【生きる羅針盤の提案(6):ハラスメント】
人権宣言等から導き出した「人権羅針盤」は,人権という言葉が目指すものに言い換えると人が穏やかに生きるための羅針盤と考えなければなりません。だからこそ,先に示した子どもの育ちを考える羅針盤としても有効になることができたのです。ここでは,「生きる羅針盤」としての様子を描き出しておくことにします。ふと立ち止まって,「生きるとは?」という疑問に出会った際に,その思考のお手伝いができたら幸いです。
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「私が生きる羅針盤」を考える第6版です。前号までに人間関係における不具合であるハラスメントのうちで代表的なパワーハラスメントとセクシャルハラスメントについて見ておきましたが,今号ではその他のハラスメントについて,羅針盤的整理を概観してみることにします。
「ミラとも転職」のホームページに,【ハラスメントの種類】全部で50以上!一覧表で一気にチェック というページがあります。そこにあるハラスメントの種類から選んだものを羅針盤に整理してみましょう。
→参照: https://cj-miratomo.jp/4349/
※「私の身上に口を出すな」
○ジェンダーハラスメント:男らしさ・女らしさを強要する行為
○レイシャルハラスメント:国籍や人種に関する嫌がらせ
○マリッジハラスメント:まだ結婚しないの?と聞いたりする行為
○終われハラスメント:内定と引き換えに就活を終わらせようとする行為
○ラブハラスメント:恋愛に関する話で人を不快にさせる行為
私自身に関わる事柄や決断事項に立ち入って来られるのは,自由な権利の侵害であると主張すべきです。あなたには言われたくないということがあります。
※「私の心情を乱すな」
○モラルハラスメント:特定の人に対して悪口や無視をする行為
○スモークハラスメント:たばこの煙による嫌がらせ
○カラオケハラスメント:カラオケで無理矢理歌わせようとする行為
○グルメハラスメント:料理へのこだわりを強要したりする行為
私の気持ちや趣味のような領域に勝手な介入をされるのは,安心の権利を侵害することであるという了解が求められます。嫌がらせという行為をする欠点は早々に改善すべきです。
※「私の意思を変えるな」
○リモートハラスメント:ZOOMやTeamsなどWeb会議を通したやりとりの中で起きる強要などの行為
○ロジカルハラスメント:正論や論理的な言葉によって相手を追い詰める行為
○ソーシャルハラスメント:SNSサービスを利用した嫌がらせ
私の意思の表現を受け入れることもなく一方的に変更を迫ってくるのは,相互理解につながる表現の権利を侵害することであり,邪道になります。
※「私の人間関係を壊すな」
○アルコールハラスメント:無理にお酒を飲ませようとする行為
○カスタマーハラスメント:消費者が悪質なクレームをする行為
○ドクターハラスメント:医者が患者にする嫌がらせ・脅し
私の社会的関係の円滑な遂行パターンを理不尽に破壊するようなことは,対等な関係の権利を侵害することになり,社会破壊になります。社会的な立場に絡まる権利の主張は双方向性なのです。
※「私の明日を奪うな」
○マタニティハラスメント:妊婦・出産経験者に対する嫌がらせ
○エイジハラスメント:中高年の人などに年齢での悪口を言う行為
○シルバーハラスメント:介護が必要な高齢者などに対する嫌がらせ
○時短ハラスメント:労働時間の短縮による嫌がらせ
私の明日は高齢であり子どもへの引き継ぎであることを弁えると,時間の楽しみを蔑ろにすることは悲痛な権利侵害になります。明るい暮らしを奪うことになります。
※「私の能力を潰すな」
○テクノロジーハラスメント:パソコンなど詳しい人が詳しくない人にする嫌がらせ
○アカデミックハラスメント:大学教授が学生にする嫌がらせ行為
○リストラハラスメント:配置転換などでリストラに追い込む行為
私の能力は常に向上していくものと信じているから励みがありますが,その機会を奪って潰される仕打ちは成長の権利を侵害しています。
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いろんな形で起こってしまうハラスメントは,決して良い結果を生むことはありません。嫌がらせをする者が気分が良いということかもしれませんが,それとて本当に気分が良いことなのか自覚できていないはずです。身体に毒になる麻薬のように,気持ちの毒になる偽快感を飲み込んでいるだけにすぎません。
人としてすべきことから外れないようにすることは大事であり,それは誰にとってもできることであり,気持ちの良いものです。しあわせは誰かだけにあるのではなく,皆に同時にあるものです。権利を守る,言葉は堅く響きますが,人として生きていく自然な姿であればいいのです。
(2025年03月09日)