家庭の窓
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テレビのドラマを見ていると,悪い人が出てきます。そのあくどさがヘビのようにひどいほど,退治された際のラストが爽快になるという設定のようです。そういう作者の意図も分からないではないのですが,わざわざあくどさを見せられると,気分が悪くなります。せっかくの休養の時間に気分が悪くなるというのはごめんです。爽やかな気分でいたいので,チャンネルを変えたいのですが,その決定権を持ち合わせていないので,背を向けてパソコンに向かうようにしています。
ところで,ヘビが嫌われる理由にはどのようなものがあるのでしょう。進化的恐怖というものは,ヘビは捕食者としてのイメージが強く,特に毒ヘビに対する恐怖が根付いています。人間の祖先は,ヘビに対する警戒心を持つことで生存率を高めてきたということです。
文化的影響では,多くの文化において,ヘビは悪の象徴とされることが多く,これが嫌悪感を助長しています。また,生理的反応については,ヘビの動きや外見が不気味に感じられることから,直感的に嫌悪感を抱く人が多いようです。このような要因が組み合わさることから,ヘビは多くの人に嫌われる存在となっています。
人間がヘビを怖がる理由については,2010年11月に京都大学霊長類研究所のチームが,生まれてから一度もヘビを見たことがない3〜4歳の幼児を対象に実験を行なっています。花やヘビなど複数の写真の中からヘビだけを素早く見つけ出すことから,本能に基づくものであることを明らかにしています。
ヘビを嫌うのは人間だけでしょうか。本当のところは分かりませんが,多くの動物,特に小動物にとって,ヘビは天敵,最も嫌いな動物となっているようです。毒ヘビになると,小動物だけではなくゾウでも恐れるし,ライオンやトラも警戒しています。ライオンは毒ヘビを見つけると叩き殺すことに全力を注ぐそうです。
逆に,毒ヘビをあまり恐れない動物には,毒ヘビでも飲み込んでしまうヘビクイワシ,マングース,イノシシなどがいます。イノシシは丈夫な皮と剛毛で身を守っているため,毒ヘビの牙も通りません。毒は血管に回らなければ効果が無いので怖くはないということのようです。
ヘビのような目とか,ヘビのような身のこなしでとか,こういった嫌われ様はヘビには心外でしょう。ひたすらただのヘビとして素直に生きているだけなのに,と言うはずです。直接に目通りはご免ですが,それ以上のしつこい迫害をすることはしないでおきます。ヘビのような執念深さはまねしたくありません。
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