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【生きる羅針盤の提案(45):成功7習慣】
人権宣言等から導き出した「人権羅針盤」は,人権という言葉が目指すものに言い換えると人が穏やかに生きるための羅針盤と考えなければなりません。だからこそ,先に示した子どもの育ちを考える羅針盤としても有効になることができたのです。ここでは,「生きる羅針盤」としての様子を描き出しておくことにします。ふと立ち止まって,「生きるとは?」という疑問に出会った際に,その思考のお手伝いができたら幸いです。
「私が生きる羅針盤」を考える第45版です。著者のスティーブン・R・コヴィーが成功者たちの共通点を観察し,その原則を「7つの習慣」としてまとめたものがあります。興味はあるけど読んだことがない方,昔読んだような気がするけど内容をすっかり忘れてしまった方,そんな方にも分かりやすく解説していきますという記事がありましたので,生きる羅針盤に参照してみました。新たな視点からの整理として,参考になるかもしれません。
※参照先の「『7つの習慣』をわかりやすく要約!成功者が実践する習慣について解説!」は
こちらです。
【第1の習慣:主体的である】
《説明》主体的とは,「今の自分の人生は自分の選択の結果だ」と考え,「それゆえにこれからの人生も自分で選択できる」というスタンスです。「自分の人生がうまくいかないのは環境のせいだ」といってしまうことは簡単ですが,それでは「主体的」に生きていくことはできません。私たちは人間に与えられた「想像、良心、意思、自覚」という能力によって,何が自分の身に降りかかってこようとも,それが自分に与える影響を自分自身で決定することができます。
※私たちが人としての成熟を目指していることは,自らに関わることは原則として自分の判断で選択をし自分で決定することです。上記の記事では主体的と表現されています。環境が自らの決定を邪魔するときには,その邪魔を織り込んだ判断をすればいいのです。自分で決めるというときには,自分ができることを前提にしなければなりません。変えられない環境に対して,自分は何ができるか,それを決めるのです。その場そのときの状況の下で決断する,そうすることで私らしく生きていくことができます。
【第6の習慣:シナジーをつくりだす】
《説明》「シナジーは人生において最も崇高な活動です。シナジーとは要するに「1+1を2よりも大きくする」ことです。シナジーが成立するために重要なことは,「高い信頼残高・Win-Winを考える姿勢・まず相手を理解しようとする努力」。これらを組み合わせることによってシナジーが発生すると著者は説いています。「自立」した個人が,相手を尊重し,互いの違いを受け入れることがシナジーへの第一歩です。特に重要なのが「自立」していることであって,「自立」しているからこそ相手を尊重することができるのです。
※私たちが人としての成熟を目指していることは,それぞれに自立しながら、信頼し合う状況を生み出すことです。それぞれに自立,それは多様な自立であり,互いに尊重すればこそ不足を補い合い,頼り合い,安心な状況を生み出すことができます。他者との温かな共生ができる関係という場所を構築することで,人は幸せを求めて生きていく安らぎを獲得できます。
【第5の習慣:まず理解に徹し,そして理解される】
《説明》Win-Winを成り立たせるために相互理解が重要になってくるので,とくに「傾聴する」という部分を深掘りしていきます。「傾聴」において大事になってくるのは,まず相手の言葉を繰り返すことです。自分の立場になって話すのではなく,まずは相手の側に立ち,共感するようにして相手の話を聞くのです。「相手の言葉を自分の言葉に置き換えると同時に,相手の気持ちを言葉にする」という作業をします。まず「傾聴する」こと。とにかく相手の話を聞き,相手の立場になって物事を考え,相手を理解することに努めようというのがこの習慣です。
※私たちが人としての成熟を目指していることは,環境状況を含めて,人間関係を正確に理解することです。そのためにはそれぞれから発せられる情報を受信しなければなりません。人との関係では,言葉を誤解なく受発信する配慮が必要です。言葉は使う人によって意味のニュアンスに幅があるからです。問答無用という対応が関係破綻であることの裏返しは,傾聴であり,そのことを勧めるのが「沈黙は金なり」です。理解し合うことで,決定が正確なものになります。
【第4の習慣:Win-Winを考える】
《説明》一言で言ってしまえば,「すべての人間関係で,必ずお互いの利益になる結果を見出そうとする」ことです。Win-Winを成り立たせるためには,以下の5つ「人格・人間関係・協定・システム・プロセス」が必要とされています。『人格』については,習慣で人格を磨くことによって可能でしょう。『人間関係』は相手の信頼を積み重ねることが重要です。『協定』は相互に期待することを明確にするというもの。『システム』はWin-Winの行動が評価されるようなシステムを作っておくこと。『プロセス』については、別項の習慣が関係してきます。
※私たちが人としての成熟を目指していることは,人としての行動の望ましい姿の実現です。人が生きていくのは幸せになりたいためであり,そのスタイルはWin-Winの形であり,具体的な活動は支え合うことです。お互いに恵み合う,つまり互恵の精神に基づいた行動の実践が支合わせ,しあわせに向かいます。上記の各必要条件は,この羅針盤の指標の再確認になっていると確認できます。
【第2の習慣:終わりを思い描くことから始める】
《説明》何事においても「終わりをイメージ」しておくことはとても重要です。なぜなら「終わりをイメージ」しておくことによって,「最終的に自分がどこに辿り着きたいか」が自ずと見えてくるからです。終わりを想定していなければ,自分の現在地すら見誤ってしまうのが人生です。この習慣を身につけるためには,個人のミッションステートメントを書くのが効果的です。どのような人間になりたいか(人格),何をしたいか(貢献・功績),自分の根底にあるもの(価値観)を羅列していきます。
※私たちが人としての成熟を目指していることは,自らの明日の姿を具体的に想定することです。誰か尊敬する人をイメージして目指すことなどが,身近な目標になるでしょう。子どもが親の後ろ姿を目指すといったこと,そのバージョンアップを忘れないように繰り返せばいいのです。明日の朝起きるのが楽しみであることが幸せであると言われますが,明日の自分が何をしているか,その具体的なイメージを描くことが,生きている活力を生み出します。
【第3の習慣:最優先事項を優先する】
《説明》自分のやりたいことだけをやって成功する人はかなり稀です。成功者たちは,目的意識のために自分を服従させるので,他の人がやりたがらないことを積極的に継続しています。まず物事を「重要度が高い」「重要度が低い」「緊急度が高い」「緊急度が低い」にそれぞれ分けます。その中で「重要度が高い」かつ「緊急度が低い」ことをいかに継続できるかが重要であるとされています。つまり「緊急度が高いこと」は誰しもやらなければならないことですが,「緊急度が低いこと」は,それがたとえ重要であろうとも,怠惰な人は通り過ぎてしまいます。ここをどれだけ継続できるかということが重要なのです。
※私たちが人としての成熟を目指していることは,やりたいことやしなければならないことに向かって挑戦することです。あるべき状況を想定できると,現状の限界に向き合わざるを得なくなります。その限界を無思考に受容するのではなく,可能性を求める意欲を人は持つことができます。過去の知恵に学び挑戦をする営みが,生きている実感となります。できることを求め続ける,人としての発展の歴史を受け継ぐ責任があります。
【補足】参照記事では,上記の6習慣の他に「第7の習慣」が存在しています。ただ内容を羅針盤に対応させるという試みでは,上記の6習慣の実現を陰で支える前提状況と位置づけられるものと判断し,別項として以下に採録します。
【別項:第7の習慣:刃を研ぐ】
《説明》 「7つの習慣」は,私的成功の習慣によって「自立」し,公的成功の習慣によって「相互依存」をデザインするというものでした。そして「真の成功」を引き寄せる最後のピースが,この「刃を研ぐ」という習慣なのです。これを繰り返していくことによって,「あなた自身」が磨き抜かれていき,他の6つの習慣を達成するのに役立ちます。「刃を研ぐ」ということにおいて,4つの視点を重視しています。
・肉体的側面(自分の健康に気を配った食事をし,十分な休養を取り,適度に運動をする習慣をつける)
・精神的側面(自分の価値観を守るために「刃を研ぐ」。これは完全に人によって違う方法を取ることになる。人によっては文学に没頭するかもしれないし,クラシック音楽を嗜むかもしれない)
・知的側面(継続的に学ぶ姿勢をやめないということ。読書の習慣を作り,常に学ぶという環境に身を置くことによって,知的側面を磨いていく)
・社会・情緒的側面(普段からやっていることの延長線上なので,そこまで時間はかからないものの,ある程度の訓練は必要となる。しっかりと人と関わっていき,コミュニケーションを怠らないこと)
※この項は,心身の健康な生活習慣の確認になっています。ベースの健康がなければ,活動が成り立たないということです。この前提条件は,人が生きていくことを考える際に必須のことです。
○以上,人としての成熟を目指していることを構成する7習慣を,「生きる羅針盤」に対応させてもらいました。これまでの対応事例と同じように,あまり違和感もなく整理をすることができているはずです。それぞれの想定している世界観における具体的な表現は違っていても,人が思い至る幸せに生きる境地は本質的に同じ構造になっているようです。それぞれを別個にしておかずに,まとめていく作業から,人の生き方について深い理解が得られるのではないかと期待しています。
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社会に真剣に向き合って生きていくことは,人として誰もが願っていることです。ただ人には本能から派生する弱さもあります。その弱さを押し込めていく意思が必要になります。そしてその意思は目標を必要とします。それが羅針盤なのです。
人としてすべきことから外れないようにすることは大事であり,それは誰にとってもできることであり,気持ちの良いものです。しあわせは誰かだけにあるのではなく,皆に同時にあるものです。権利を守る,言葉は堅く響きますが,人として生きていく自然な姿であればいいのです。
(2025年12月14日)
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