*** 子育て羅針盤 ***

〜 《Ver.104 from No.1344》 〜

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「子育て羅針盤」:第1352号
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[2026/08/31]
【子 育 て 羅 針 盤】
(第1352号)
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★子育ち12権利
【第9権利:お子さんは,自分の弱さを認めますか?】
《V104:WHY-01》
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《子育ちは 弱い自分を どう生かす》

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《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,こどもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という5W1Hの問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の視座が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第104版では,子どもが人としての権利を育てていく上で,大人が寄り添っているときに,見届けておくべき状況を確認できる12の自問を設定してみました。その構成はこれまでと同じく,奇数号では子どもの「私の育ち」を,偶数号では「私たちの育ち」という配置をします。私の育ちだけに意識が向くと,私たちという社会性に基づく仕合わせな育ちが疎かになります。あちらこちらで人のつながりに欠陥が見られる現状は,私たちによる育ちから得られる「私たち」という意識が未熟だからです。そのことに注目して,羅針盤を手元に設定していただくようにお願いいたします。

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 《「自分の弱さを認める」ということについて説明が必要ですね!》

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 ○明るく元気な子?

 ネクラな姉がネアカな妹を刺した事件がありました。姉は周りからネクラでは生きられないと言われ続けていました。自分がネクラに見えるのはそばにネアカな妹がいるからと思いこみ,妹さえいなくなればと追いつめられていきました。自分の存在を脅かす妹を消すことで,ネアカという圧迫を回避しようとしたのです。

 ネクラなどとは相対的なもので,たとえネアカであったとしてももっとネアカな者のそばに行けば,ネクラに見えてしまいます。その上,ネクラであって何がいけないのでしょうか? 人に可愛がられないとか,人との関係が結びにくいといった心配があるのでしょうが,それほど気に病むほどのことではありません。

 教室の前の壁に「明るく元気な子」と大書してあります。ネクラで弱い子は毎日それをどんな思いで見ているのでしょうか? 明るく元気でない子は仲間ではないといった雰囲気がある中で,登校する気持ちに水を差されていきます。保健室なら登校できます。なぜなら,そこは弱い子だから温かく迎えてくれる場所だからです。

 簡単になれそうもないことを無理強いすることは間違っています。ネクラであっても弱くてもいいんだと,徹底的に認めてやるのが家庭です。学校教育の目的は元気な子とそうでない子達がどうすれば仲良くやっていけるかを学ぶことです。決して弱い子を元気にする病院ではありませんし,ましてや仲間はずれにするようなあくどいことなどもってのほかです。

・・・明るく元気な子の目的化には,陰湿な暴力性が潜んでいます。

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 ○得手不得手?

 ヒロシ君が算数のテストで80点でした。答案を見てママが「お隣のカズミちゃんは?」と尋ねました。「90点」と答えると,すかさず「ダメじゃないの,もっとしっかりしなくちゃ」とにらまれてしまいます。「でも,タカシ君は60点だったよ」と小さな声でつぶやいたときです。ママは「人のことなどどうでもいいの」と追い打ちです。

 班学習で担当分ができなかったとき,「みんなが迷惑する」と責められます。自分のことは自分で責任を持ちなさいというわけです。みんなが決めたことが絶対的な束縛になって締め付けてきます。その息苦しさから,学校への道は遠のいていきます。班学習とは各自が単に公平に分担するということではなくて,班全体として何事かをやり遂げる協力が目的のはずです。得手不得手のある仲間が集まってお互いをカバーし合うということです。

 自分のことは自分ですべきという束縛が強すぎると,何でも自分でできなければならなくなります。みんな同じに育つということは,個性を殺すことです。一人ひとりが持ち味を出すことが個性であるなら,そこには得手不得手や,強さ弱さが必然として現れるはずです。弱い人がいるからこそ,個性を発揮できる場が用意されます。お互い様という関係です。

 できない子がいると皆の足を引っ張るという発想法は不健全です。なぜなら,それは競争社会のルールだからです。大人であればそこそこに対応できるから必要上採用されているに過ぎません。子どもにそのルールを持ち込んだら,子どもは育てません。人を責め責められることを教えるよりも,もっと大事な支え合うことを先に教えておかなければならないからです。順序を間違えたら,育ちはいびつになります。 

・・・弱さを負の価値にしたら,やる気を奪います。

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 ○生きる喜び?

 人の一生は弱い赤ちゃんにはじまり,年老いて弱くなって終わります。社会生活は強くなければ務まらないというのが一般的なイメージです。ですから,子どもは学校に,お年寄りは施設にとちょっと脇にどけておくようになります。手が掛かるから子どもは要らないという気分に流され子どもは激減し孤独を押しつけられ,他方では長寿になって年寄りが増えて大変だという声をお年寄りは肩身の狭い思いで聞いています。

 弱い者が気兼ねをしない社会が心豊かな社会ですが,実際には心貧しい社会ができようとしています。それが子育てに反映してきたために,子どもを育てなくしています。弱くてはいけない,弱さをマイナス価値と断罪する非情さの前では,子どもはひとたまりもありません。自衛手段として,子どもは自分の弱さを否定して自惚れてしまい幼児のままで育ちを停止したり,弱さを拒否して自暴自棄になり社会に反逆しています。

 自分の弱さから目を背けたら,人の弱さが見えなくなり,暴君になります。優しさは自分の弱さを知っているからこそ発揮できます。弱いからこそ弱い者同士で社会を営んで生きてきたのがヒト社会です。自分が弱いと自覚してはじめて,育ちへの意欲が生まれます。自分は強い大人だと思ったときに,成長は止まります。未熟さを容認することが自己実現のスタートラインです。ソクラテスの語った自分の無知を知れという言葉も同じ意味です。

 生きる喜びや意欲は,「自分は今弱いんだ」ということを容認した上で,助け助けられる温かさを感じ取り,弱くてもできることがあるという存在感を実感し,明日になったらちょっとだけいいことがあるという期待を持ち続けることです。「ちっちゃい自分でもママのお手伝いができた」というささやかな喜びが日々の暮らしにちりばめられていたら,子どもは自然にすくすくと育ちます。

・・・弱いという自覚があるから,生きる喜びが持てるのです。

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 《弱さを認めるとは,育ちを喜ぶことです。》

※二人のお嬢さんをお持ちのパパが,話してくれました。「娘が風呂に入っているときに,たまたま隣の洗面所に行くと,風呂場の鍵がカチャッと閉まる音がする」と,寂しそうでした。昔のオヤジであれば,「色気づいてきやがって」とうれしさ半分かもしれません。何も娘の裸を覗くつもりなどさらさら無いにしても,警戒されたことが悔しかったのかもしれません。

 娘さんにすればパパが冗談に開けたりするかもとか,知らずに開けるかもしれないと気遣ったのかもしれません。恥ずかしいという思いが用心させるのはいたって自然です。パパは娘さんが出会う最初の親しい男性なのですから,予行演習をしています。かくあるべしということではなくて,ほほえましい親子の情景の一つです。恥ずかしさを感じることも弱さの一つだからです。

 【質問9:お子さんは,自分の弱さを認めますか?】

   ●答は?・・・もちろん「ハイ」ですよね!?

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☆次号予告☆
【子育ち第10権利:お子さんに,明日を楽しませてますか?】
どうぞお楽しみに!

 異年齢集団の役割は,年上の子に比べて自分たちが弱いことを知り,年下の子に対しては強いことを自然に納得します。弱くてもそれなりにつきあっていけること,強いものが弱いものをかばってやらねばならない優しさを身につけていきます。きょうだいのいない今の子は,同じ年の子どもとだけつきあっているので,強さも弱さも自覚できません。年上の子との大きな差ではなく,同じ年の子との小さな差異にとらわれています。50円玉や100円玉は10000円札に比べたら同じようなものという弱さの尺度が失われているのです。

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★落書き★

 ダスキンは,1964年にはじめて家庭用化学ぞうきんを発売しましたが,これを切っ掛けに社名を「株式会社ぞうきん」に変えようとしました。社員たちが猛反対。ぞうきんの英語「ダストクロス」「ダステックス」のダスと,「ぞうきん」「ふきん」にキンを合わせて「ダスキン」という社名が誕生しました。

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●タイトル:『子育て羅針盤』 [Kosodaterasinban]
●発行期日:毎週月曜日正午(2000年09月25日より)
●発行責任:モリのクマさん(HP「徒然窓」〜プロフィール参照)
  「徒然窓」= http://www5a.biglobe.ne.jp/~mbear 
  「連絡先」= mori-bear※mvd.biglobe.ne.jp (※を@に変更)
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