*****《ある町の退任人権擁護委員のメモ》*****

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【生きる羅針盤の提案(65):幸福5タブー】


 人権宣言等から導き出した「人権羅針盤」は,人権という言葉が目指すものに言い換えると人が穏やかに生きるための羅針盤と考えなければなりません。だからこそ,先に示した子どもの育ちを考える羅針盤としても有効になることができたのです。ここでは,「生きる羅針盤」としての様子を描き出しておくことにします。ふと立ち止まって,「生きるとは?」という疑問に出会った際に,その思考のお手伝いができたら幸いです。

 「私が生きる羅針盤」を考える第65版です。無意識にタブーな考え方や捉え方,過ごし方が習慣化してしまっていると,気づかぬ間に自分で自分に負担を強いてしまいます。幸福度が下がってしまう5つのタブーを見ている記事がありましたので,生きる羅針盤に参照してみました。
  ※参照先の「幸福度が下がってしまう5つのタブー」は こちらです。

生きる羅針盤の提案(幸福5タブー)です
【3.周りを気にして"自分"を抑え込んでしまう】
《説明》日本人に多く見られがちと言われている特徴に,周りを気にしすぎてしまうという傾向が見られます。特に,SNSが普及したことによって,さまざまな人の意見を見聞きするようになり,余計に周りの視線が気になるようになったという声も少なくありません。しかし,周りを気にして自分を抑え込みすぎてしまうと,本来の自分を見失ってしまい、気づかぬ間に自分を追い込んでしまう恐れがあります。それが正体不明の憂鬱感やストレスに繋がるため,周りの目を気にするのではなく,自分を主軸として考えて,自分に必要なことや好きなことに目を向けるようにしましょう。

※私たちが幸せに生きる上で配慮したいポイントは,もう一人の自分は自分に寄り添い自分を大切に思うことです。幸せはそこにしかあり得ないのです。周りの視線に同調して自分を見計らってばかりいると,自分が嫌いになっていくだけです。自分勝手であることは,周りの迷惑を招かないという抑制の上で,許されるべきです。自分らしさという自尊がなければ,選択し決断するという自立が成り立たなくなります。私は私でありたい,それがあってこそ、幸せに向かっていけます。《WHO》

【2.自分と他人を比べて悲観・嫉妬する】
《説明》ネットが普及しSNS時代とまで言われるようになった昨今では,ついネットを開いて自分と他人を比べがちです。中には,まったく見ず知らずの人の意見や姿を見て,現在の自分と比較して落ち込んでしまう人も多いでしょう。しかし,自分と他人はまったく違います。職業や性別,年齢,育ってきた環境,築いてきた人間関係も違えば,考え方や価値観,生活スタイル,嗜好なども大きく異なります。そんな大半の部分が違う人と自分を比べても,どこかしら優ったり劣ったりするのは当たり前です。他人と比べて落ち込んでばかりいる人は,まず自分と向き合い,本当に自分に必要な考え方や暮らしを見つめ直しましょう。

※私たちが幸せに生きる上で配慮したいポイントは,人はそれぞれ名前を持つように,別個の存在です。比べる必要はありません。それでも,共に生きる人として同じである部分も持ち合わせなければなりません。多少の好き嫌いはあっても,食べるものはほとんど同じです。人の感性は違いに敏感に反応しますが,それは危険を避けるためです。違いは違いとして受け止め,同時に同じであることを見つけて受け入れていくようにすると,安心が得られ,そこに幸せが訪れてくるはずです。《WHERE》

【・・・・・】
《説明》・・・・・

※私たちが幸せに生きる上で配慮したいポイントは,自分に寄り添っているもう一人の自分が公明正大であることです。社会という環境を作って生きている人間にとって,理性が働くことが必須です。それは知恵という形でもう一人の自分を育ててくれます。経験という摂取活動を通じて獲得したものが,真実であることを常に確認しておかなければなりません。虚偽の知恵はもう一人の自分には毒になります。良い経験を言葉で定義できたとき,心の滋養になり,心の豊かさは,幸せをつかみ取る条件です。《WHEN》

【4.自分に合わない人間関係の築き方を無理に続ける】
《説明》人間関係の築き方は人それぞれです。多くの人と賑やかに過ごすことが好きな人もいれば,2〜3人の少人数でのんびり落ち着いた雰囲気で過ごすことを好む人もいます。また,会話の中で出る話題1つをとっても「この人は気難しい話ばかりで疲れるな」「悪口やネガティブな発言ばかりで憂鬱な気分になる」と感じることもあるでしょう。このように自分に合わない人間関係を無理に築いたり続けていたりすると,気を使いすぎてしまい心が疲弊してしまいます。無理をしなければ関係が続けられない人とは,挨拶程度の関係に止め,適度に距離を置くことも大切です。

※私たちが幸せに生きる上で配慮したいポイントは,自分を価値ある存在と自覚しても,そのままに相手に同じであることを期待しないことです。人はそれぞれであり,気の合う人とつながりを維持していく選択が肝心です。関係に濃淡があっても,それがお互いに許容できていれば支障はありません。人は万人とつながってはいられないのです。その現実をとりあえずは受け容れて,心穏やかに暮らしていくのが生きる知恵でしょう。《WHAT》

【5.ダラダラと目標を持たずに過ごす】
《説明》何も考えずのんびりと過ごす時間は大切です。しかし,常に目標を持たずにダラダラと過ごしていると,心のどこかで「自分はこれでいいのだろうか」「怠けている気がして自己嫌悪を感じる」といったネガティブな感情に引きずられやすくなります。目標と聞くと,大きなゴールを達成しなければならないと思いがちですが,実際は,日々の暮らしの中に落ちている小さなタスクも目標になり得ます。何も考えずに過ごすのではなく,日々「今日はこれを片付けよう」「前から気になっていたこれをやってみよう」など,小さなタスクややりたいことリストを作り,それらを意識して行動するだけでもポジティブな気持ちになれたり達成感を覚えたり,時には自分を知ることにもつながります。

※私たちが幸せに生きる上で配慮したいポイントは,日々何かを目指し何かをし終えたという生きている目盛を刻むことです。人の生きている実感とは,何らかの行為をしたという記憶とつながっています。自分にできることは何かを考えると,自分の存在が自認できます。自分に期待されていることをすれば,自分の存在を誇りを持てます。生きる目標があることで,人生を歩んでいるという喜びが湧いてきます。《WHY》

【1.自分の悪い部分や不出来な部分ばかり見る】
《説明》自己肯定感の低い人によく見られがちなタブーに,自分の悪い部分や不出来な部分ばかりを見てしまい,自分で自分を落ち込ませてしまう行為が挙げられます。人は誰しも得意不得意があり,時には失敗することは当然です。こうした経験を経て,人間は成長し,自分を知ることにつながります。しかし,自分の悪い部分や不出来な部分ばかりを見て,自分を過剰に責めてしまうと,より自己肯定感が下がってしまい,自分に自信が持てず鬱々とした気分が増幅してしまう原因になるのです。自分を省みて悪い部分を正すことは大切ですが,同時に自分の良い部分も認めてあげましょう。

※私たちが幸せに生きる上で配慮したいポイントは,日常で出会う様々な経験を前向きに捉えることです。うまくいかない局面に出会ったとき,いやなことがあったとき,先が見えずに不安になるとき,それをチャンスと認識するように発想の転換をします。状況がよくなる端緒に向き合えていると考えると楽しくなるはずです。転んでもただでは起きない,ということです。なんとかなる,なんとかできるかもと,楽観するという楽しみを持ちましょう。《HOW》

○以上,私たちが幸せに生きる上で配慮したいポイントは,もう一人の自分が自分の幸せを求める姿勢を保つようにすることです。人が生きるということは,生きる営みを楽しむことです。一時の苦労があっても,先を目指していれば,日々に楽しさを感じることができます。
 幸せに生きるためのポイント7つを「生きる羅針盤」に対応させてもらいました。これまでの対応事例と同じように,あまり違和感もなく整理をすることができているはずです。それぞれの想定している世界観における具体的な表現は違っていても,人が思い至る幸せに生きる境地は本質的に同じ構造になっているようです。それぞれを別個にしておかずに,まとめていく作業から,人の生き方について深い理解が得られるのではないかと期待しています。

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 社会に真剣に向き合って生きていくことは,人として誰もが願っていることです。ただ人には本能から派生する弱さもあります。その弱さを押し込めていく意思が必要になります。そしてその意思は目標を必要とします。それが羅針盤なのです。
 人としてすべきことから外れないようにすることは大事であり,それは誰にとってもできることであり,気持ちの良いものです。しあわせは誰かだけにあるのではなく,皆に同時にあるものです。権利を守る,言葉は堅く響きますが,人として生きていく自然な姿であればいいのです。

(2026年05月03日)