から運用を含めたイメージ作りにもなる。部屋の隅や机の上に置いてあると、それを眺めるだけで実に様々のイメージがわいてくるのだ。
オンマウスカーソルで見える写真は高圧用トランスだが、角に追加した黒色塗装の25mmx25mm鉄アングル材による固定金具が見える。これはトランスの製造業者である伊勢市の西崎電機に追加発注した。価格は\1.5Kであった。シャシ中央にはアングルを渡す予定だが、高圧トランスの23Kgは余りにも重いため、頑丈であるケース側板にも固定を試みる。・・・何かこのまま行ってしまう勢いである。

May 31. 2004 入力回路を共振させてみる

GU-84Bの入力容量(Cgk)は102.5PFありGU-74Bの凡そ倍である。50MHzではそのリアクタンスはXc=1/2πfC=-j31Ωとかなり低い値を示す。それでソケットを含めた回路にLを抱かせて50MHzに共振させてみることにした。+j31ΩのインダクターをG-K間に入れ並列共振させれば良いのだが、数字では良く分からないのでLを取り付けディップメーターで共振点を探すのが手っ取り早い。「宝探し」や「かくれんぼ」的要素があり実に楽しい。スズメッキ線(2mmΦ)を1T(直径40mmΦ)で50MHz付近に共振させる事が出来る。なおソケット部分も含めてL分になるので、Lが一箇所に集中している訳ではない。また筺体側は真鍮ポスト(6mmΦx20mm高)である。HF的に見るとLは一つだがV/UHF的に見ると様々な形でLが効き出し、それぞれが対筺体間にCを持ち複雑な回路になる。線材を細くするとインダクタンスは上がり円弧を崩すと減るので、共振点が確認できたら色々と形を変え感覚を掴む事をお勧めする。
共振を手中にできれば、次は入力信号の終端方法になる。50Ωを並列に追加しても良いし、利得が欲しければタップダウンして入れ、ステップアップ後Hi-Zで終端しても良い。或いは50Ω終端後にステップアップし無負荷(超軽負荷)状態にする手も・・・保障はしないが。又は60MHz程度のπ型LPFにするとか、或いはNFBや中和を意識してLに逆相タップを設けるとか、様々に思いが巡る。コイルのZ比は巻き数の2乗に比例するが、前述の如くL分が集中していないのでその通りにはならないだろう。

May 30. 2004 出力タンク回路の整合と共振周波数を確認する

出力タンク回路(π型)の共振周波数を確認する。プレートと筺体間に1K〜2KΩ程度(プレート負荷抵抗相当)の抵抗を取り付け、出力側にSWRアナライザ(MFJ-259)をつなぎSWR=1になる最低周波数を確認した。このときバリLのショートリングは一杯抜いた状態(周波数最低)で行う。写真では52.3MHzと読み取れる。シールドボックスに実装するとこの周波数がどんどん低下するので、それを見越した調整をしなければいけない。上部にアルミ板を立ててあるがこれだけで1MHzも共振周波数が低下する。シールドボックスに収め6方を金属で囲まれた場合の共振周波数は更に下がるが、詳細はこの段階では分からないため徐々に追い込んでいく。また回路は最終的にπL型にする予定。
ディップメータでタンク回路の共振周波数を探っていると、殆どの場合目的とする周波数以外でもディップする。回路図に書いた集中定数のタンク回路以外に、分布定数回路として見た場合に様々な共振要素が存在するからである。この場合ディップがバンド内に無いことと、寄生発振予防のため周波数レンジを変え500MHz辺りまでディップの確認をしておくと良い。その周波数はバリLやVCを回しても余り変化が無く、本機では50MHzバンド以外に44MHz付近と304MHz付近に緩いディップを確認できた。完成時のトラブルを想定して頭の隅にしまっておくことにする。

May 29. 2004 ショートリングと軸受け機構を作ってみた

プレートコイル内で回すショートリングと、その軸受けシャフトを試作した。3mmΦの銅パイプを外形約64mmΦで1ターンし、4mmΦの銅パイプでつなぐ。更につなぎ目を平らにつぶしハンダを流した後シャフト用の3mm穴を開ける。一方シャフトは3.5mm真鍮棒の先に3mmネジを切りシャフトカップリングまで貫通する。カップリングは6mmΦシャフトなので6mm真鍮スペーサーを使いサイズ変換を行う。スペーサーには締め付けビスがシャフトまで達するように2箇所に3mmの穴を開ける。と言う事で軸受けサイズは3.5mmとなるが、これは一般には売っていないので小型VRを分解しその軸受けを流用した。ショートリングの直径は可変周波数範囲に大きく影響するが、余り大きくとると今度はコイルQの低下を招くのでカットアンドトライが必要となろう。シャフトはタイト製なら構わないと思うが、ポリ系の樹脂だと静電誘導で発熱し溶け出す事があるので控えたい。経験的には写真の様に全て金属で構成し電位を固定した方が安定に動作する。軸受けもこの大きさならコイル線材表面に占める面積も少ないので気分的に大分良い。
プレートコイルを銅棒幅20mmx厚2mmx2T(内径72mm)の物に変更し、ショートリングを取り付けてみた。軸受けの穴の占める割合も程ほどである。軸受けはロードVCとの間隔を稼ぐためにコイルのホット側に開けた。ショートリングを取り付けて可変範囲を確認すると何と7.5MHzもある。これは予想した以上の幅で、ちょっと広すぎるのでその半分程度に落とす予定である。ショートリングの直径を落とすか線材を細くすればそれが実現するが、前者で対応する方が現実的であろう。おそらく直径を40〜50mm程度にすれば良いと思うが、厳密にはショートリングの断面積とインダクタンスの関数を求めれば正確な値が出てくる・・・周波数の変化はインダクタンスの2乗に反比例し、インダクタンスはコイルの断面積に比例するから。オンマウスでGU-84Bに取り付けた様子を見る事が出来る。この状態で凡そ52〜59.5MHz間に同調することが出来る。このサイズのコイルになると、ディップメーターをかなり離してもディップするので気持ちがいい。ちなみに内径25mmΦ程度のコイルではこのようなディップは得ることが出来ない・・・経験的に。
こうした予備実験は非常に大切なプロセスで、実装前に必ずクリアしておく必要がある・・・段々とイメージが固まってくるのが楽しい。

May 25. 2004 ソケットのカソードは筺体に接続していた

昨日明石市のT氏よりソケットのカソードが筺体につながっているとe-mailが届いた。テスターで当たると確かに導通している。そして私の場合は約0.5Ωの抵抗値を示した。この抵抗値は何なんだろうか?。先日行ったソケットの洗浄はSgパスコンのが接地される筺体リングまでしか行っていないので、カソードと筺体リングとの接触抵抗と思われる。まぁデジタルテスターで微弱電流で測定しているのでこうした値が表示されるのであろう。Ip(Ik)が流れ出してしまえば問題は無いだろうと考えている。大事なのはこのまま使うとなるとGKアンプの選択になるという事である。Cgを接地してCpgの影響(中和ズレ)を低減化させるために、GGも密かに狙っていたのでやや動揺している。
写真に確認を含めてソケット上の各電極を書き込んでみた。Cgは4本のPinであるが金属板で一つにまとめられている。ヒーターは中心PinのH1とその周辺の4本Pinが並列でにH2となっている。Sgは外側に出たリードで、カソードは内側に出たリードだが筺体に接続されている。
Jun 06、分解洗浄作業中だったJA1VKV/田中氏より、「カソード〜筺体間には5.7Ωの抵抗が10個並列に挿入されている」との連絡を頂戴しました。したがって上記の如く約0.5Ωを示すことは異常ではありません。逆にこの抵抗を上手く使えばIpメーターの分流器として使えるかも知れません。

May 24. 2004 GU-84Bにプレート回路をつき合わせて見る

幅20mmx厚2mmの銅板は全体の構造を大きくしてしまうため、取り敢えず幅12mmx厚1mmの銅板によるプレートコイルを取り付けてみた。ショートリングの軸受けはこのコイルでは占める面積が大きいので、シールドボックスからタイト棒等で回す事になるかも知れない。コイルの出力側はタイトポストかロードVC補助用ドアノブコンで受ける予定で、そこから銅板でロードVCに接続され出力コイル経由で出力される。VCはロード用の70PFでTDKの業務用でローター系が丈夫に出来ている。実装前にこうした突合せを行いイメージを確認すると共に、共振周波数や整合状態を確認しておくとよい。
日東陶磁のドアノブコンの級4mmネジの取り扱いが余りにも不便なため、ISO4mmネジを切り直した。

May 23. 2004 プレートコイルのターン数を確認する

幅12mmx厚1mmと幅20mmx厚2mmの銅棒を巻き、GU-84Bとソケットのストレー容量で50MHz付近に共振する巻き数を求めた。写真がその様子で前者は予想通り内径47mmΦで3T、後者は内径75mmΦで2Tだった。コイルのほぼ巻き終わりをブロッキングコンとソケット筐体間に接続してDMC-470Sで測定した。コイル自身のQは、直径Φと長さlの比「l/Φ」が0.5〜0.7程度の時が最高らしい。30mmショートリングによる冉は、前者が約2MHzで後者は約1MHzだった。但し口径比を大きくすれば後者も2MHz或いはそれ以上に出来ると思われるが、これもQと関係するので程々にする必要があろう。ショートリングの固定は、大胆にもコイルに穴を開け小型の金属軸受けを取り付けて行う。そこにショートリングシャフトを通すことにする。そのためにも表面積の広い後者が第一候補である。写真で見ると余り大きさが分からないが、手にすると相当なものである。なお高周波電磁界に誘電体をさらすと、自ら誘電・発熱し場合によっては溶け出するので、ショートリングシャフトは金属製を使うことにする。

May 22. 2004 DCブロッキングコン(カップリング)を取り付けてみる

昨年ジャンクで購入した日東陶磁のドアノブコンを何処に片付けたか思い出せず、半ば諦めていたら目の前のダンボール小箱の中にあった。それも深夜で、それからAL板を裁断しプレートラグに固定し、ドアノブコンを取り付けてみた。このコンデンサがどれだけの実力があるかは全く不明であるが、ダメもとでトライすることにする。静電容量は0.001μF(1000PF)とあるが、実測すると両者共750PF前後であった。また耐圧はDC10KVCと表示がある。直系及び長さは30mmだが、取り付けネジサイズは旧4mm/JISであるためネジ箱から探し出した。コンデンサの間隔はもう少し寄せたかったが、プレートとの間隔が狭まるためこの位置で決定した。
SSBハンドブックの囲み記事で、「ショートリングをつけては絶対にいけない・・・Qとインダクタンスが60%に低下する」旨の記述がP105にある。これはどの程度の環境で測定されたものかデータが無いので良く分からない。しかし業務用TV-Txの微調には良く使われていたし、オーナーも3-500Z/50MHzやGU-74B/144MHzアンプで好結果(前者効率75%・後者60%)を得ており鵜呑みには出来ない。またπ型タンク回路のコイルを、出力側から短絡してバンド切り替えをする手法は完全にショートリングだと思うのだが、それはどう説明するのだろうか?。こうした話は程度問題だと理解しているし、Qの低下が効率低下と連動しない訳がない事も理解しているつもりである・・・。

May 21. 2004 貫通(フィードスルー)コンデンサー届く

札幌のFDT LABORからお願いしてあった貫通コンデンサが届いた。ローカルのOM氏からも依頼があって全部で20個である。「ERIE CK70A 102M 1000」と印刷があり、どうやらロシア製(中古品)らしいがひとつひとつしっかりした造りである。1000PF/1KVと言うことであるが、同じものを秋葉原あたりで探すと非常に高価で、10個もまとめて買う気にならない。先日も秋葉原を歩いた折に購入を考えたがやっぱり高く、これなら「タイト製貫通端子+バスコンで勝負」すると心を決めていたが、FDT LABORで未だ在庫十分と言うことで即発注した。ヒーター・Sg・Cg等の電極の取り出しに私用する予定。貫通コンデンサの効果はRFでは絶大である・・・と言うよりRF機器を作るときのマナーと言うべきか。

May 20. 2004 GU-84BのSocketを洗浄

GU-84Bのソケット内部の汚れを落とした。ソケットを分解するとSg周りのバイパスコンデンサ6分割で円周状のフィンガーストックで押さえられている。元々中古品で何処の国で使っていたか分からないしろもの。内部には埃が進入し銀メッキのフィンガーストックや電極にも汚れがついていた。そのままでも問題は無いと思われるが、分解したのをそのまま戻すのも芸が無いのでピカピカにした。写真の右上が6分割のSgバイパスコンデンサーで誘電体の両面に銀が蒸着されている。その左はバイパスコンデンサーをSgリングと筐体に接触させるフィンガーストック。分解する前に、内側から僅かにフィンガーストックの先端を確認することが出来「何だろう?」と思っていたが、これでやっと謎が解けた・・・非常に面白い作りだ。オンマウスでそのクローズアップを見る事が出来る。こうした作業は組み込んでからは容易でないので、時間がある時に行っておくと後が楽である。

May 19. 2004 DCブロッキングコン(カップリング)の選定

ソケットのプレートフィンガーストックにロウ付けされているラグ端子にDCブロッキングコンデンサを仮付けしてみた。写真はHT-50タイプを2個取り付けた様子だが、手前の赤いのも(日東電磁1000pF/10KVDC)その候補である。ただしこれは、直径が30mmあるためそのままではプレートにぶつかり取り付かないので、一度金属板を敷く必要がある。容量は50MHzなのでHFの1/5〜半分もあれば十分だろうか。前者の様に直に取り付けると球の熱がもろに伝わってくるので、一度Al板等の金属を敷き熱的に絶縁した方が良いかもしれない。何しろHT-50の電極はハンダ上げだから・・・。ただしこの場合はAlサッシの中には高周波特性が極端に悪いものがあるので注意したい。GU-74Bの144MHzプレートラインで苦い経験(RF通電すると共振周波数がズレる)がある。ちなみにこの日東電磁のコンデンサは、大須のタケイムセンに@\100で出ていた物を1年程前に買ってきたのだが、残りを何処にしまったか忘れてしまい出てこない・・・。2つあるラグ端子からタンクコイルまでは同じ長さにして位相を合わせたい何て考えは、この周波数でこのサイズだから無視することにする。

May 14-15. 2004 秋葉原で部品購入

久しぶりに秋葉原に行く。GU-84Bを意識した機構部品を探すが、十分な検討が行われていないため決断に時間がかかってしまった。写真は今回のケースに選定したTAKACHI(タカチ電気工業)のMO-177-37-35G。数字から想像がつくようにH-W-Dの各サイズ(外形)である。購入はラジオデパート2FのSS無線であるが、宅配が無料と言う事で翌朝宅配してもらった。無理して運ぶ必要がなく、翌朝配達でしかも無料と言うのは絶対にお得である。帰宅後早速に組み上げてみた。買ったときは電源は別と考えこのサイズにしたが、このケースの骨は非常に丈夫で写真の様に縦型にすれば重量に十分耐えられる。オンマウスすると横にした写真が見えるが、残りスペースにシロッコファンを含んだRFデッキが入らない大きさではない。という事で電源の取り扱いでまだ動揺している・・・幅を45cmのにしておけば電源内蔵にするのだが・・・想像を絶する小ささで組むのも面白そうだし・・・ただ他の構成品は立体配置になだろう・・・余り保守性を落としたくないし・・・。部品を眺めながら色々と思いを巡らすのも物作りの重要なファクターだ。せいぜい悩むことにしよう。
なおシャシは2mmのAlで、シャシ下から底板までの間隔は約11mmある。したがって、線材の通線には十分活用出来るスペースである。下の写真は秋葉原で買って来たその他の部品。購入先が分かるように店名と所在をラジオデパート(R-フロア)、ラジオセンターは(C-フロア)などと記入した。
シャシとコイル用銅棒は奥澤電気(R-B1)で購入した。シャシは1.5mmAl素材によるもので、結構丈夫なためこれにGU-84Bを乗せる予定。メーターは東洋計測(C-1F)で購入したNISHIZAWAの2A/500μA/U-60_TAUT-BAND。本当はYOKOGAWAやYAMAKIを使いたいが価格が高過ぎ見送った。セメント抵抗と貫通コンは桜屋電気(R-1F)だが、高抵抗のセメント抵抗は秋葉でもここしか無いと言ってもよい。オヤジと顔馴染みのため、倉庫への往復時間の間約15分間店番をするハメになった。ネジ・スペーサー類は西川電子。標準サイズの30Aヒューズホルダは田中無線(C-1F)で、これも意外と少なく諦めて大型を買い求める人も多いと思う。メーター切り替え用ノンショート2回路5接点SWは鈴喜デンキ(R-2F)。250V/30mAトランス(予備用)はノグチトランス(R-B1)。ベーク基板とコイル用銅・アルミ棒はあぼ電気(C-2F)。ガラエポプリント基板は山長通商(C-2F)。シャフトカップリングは東邦無線(C-1F)。この他にも色々とあるが、全ての店名と場所を覚えているのは、単身赴任中の4年間通い詰めた成果だろうか・・・。オンマウスで見える写真はオーナーの秋葉散策必須グッズ。特に巻尺とテスターは寸法や動作確認をするの無くてはならないグッズ。なお写真には写っていないが電卓も必須で、購入したメーターの内部抵抗をテスターで測った後、分流器や倍率器の計算を行い1%級抵抗をその場で購入したりする。

May 9. 2004 基礎データの取得・・・プレート共振周波数を確認する

プレートとソケット筐体間にL(12mm幅x1mm厚x45mmΦx2T)を接続し、どのあたりに共振するかディップメータ(DMC-470S)を接近させてみた。この状態で約70MHzに共振し、写真に写っているショートリング(30mmΦ)で約4.2MHzの可変が出来た。裸球の出力容量は規格上18〜23PFであるが、LCメータでP-Sg間をあたると約34PFを示した。このショートリングでは50MHz帯で4MHzを可変するのはちょっと難しいかも・・・。共振周波数はCが固定ならLの2乗に逆比例し、Lは巻き数Tの2乗に比例する。70MHzを50MHzに落とすには・・・(70/50)の2乗=1.4x1.4=1.96倍のLが必要である。さらに巻き数比を求めると1.96の平方根である1.4倍必要となる・・・あくまで概算だが。したがって現状が2Tなら約3T巻けば50MHz付近に共振点を落とすことが出来る。この時のリアクタンスを同調容量C=34PFから求めてみるとXc=1/2πfc=1/(2x3.14x50MHzx34PF)=93Ωと小さな値であることが分かる。この数字はHFでタンク回路を設計する場合の半分以下で、同調を取り易くするためにVCを追加するとQ1が上昇し好ましくない。このXc値はプレート負荷抵抗=1.3KΩでQ1=16程度にした時にほぼ一致する。34PF以上になるとQ1がさらに上昇し悩ましい。πやπLタンク回路等の集中定数回路でHFに近い効率を望むには、これ以上Hi-Cにしない事とロスの少ない部品と実装が必要になってくる。オンマウスで見えるコイルのは考えられる最短ルートである。

Apr 30. 2004 GU-84Bアンプ用電源トランス届く

伊勢市の西崎電機にお願いしてあった電源トランスが届いた。送金日から到着日までが5日間と相変わらず素早い対応だった。梱包状態の重さは30Kg近くあり、開梱してみるとやはりデカイと言うのが率直な印象だ。ローカルOMのY氏と議論した結果この大きさになりOMのところにも同じ物が届いた。写真は一緒に使う予定のGU-84Bとシロッコファンが写っている。左手の大きいのが高圧用で約3KVAの容量を誇る、中央の小振りなトランスはヒーター&リレーとスクリーングリッド、及びコントロールグリッド電源に使う低圧用。
これで50MHzのKWリニアアンプを製作する予定である。Y氏は今まで使用していた4CX1000Aアンプを改修されるようだが、オーナーは新規に製作する。出力回路はパイL型で組むが、バリL同調とし共振デバイスからのリターンと負荷からのリターンを極力短く太くし低損失に挑戦する。バリLはコイルの中でショートリングを回す、オーナーが得意とする方式を採用する。入力回路は1:1又は1:2程度のZ比で無誘導終端しAB1級でコントロールグリッドをドライブする予定。モノバンダーだからそれなりのチューニングが出来るものと考えている。一緒に製作に加わりたい方はご連絡下さい。ただし運用は最終目的であり、実験・製作・データ取得が主目的です。オンマウスカーソルで見えるVCは18PF/3.5KVだが今回は使用しない予定・・・これはMar 1撮影。

Feb 24. 2004 GU-84B届く

札幌のFDT LABORにお願いしてあったGU-84Bとソケットが2組届いた。新品でデータシートが付いていたが、ロシア球特有の品質管理で、相変わらず荒っぽい感じがする。GU-74Bもそうであったが、実際に使ってみるとやたらと丈夫で答えを出してくれるので、直ぐそうしたイメージは払拭されるだろう。一組はローカルのY氏からの依頼で、なにやら次のサイクルまでにお使いになっている50MHzアンプをグレードアップするとの事。オーナーは単に技術的な興味に基づいて購入したが、とりあえずY氏にロシア球を勧めた行き掛かり上、同じ50MHzに挑戦してみる予定。写真は届いた2組を撮影したものである。ソケットの白い部分はセラミック製のチムニィで、そのトップにプレートフィンガーストックがる。フィンガーストックは金属ベルトで締め付けられプレートとの接触は完璧である。SgにはGU-74BのソケットSK-1Aと同様にバイパスコンデンサが組み込まれている。プレート損失2.5KWと言う振れ込みだが、一部のWebでは2KWで紹介しているところもある。その後2月26日、Y氏と職場のロビーで引渡しの儀式を執り行ったが、30分以上アンプ談義に花を咲かせてしまった。
写真をクリックするとスペックとソケットを含めたGU-84Bの写真を御覧頂けます。