その後
内装設計、現場監理をしたIKMOが書く現場日誌17

内装設計、現場監理をしたIKMOが書く現場日誌をここまで読んで下さった方は疑問に思っていることだろう。こうしてできあがったこのショップを何故「期間限定」にしてしまうのか。 3/16になんとかオープンして、ようやくほっとして、その後の家具の追加やいろいろな調整などしていたころ、オープン12日目の3/28午後、突然オーナーの久保田さんが倒れたという電話。脳幹出血、意識不明ということだった。こんなことって本当にあるんだ・・・あまりにも突然の話、信じられない話、しばらく呆然としていた。 お医者さんからは手術のしようがなく、助からないと言われ、毎日祈るしかない日が続いた。身内の方で、誰もそのショップを引き継げる人はなくて、お店はとうとうクローズすることになり、店の内部については、身内の方は何もわからないので、撤去はIKMOが引き受けることになった。久保田さんが集めた作品(作家達の手作りの作品達)は、業者に売ったり、捨てたりはできない、かといって大安売りするのも作家に失礼に当たる。「できれば、作品の価値のわかる方、ほしい方に買っていただきたい」という家族の意向と、オープンできなかったインターネット部門をオープンさせたいという私たちの思いから、限定オープンという話になった。 しかし、4/21からの限定オープンの準備に入ってからの4/16、久保田さんは帰らぬ人となってしまった。 久保田さんの夢をこの2週間で多くの人に伝えられればと思う。 最後に、久保田さんのメールから。(3/4) 「・・・それは、はっきし言ってこのMONOBITの開設を目論んだ時になによりまず目標とした ことなのです。 もちろん営業収益を上げなければなりませんが、それ以上に、多く の、細々と物作りしている若手アーティスト達を支援するというのが実は第一目標な のです。 だから、うちに作品・商品を置いているアーティスト達にはうちのパソコ ン、インターネットは全て無料で使わせるつもりでいます。 そして、この4、5月 頃を目標に自社のインターネットサーバーを立ち上げ、たぶん といったドメインで運用しWeb上でも情報発進をする予定ですが、その際には彼等に はWebスペースも無料で提供し、必要とあればメールアドレス発行してあげようかと 考えています。 そうして、時間をかけてアーティスト達の情報交換と交流の場を作 れればと考えているのです。 で、ですね、実は月に一回特別休日というのを考えて いて、それは私の充電のために使うこともありますが、他に特定の作家さんの個展な どの開催、あるいはアーティスト同士の交流会を開くなど、いろいろ使い道を模索し ているですよ。 DJとVJを招いてクラブイベントなんていいなぁ、やってみたいなぁ 、なんて考えているっすよ。 夢ですよ。」
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