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【生きる羅針盤の提案(68):嫌言8選】
人権宣言等から導き出した「人権羅針盤」は,人権という言葉が目指すものに言い換えると人が穏やかに生きるための羅針盤と考えなければなりません。だからこそ,先に示した子どもの育ちを考える羅針盤としても有効になることができたのです。ここでは,「生きる羅針盤」としての様子を描き出しておくことにします。ふと立ち止まって,「生きるとは?」という疑問に出会った際に,その思考のお手伝いができたら幸いです。
「私が生きる羅針盤」を考える第68版です。悪気はなくても,無意識に出てしまう言葉が相手を傷つけることがあります。言葉は一度発すると取り戻すことは難しく,場合によっては取り返しがつかないほどの人間関係の悪化につながることもあります。人との関係を壊してしまう絶対に避けるべき言葉を、日常生活でつい使いがちなセリフごとに紹介している記事がありましたので,生きる羅針盤に参照してみました。
※参照先の「人に絶対言ってはいけない『嫌われる言葉』8選!つい言いがちなNGワード集」は
こちらです。
【5. 「みんなやってるよ」】
《説明》相手を同調させるために使われるこの言葉は,相手の意見や考えを尊重していない印象を与えます。相手は無理やり押し付けられた気持ちになり,自己決定を奪われたと感じます。相手の意見や感情を尊重したコミュニケーションを心がけましょう。
代わりに使いたい言葉:「あなたはどう思う?意見を聞かせて。」
※私たちが良好な人間関係を築いていく上で配慮したいポイントは,たとえ相手の決断した結果が違っていても,決断することを問答無用と奪う行き過ぎはしないことです。相手の決断に至った判断の中に,折り合いを付ける余地があります。状況の共通理解を図っていけば,判断の共有を勧めることができます。自分で決断するというお互いへの尊重が必須です。《WHO》
【4. 「自慢じゃないけど…」】
《説明》謙虚さを装ったこの表現は,実は相手に自慢話として伝わってしまうことがほとんどです。周囲に嫌な印象を与えるだけでなく,「自己中心的で話しづらい人」という印象を持たれてしまいます。自慢話になりそうなときは,相手の興味に配慮して謙虚さを忘れないことが大切です。
代わりに使いたい言葉:「実は最近こんな経験をしたんだ。あなたはどう?」
※私たちが良好な人間関係を築いていく上で配慮したいポイントは,あからさまに優劣感を押しつけないことです。対等な関係であれば,お互いを尊重しようとし合えるはずです。協調できる関係からは,よい結果が生まれるはずです。そのことを誰でも期待しているはずです。それぞれの経験が違うことから,持ち合わせている知恵の種類が異なります。だから,合わせると広い視野で物事を理解することができるようになります。《WHERE》
【1. 「そんなこともわからないの?」 】
《説明》この言葉は相手の理解力や能力を低く見ている印象を与えます。特に職場や学校など,立場が違う相手に対して使うと相手の自信を奪い,ストレスを与えてしまいます。自分にとって簡単なことでも,相手には難しい場合もあります。理解を助ける気持ちで接することが大切です。
代わりに使いたい言葉:「どこがわかりにくかった?もう少し詳しく説明するね。」
※私たちが良好な人間関係を築いていく上で配慮したいポイントは,お互いを理解しようと気配りをすることです。人は違っているので,物事の理解もそれなりのクセがあります。理解の深みも違うので,話していてレベルの違いも現れる可能性もあります。それが分かると,補正をすればいいだけのことです。理解の程度に現れる違いを責めるのではなく,理解を深めれば済みます。責めることでは違いは解決しません。対話を重ねればいいのです。《WHEN》
【8.「もういいよ,自分でやるから」】
《説明》この言葉は相手の行動や能力を完全に否定し,見捨てたような印象を与えます。言われた相手は深く傷つき,「自分は必要ない」と感じるようになってしまいます。誰でも最初から完璧にできるわけではありません。寛容に受け止め,励ます言葉を添えるようにしましょう。
代わりに使いたい言葉:「ありがとう,ここからは自分が引き受けるよ。」
※私たちが良好な人間関係を築いていく上で配慮したいポイントは,お互いに協働できる関係にあることの確認です。それぞれにいてくれて助かる,いなければならない存在,という認識を持てる関係が望ましいと思われています。相手のしていることを否定してしまうことは,今時はハラスメントになりかねません。たとえ修正ややり直しが必要であっても,引き継ぐという形で受け入れることが,関係を維持する対応となります。《WHAT》
【7.「記憶違いじゃない?」】
《説明》相手の記憶や認識を疑うようなこの言葉は,相手の信頼を大きく傷つけることがあります。場合によっては,相手を操作しようとしている印象を与え,信頼関係が崩れる原因になります。互いの認識が違ったとしても,まずは相手の話を聞き,穏やかに確認することが重要です。
代わりに使いたい言葉:「自分の記憶と少し違うけど、もう一回確認してみようか。」
※私たちが良好な人間関係を築いていく上で配慮したいポイントは,相手との認識の違いをいきなり責めるのではなく,双方の認識を確かめるという共同作業に持ち込むことです。そのことで,認識の違いが何故起こったのか,その理由が見えてきて,修正が可能になります。認識の違いがあると,先の成り行きが取り返しの付かないことにもなりかねません。早めの対応をする,そのことが先行きへの安心にもつながります。《WHY》
【2. 「だから言ったでしょ」】
《説明》この言葉は相手が失敗したことを強く責めるように聞こえます。失敗は誰にでもあるものです。この言葉を使うと,相手は次回以降に意見を出したり挑戦したりすることを避けるようになり,結果的に成長や改善の機会を失います。
代わりに使いたい言葉:「どうしたら次はうまくできるかな?一緒に考えよう。」
【3. 「それぐらい簡単だよ」】
相手の苦労や努力を軽く見るこの言葉は,意図せずに相手の自尊心を傷つけます。あなたにとって簡単でも,相手にとって難しいことはあります。相手が努力していることを理解し,気持ちに寄り添う姿勢を見せることが重要です。
代わりに使いたい言葉:「難しいよね、何か手伝えることはある?」
【6.「いつもそうだよね」】
相手が何か失敗した時に,「いつも」という言葉を使うと,相手の過去まで否定した印象を与えます。これが繰り返されると,相手は自己肯定感を失い,自信がなくなってしまいます。一度の失敗はあくまでその時点のものです。過去の失敗を持ち出さず,今回の問題に集中することが重要です。
代わりに使いたい言葉:「今回は何が難しかったのかな?どうすれば改善できるかな?」
※私たちが良好な人間関係を築いていく上で配慮したいポイントは,相手が失敗や不都合をしたときに,ことさらに言い立てたり,馬鹿にしたり,見捨てるようなことはしないことです。なんとかなる,なんとかしようと前向きに対処する態度を保つことです。自分なら簡単に処理できると思って,できない相手を貶める用では,良い関係は生まれません。支え合うという対応こそが,明日を迎える姿勢なのです。もったいぶらずに教えればいいのです。《HOW》
○以上,私たちが良好な人間関係を築いていく上で配慮したいポイントは,もう一人の自分が自分と相手を共に生きていく者と認識することです。お互いの存在の独立性は尊重しながら,協力し合っているということを共通理解するように意識的に配慮します。言わなくても分かるという手抜きはせずに,あらゆる局面で同じ道を歩いているつもりで、確認し合っていきます。
良好な人間関係を築くためのポイント8つを「生きる羅針盤」に対応させてもらいました。これまでの対応事例と同じように,あまり違和感もなく整理をすることができているはずです。それぞれの想定している世界観における具体的な表現は違っていても,人が思い至る幸せに生きる境地は本質的に同じ構造になっているようです。それぞれを別個にしておかずに,まとめていく作業から,人の生き方について深い理解が得られるのではないかと期待しています。
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社会に真剣に向き合って生きていくことは,人として誰もが願っていることです。ただ人には本能から派生する弱さもあります。その弱さを押し込めていく意思が必要になります。そしてその意思は目標を必要とします。それが羅針盤なのです。
人としてすべきことから外れないようにすることは大事であり,それは誰にとってもできることであり,気持ちの良いものです。しあわせは誰かだけにあるのではなく,皆に同時にあるものです。権利を守る,言葉は堅く響きますが,人として生きていく自然な姿であればいいのです。
(2026年05月24日)
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