R-390A用SSBアダプタの試作(2)(Jun 24〜. 2014)
R-390A購入当時に製作した外部SSB復調器。久し振りにAGC対策でどっぷりとR-390Aに浸かった。幸か不幸か既設のR-390AケースはEIA7Uで1U開いている(今まではスリット入りブランクパネルを実装)。
そんな事情があり、外部復調器をEIA1Uのサイズに収め、R-390Aのオリジナル検波や他の受信機をモニターできるパネルの製作を始めた。
写真の最上段の左が現在使用中の外部SSB復調器。BFO周波数は453.5/456.5KHzの水晶制御で検波器はGeダイオード4本によるリング検波。AM検波はGeダイオード1本によるもの。
R-390AのLINE出力も接続される。R-390AはBFO ON時、組み込んだリング検波+バリアブルピッチのBFOの復調、BFO OFF時真空管による2極管検波の復調が行われる。可変BFOによるSSB復調音は中々の優れものだ。
この外部復調器に若干の機能を加えEIA1Uパネルに移植することにする。
参考サイトR-390A/URRにプロダクト検波を組み込む



機能(パネルをクリックすると拡大)
 R-390A(455KHz)用SSB/AM復調回路を内蔵、一方外部からR-390Aと51S-1のオリジナル音声を入力、更に汎用のAUX入力を選択しモニター、スピーカーアンプにはLM384を使う。
 入力選択・・・AM/LSB/USBは内臓基板、R-390Aは同機LineOut、51S-1は同機LineOut、AuxはパネルのAuxIn
 ボリューム・・・左回し一杯で音量最小/電源OFF、右回しで音量増
 PHONESジャック・・・ステレオヘッドフォン用
 SPAIRジャック・・・予備用
 AUX INジャック・・・AUX入力(平衡又は不平衡)
 AUX GAIN・・・AUX音量調整
 LED・・・電源パイロット
 Speaker1/2・・?Uサイズスピーカー、LM384で駆動
 AGC・・・Trを使ったAMPでBIAS供給を制御してみる

回路図
SSB/CW検波器はGeダイオード4本によるリング復調。回路の基本は四半世紀前に製作した1号機を踏襲している。低Zの検波出力をAFトランスでステップアップして利得を得ている。IF出力をエンベロープ検波してトランジスタを制御する増幅型AGCを採用してみた。この回路は1970年代にTRIOのTS-510シリーズ等に使われ、筆者は好んで使っていた。R-390A側のRF増幅管のカットオフ電圧が浅いと、課題入力時に歪むので要注意。検出はAFで行う手もあるが、ローカルAM局の受信を考慮するとIFがベターと考えている。

実 装
EXT-SSB復調1号機の基板やコネクタ類を移植する。
移植先のシャシはEIA/1Uパネルの内側に収まるサイズのモノ(TAKACHI製YM-200)を利用した。シャシとパネルはVRやSWのナットで共締めしている。
新規に設置したのは100KΩVR(A)と2回路6接点ロータリーSW、AUX入力PHONEジャック。
基板は検波部とAFアンプに分かれているので、1枚のアルミ板に乗せたものをシャシへ取り付けた。
背面のコネクタ内訳は左からSP出力、DC電源(12V〜18V)、IF入力(455KHz)、R-390A入力、51S-1入力。



フロント
これは暫定版だが、試しにフロントパネルに0.4mm厚のアルミ板を貼り付けてみた。パネルのスリットが突然消えてしまうのが気になる。VRとロータリーSWの部分のみアルミの丸板か四角板をあてがうのも手かも知れない。
PHONEジャックは左がヘッドフォン、右がAUX入力。左右のスピーカーは未だ実装していない。
下ははやる気持ちを抑えきれずにラックへ実装してみた様子。スピーカーはラックR-390Aの上に乗せたが、スリット経由で心地良い音が出てくる。気分転換でノブのタイプも変えてみた。
色はR-390A色に統一したい気持ちもあるが、白っぽくても悪くは無い印象だ。



ノブの手直しとレタリング
真っさらなパネルならゼロからデザインできるが、このように最初から縦スリットが刻まれたパネルは厄介だ。
正直なところ冒頭に記したパネルのスケッチとは程遠いイメージになってきた。
ノブの色まで変えて試したがどうもしっくり来ない。それで、思い切ってアルミ板を外し、スリットを良く見せる様に路線変更した。
レタリングはスペースを活用して配置し、盲目にならない様にした。自己満足だが、中々のルックスじゃない!。
写真がその様子だが、こうなると白色はそのままにしたくなるから不思議だ。
両サイド裏に穴を空けた厚手の木板をあて、スピーカーを配置すれば作業完了となる。
シャックの受信機環境はこの装置を中心に整えられ、背面のAux2入力には51S-1、前面のAux1は汎用入力として使用する。
R-390A位置は、R-390AのLINE出力がつながれAMはもとより可変BFOによるSSBやCWの復調と多彩なIF帯域選択やAFフィルタの切れが楽しめる。AM/LSB/USBは当アダプタ内臓のダイオード検波と水晶BFOとリング復調によるSSB/CWが楽しめる。

バッフルブロック(バッフル板)の製作とスピーカー取り付け
パネルは1U/EIA高で。しかも上下に部材の折込があるとスピーカーの高さは相当な制限を受ける。現在入手が可能な製品はコイズミ無線が販売する
FOSTERの072A01/70×40mm/8Ω/2W程度しか思い浮かばない。
またスピーカーは折込の内側に収まらないので何らかの細工が必要になる。ここでは思い切って木の塊を切り出してバッフルブロックなるバッフル板を製作した。スピーカーの振動部は直径30mmを横に64mm程度まで伸ばした横長円。これと同じサイズの穴をバッフルブロック(40x40x100mm)に空け、パネルとスピーカーの仲介役を果たす。
無造作に金属板へ直に固定したスピーカーシステムに比し、ラックの箱効果も相まって良好な鳴りが得られる。