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【生きる羅針盤の提案(51):親愛7不足】
人権宣言等から導き出した「人権羅針盤」は,人権という言葉が目指すものに言い換えると人が穏やかに生きるための羅針盤と考えなければなりません。だからこそ,先に示した子どもの育ちを考える羅針盤としても有効になることができたのです。ここでは,「生きる羅針盤」としての様子を描き出しておくことにします。ふと立ち止まって,「生きるとは?」という疑問に出会った際に,その思考のお手伝いができたら幸いです。
「私が生きる羅針盤」を考える第51版です。子どもは愛情不足をうまく言葉で伝えられないため,行動や感情でサインを出します。なぜその特徴あるサインが現れるのか、理由とあわせて見ていくという記事が目にとまりましたので,生きる羅針盤に参照してみました。
※参照先の「子どもが見せる『愛情不足』のサイン7つ…親が見逃しやすい心の変化」は
こちらです。
【@ 自信がなく,自分を大切に思えない】
《説明》子どもは,親から褒められたり励まされたりすることで,「自分には価値がある」と感じます。しかし,親からの愛情が不足すると,自分を肯定できず,「自分はダメだ」と考えるようになります。結果として,自信が持てず,チャレンジする勇気が持てなくなります。
「言葉でストレートに愛情を伝える :尊重」
子どもに対して「大好きだよ」「いつもそばにいるよ」とストレートに伝えることも大切です。子どもにとって,親から直接かけられる言葉ほど特別なものはありません。毎日の生活で自然に伝える習慣をつけましょう。
※私たちが子育てをする上で常に配慮しておくことは,もう一人の子どもが自分を尊重できるように教えてやることです。親が子どもを肯定し認めてやる言葉をかけると,もう一人の子どもが親のまねをして自分を認め尊重できるようになります。子どもを認めるとは,何かができる子どもではなく,子どもの今の存在自体を認めて,寄り添うことです。親が認めてくれる,それがもう一人の子どもの誕生につながっていきます。自信とは自分を信じる,それはもう一人の自分が生まれて自分を信じるようになることなのです。《WHO》
【A 気持ちの変化が激しく,安定しない】
《説明》愛情が足りないと,子どもは安心感を持てず,些細なことでも不安や怒りを感じます。心の土台が安定していないため,小さな刺激にも敏感に反応し,感情が大きく揺れ動きやすくなります。
【C 必要以上に親に甘えたり,反対に親から距離を置いたりする】
子どもは親からの安心感を求めますが,愛情が不十分だと,それを過度に求めて甘えたり,反対に親を信頼できずに距離を取ったりします。このような行動は,自分を守るための防衛反応です。
「スキンシップで安心感を与える :安心」
抱きしめたり,頭をなでたりするスキンシップは,親子の愛情を深める大切な方法です。スキンシップを通じて,子どもは親の温かさを感じ,心が安定します。特に,寝る前や出かける前など,毎日の習慣にすると効果的です。
※私たちが子育てをする上で常に配慮しておくことは,子どもが安心して落ち着ける場所を与えることです。それは親のそばに抱かれることです。必ずしも親のそば近くでなくても,親の目が届くところ,親とのつながりがある場所,親が信頼している場所など,親とのつながりを感じられることが,子どもの安心の場になります。親とのつながりが感じられないと,不安に襲われ,暴れたり閉じこもるなど,落ち着きを失います。安心するから育つのです。《WHERE》
【B 他の人の気持ちを理解しにくい】
《説明》親からの愛情を通じて子どもは感情の理解を学びます。愛情が不足すると,自分自身の気持ちもうまく整理できず,他人の感情に共感したり理解したりする力が弱まります。そのため,友達との関係でトラブルが起きやすくなります。
「毎日の短い会話で子どもとの信頼を深める :共感」
毎日の短い会話を大切にしましょう。「今日は何をして遊んだの?」「学校で何か楽しいことあった?」など,子どもが話しやすい質問をしてみましょう。親が真剣に耳を傾けて聞くことで,子どもは安心し,「自分は愛されている」と感じます。
※私たちが子育てをする上で常に配慮しておくことは,親子の間で思いや状況を共通して理解することです。そのためには,五感をフル稼働して,よく見て,よく聴いて,よく触れ合うことです。確認するためには,短くても言葉を交わします。寒いね,寂しいね,楽しいね,悲しいね,気持ちを表現する言葉を経験を通して教えていきます。同じ経験をすることで,言葉が通じ合えます。言葉を覚えると,自分の気持ちを整理できて,人の気持ちを推察できるようになり,落ち着くことができるようになります。《WHEN》
【D 親や先生の注意を引こうとして,わざと問題を起こす】
《説明》子どもは親からの愛情や関心を強く求めています。そのため,愛情不足を感じると,わざといたずらをしたり,問題行動を起こしたりして注意を引こうとします。これは「自分を見てほしい」という心の叫びでもあります。
「子どもと一緒に楽しい時間を過ごす:共同」
たとえ短時間でも,子どもと一緒に何かを楽しむ時間を作りましょう。料理を手伝ってもらったり,公園で一緒に遊んだりすることで,特別な絆が生まれます。子どもは「親と一緒にいる時間が楽しい」と感じることで,自己肯定感も高まります。
※私たちが子育てをする上で常に配慮しておくことは,生きる営みである生活の中で,親子が具体的に協働することです。愛情や関心は協働する形で実態が伝わっていくものです。お互いを必要としている行動から得られる感じほど,つながりを確認できるものはありません。一緒に行動することを日常に組み込むことです。季節の行事やそれぞれの記念日など,楽しみに予定することなども出来るはずです。日々の暮らしが育ちにならなければなりません。《WHAT》
【F 睡眠や食事など生活リズムが乱れる】
《説明》愛情不足の影響は心理面だけでなく,睡眠や食事といった体の機能にも表れます。不安やストレスが体のリズムを乱し,寝つきが悪くなったり,食欲が減ったりすることがあります。これらのサインは,愛情不足による体のSOSでもあります。
「スマホを置いて子どもに集中する時間を:現状確認」
毎日短時間でもスマホを置き,子どもに集中して向き合う時間を作りましょう。親の目が子どもにしっかり向いていることを子ども自身が感じることで,安心感が大きく増します。短くても「濃い」時間を心がけてください。
※私たちが子育てをする上で常に配慮しておくことは,今日が明日につながっているという時間の推移を意識することです。ただ流れていく時間ではなく,明日に期待を込めた時間を持つことです。生活の中にある時間,それは生活リズムを保つことで自覚できますし,食事や睡眠という活動を正しく実践すれば,健康になり,心身の機能が正常に働くことになります。生きるために必要な時間を親子できっちり過ごすようにすれば,当たり前に思いがつながり,健康に育っていけるはずです。《WHY》
【E 学校や勉強に集中できない】
《説明》愛情が不足すると,子どもは常に不安な気持ちを抱えているため,授業や勉強に集中できません。不安が頭の中を占めている状態では,他のことを考える余裕がなく,結果として学習意欲や成績にも影響を与えます。
「子どもの努力や行動を認めて褒める :成長」
結果だけでなく,子どもが何かを頑張った過程を認めて褒めるようにしましょう。例えば,宿題に取り組んだことや,家のお手伝いをしてくれたことに「頑張ったね」「ありがとう」と伝えることで,子どもは「自分は価値がある」と感じます。
※私たちが子育てをする上で常に配慮しておくことは,子どもが育ちたいという意欲を持ち,前向きに挑戦していく活動を支援することです。それが親としての愛情の示し方です。そのためには,ちゃんと見届けているよというメッセージを届けることです。勉強しなさいと先のことをとやかく言うよりも,勉強したねと成し遂げたことを認知する方が,子どもには背中を押してもらえているような励みになります。頑張れの声掛けは激励という激しい励みなので,ここ一番の時に限りましょう。実績を認めることがうれしい励みなのです。《HOW》
○以上,子育てをする上で常に配慮しておくことは,親子が共に育っていきたいという願いの実現です。親と子は保護される者と保護する者という反対の立場ですが,それだけにつながりは必須のものです。親としての立場から子どものためにしてやれること,それが親の愛情の行使になります。愛という思いは,適切な活動にして届けなければ,意味がありません。愛情が不足とは,その表現が出来ていないことなのです。
親の愛の7不足の状況を「生きる羅針盤」に対応させてもらいました。これまでの対応事例と同じように,あまり違和感もなく整理をすることができているはずです。それぞれの想定している世界観における具体的な表現は違っていても,人が思い至る幸せに生きる境地は本質的に同じ構造になっているようです。それぞれを別個にしておかずに,まとめていく作業から,人の生き方について深い理解が得られるのではないかと期待しています。
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社会に真剣に向き合って生きていくことは,人として誰もが願っていることです。ただ人には本能から派生する弱さもあります。その弱さを押し込めていく意思が必要になります。そしてその意思は目標を必要とします。それが羅針盤なのです。
人としてすべきことから外れないようにすることは大事であり,それは誰にとってもできることであり,気持ちの良いものです。しあわせは誰かだけにあるのではなく,皆に同時にあるものです。権利を守る,言葉は堅く響きますが,人として生きていく自然な姿であればいいのです。
(2026年01月25日)
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