*****《ある町の退任人権擁護委員のメモ》*****

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【生きる羅針盤の提案(47):老習慣6変容】


 人権宣言等から導き出した「人権羅針盤」は,人権という言葉が目指すものに言い換えると人が穏やかに生きるための羅針盤と考えなければなりません。だからこそ,先に示した子どもの育ちを考える羅針盤としても有効になることができたのです。ここでは,「生きる羅針盤」としての様子を描き出しておくことにします。ふと立ち止まって,「生きるとは?」という疑問に出会った際に,その思考のお手伝いができたら幸いです。

 「私が生きる羅針盤」を考える第47版です。日常の習慣が自分にとって重荷となり,知らず知らずのうちに心や体に負担をかけていることに気づき,そのような習慣を手放してよかったと感じた具体的な経験を話している記事が目にとまりましたので,生きる羅針盤に参照してみました。
  ※参照先の「60代、「やめてよかったこと」6つ。当たり前の習慣を手放したらラクになった」は こちらです。

生きる羅針盤の提案(老習慣6変容)です
【6:好きなものを我慢することやめた】
《説明》人生も後半に差し掛かった今,最後にお話ししたいのは,「好きなものを我慢すること」をやめたことです。私の場合,お菓子がとくに好きで,以前は健康のために控えていた時期もありました。しかし,今では毎日適量を楽しむようにしています。
 目にとまったお菓子を買い,少しずつ楽しむことで,心が豊かになるのを感じています。好きなものを我慢せず,適度に楽しむことが,人生の後半に大きな喜びをもたらしてくれました。

※私たちがつい馴染んでいる習慣に違和感を感じるときにすることは,真摯に自分に向き合い,もう一人の自分がよりよい状況に向けた決断をすることです。してはいけないと思い込んでいることを,本当にそれでいいのかと検討するのです。自分の生きる喜びを考え直す,そういう選択も時には大切なことでしょう。こうでなければいけない,その思い込みを解放できるのは,自分なのです。《WHO》

【3:自分の体調を無視するのをやめた】
《説明》「自分の体調を無視すること」をやめたことは,生活に大きな変化をもたらしました。若い頃は忙しさや責任感から,少々の不調は無視して乗りきってきましたが,今ではその無理が効かなくなってきました。
 体が発するサインに耳を傾け,無理をせず,適切に休息を取ることの大切さを学びました。その結果,無理をしないことで体調が安定し,生活の質が大幅に向上したのを感じています。

※私たちがつい馴染んでいる習慣に違和感を感じるときにすることは,心身の安寧,まずは身体の快調な状況を確保することです。特に年齢が高くなると,いわゆる無理が利かないので,身体の声に意図的に耳を傾ける気遣いをすべきです。特に社会活動では責任というプレッシャが掛かってきますが,相応な分担をすることが,事故なく長続きできる良い対応になります。無理して壊れたら、それこそが無責任になります。適正な協働を選びましょう。《WHERE》

【1:夜ふかしをやめた】
《説明》まずなくしてよかった習慣は「夜ふかし」です。若い頃は夜遅くまでテレビを見たり,趣味に没頭したりしていましたが,年齢を重ねるにつれ,夜ふかしが体調や気分に大きな影響を与えることを実感しています。
 規則正しい睡眠リズムを取り戻すことで,朝の目覚めがスッキリし,一日を元気に過ごせるように。夜ふかしをやめたことで,心と体に余裕ができ,日中の活動により集中できるようになりました。

※私たちがつい馴染んでいる習慣に違和感を感じるときにすることは,時間という財産を有効に活用することを検討しなければなりません。人には心身をリフレッシュするために睡眠という必須の欠かせない時間割があります。最高の体調で生きることを目指すようにすれば,私が過ごす時間,つまり人生は充実します。自分の習慣に「夜更かし」と定義できる時間が紛れ込んでいる,それに気がつけば「夜更かし」を使用不可にすればいいのです。《WHEN》

【2:片づけの後まわしをやめた】
《説明》「片づけの後まわし」をやめたことです。以前は,忙しさにかまけて,掃除や整理整頓を後まわしにしがちでした。しかし,片づけを先延ばしにすると,家の中が散らかり,気持ちも落ち着きません。
 思いきって「すぐに片づける」習慣を取り入れたところ,家の中が常に整った状態になり,心にゆとりが生まれました。些細なことかもしれませんが,整理された空間で過ごすことが,私にとっては大きな安心感につながっています。

※私たちがつい馴染んでいる習慣に違和感を感じるときにすることは,スタンバイの状況を保持するように努めることです。日常的な行動のすべてについて,必ずきちんとけりをつけておくことです。環境を片付けることも含めて,一つ一つの活動をやり遂げて終えておくと,いつでも始められる状況にあり,気持ちに余裕が生まれます。使ったモノはその都度片付けておく,その地道なパターンが気持ちを落ち着かせてくれます。《WHAT》

【5:1日に複数の予定を詰め込むことをやめた】
《説明》以前は1日に複数の予定をこなすことが当たり前でしたが,年齢と共に疲れやすくなり,ストレスが増えてきました。そこで,体力面を考慮し,現在ではできる限り1日ひとつの予定に絞って過ごすようにしています。
 この変化により,余裕を持って1つ1つの予定に集中できるようになりました。疲れにくくなっただけでなく,心の余裕も生まれ,日々をより充実して感じることができています。

※私たちがつい馴染んでいる習慣に違和感を感じるときにすることは,予定などの為すべきと思われる活動の適切な配分です。それぞれの優先順位を勘案して,余裕のある予定に組み替えます。必要なら,手放しするとか,肩代わりをして貰うことなどもします。任せて,と引き受けることに無理がないように,今の自分に相応しいペースを探すようにします。予定は明日を含めて今日を考えて私が決めるものです。《WHY》

【4:無闇に節約することをやめた】
《説明》「人生も後半となり,「無闇に節約すること」をやめたことも重要なポイントです。もちろん,無駄遣いを避けることは大切ですが,必要以上に節約にこだわると,逆に生活の質を下げてしまうことに気づきました。
 以前は,できるだけお金を使わないように心がけていましたが,今では本当に必要なものや,心が喜ぶものにはしっかりとお金を使うようにしています。その結果,心が豊かになり,人生の後半も充実した日々を過ごせるようになりました。

※私たちがつい馴染んでいる習慣に違和感を感じるときにすることは,なんとなくこうした方がいいと思っている習慣を、今できることを大事にしようと振り返ることです。節約のような自分にブレーキをかけている習慣では,ブレーキを緩めて,生きる徐行を試して,その結果を見届けるようにします。挑戦するという発意は生きる上で必須のものであり,その実践は生きている実感につながってきます。してみてよかった,それが生きている喜びです。《HOW》

○以上,つい馴染んでいる習慣に違和感を感じるときにすることは,なんとなくではなく,意識的に変えてみて,新しい体験を通じて,獲得できることをきちんと見届けることです。6つの習慣変容の提案を「生きる羅針盤」に対応させてもらいました。これまでの対応事例と同じように,あまり違和感もなく整理をすることができているはずです。それぞれの想定している世界観における具体的な表現は違っていても,人が思い至る幸せに生きる境地は本質的に同じ構造になっているようです。それぞれを別個にしておかずに,まとめていく作業から,人の生き方について深い理解が得られるのではないかと期待しています。

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 社会に真剣に向き合って生きていくことは,人として誰もが願っていることです。ただ人には本能から派生する弱さもあります。その弱さを押し込めていく意思が必要になります。そしてその意思は目標を必要とします。それが羅針盤なのです。
 人としてすべきことから外れないようにすることは大事であり,それは誰にとってもできることであり,気持ちの良いものです。しあわせは誰かだけにあるのではなく,皆に同時にあるものです。権利を守る,言葉は堅く響きますが,人として生きていく自然な姿であればいいのです。

(2025年12月28日)