*** 子育て羅針盤 ***

〜 《Ver.101 from No.1305》 〜

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「子育て羅針盤」:第1305号
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[2025/10/06]
【子 育 て 羅 針 盤】
(第1305号)
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★子育ち12試問
【第1試問:お子さんは,自分事を自分で決めていますか?】
《V101:WHO-01》
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《子育ちは 自分を生かす もう一人》

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《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,こどもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という5W1Hの問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第101版では,子ども自身や親が育ちの確認をしていくときに,状況を分析するキーワードとなる12の試問を選んで育ちを検討していくことにします。その構成は,奇数号では「私の育ち」を,偶数号では「私たちの育ち」という配置をします。私の育ちだけに意識が向くと,私たちという社会性に基づく仕合わせな育ちが疎かになります。あちらこちらで人のつながりに欠陥が見られる現状は,私たちという育ちから得られる「私たち」という意識が未熟だからです。そのことに注目して,羅針盤を手元に設定していただくようにお願いいたします。

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 《「自分で決める」ということの意味について説明が必要ですね!》

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 〇「我思う,故に我あり!」

 大変哲学的な言葉ですが,要するに「私があれこれ考えるから,私がいる」ということを言った人がいました。古い言葉を持ち出したのには訳があります。最近の青少年の犯罪は訳が分からなくなっています。何かがおかしくなっていると思うのは親ばかりではありません。どうもここ十数年の子育てがどこか間違っていたのではないかと感じられ,その手がかりをつかみたいと思っているからです。順を追って考えてみましょう。

 話材としては少しきついですがしばらく耐えていただいて,「自殺」という言葉を取り上げます。自分を殺すというのですから,殺人です。犯人がいるはずです。犯人は誰でしょう? 犯人は「もう一人の自分」です。自分が自分を殺すのです。「お前は生きていてもいいこと無いよ」と引導を渡すのは,「もう一人の自分」です。もちろん,死んではいけないと止めるのも,もう一人の自分です。

 冒頭の言葉は,「もう一人の自分がいるから,自分という者がいる」と言い換えることができます。

 ・・・子どもにも「もう一人の子ども」がいると類推できますね。

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 〇鏡の向こうにいる人は?

 視聴者からの投稿ビデオを放映するテレビ番組で見たひとこまです。ショートケーキを頬張る2歳の女の子が主人公です。口の周りにクリームをくっつけています。画面脇から鏡とティッシュペーパーが渡されました。女の子は鏡をのぞき込み,ティッシュで鏡を拭きはじめました。鏡に映っている女の子の口周りにクリームがついているからです。その子が自分だと分からないのです。自分を見る「もう一人の自分」がまだ誕生していません。

 赤ちゃんから育っていくと,やがて物心がつくようになります。このとき「もう一人の子ども」が誕生していると考えて,「第二の誕生」と呼んでおきます。具体的には,それまで子どもと密着をしていた母親が,ときどき離れていきます。同体であった母親が分離することで,残された自分に気づかせられます。誰が気づくかといえば,そこで誕生した「もう一人の自分」です。鏡の中の自分が分かるようになります。

 この気持ちの上での分離は「第二の出産」に相当し,父親の参加が不可欠です。父親の出番ですが,それは母親を妻に引き戻す夫としての魅力を発揮することです。母親がときどき離れていく先にいる「アイツは何者?」と父親の存在を意識するようになり,父親と自分を対比することで自分意識が芽生えていきます。このように母子間の第二のへその緒を断つのは父親なのです。もちろん蛇足ですが,夫婦で子どもを邪魔にすることとは違うということは分かっていてくださると思います。

 ・・・夫婦仲良くすることが,第二の出産を自然分娩にします。

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 ○子どもの可能性を引き出すのは誰?

 子育てが子どもの可能性を引き出す営みであることは知られています。ところが大事なことが案外と見落とされています。それは誰が可能性を引き出すのかという点です。なんとなく親や先生が可能性を引き出してあげるんだと思っていますが,思い違いです。子どもの可能性を引き出すのはもう一人の子どもなのです。

 子どもたちの望みは「ゆっくりしたいこと」という調査がありました。口癖は「疲れた」です。ちょっと何かをさせてもすぐ疲れます。親ははがゆい思いで尻を叩きます。なぜ疲れるのでしょうか? それは「させられること」だからです。しなければならないと追い立てられるからです。人に言われてすることは疲れるものです。では疲れないときはどんなときでしょう。「もう一人の自分」がしようとするときです。しなければならない授業は疲れ,したいと思ってする遊び時間は疲れません。親はあまりにさせようとし過ぎていませんか? 遊びが大切だという意味は,もう一人の子どもを目覚めさせるからです。

 子どもは甘える生き物です。我慢や忍耐が苦手です。我慢しなさいと命じて我慢させます。無理矢理ですから,何とか逃げ口上をひねり出そうともがきます。しまいには親は自分のことを分かってくれないと邪推しかねません。「我慢しようね」ともう一人の子どもに訴えるように語りましょう。言われてするのではなく,もう一人の自分が我慢しようと決めるようにし向けるのです。忍耐力が無いというのはもう一人の自分が育っていないからです。

 自立とは自分が立つと書きますが,立たせるのはもう一人の自分です。きついな,イヤだな,こわいな,面倒だなという自分の思いを,もう一人の自分ができることはやってみようと決めて,自分の可能性を引き出すことが育ちです。自分を信頼できるようになることが自信をもつということです。自分が信じられなくて自信は持ち得ません。懸命に生きている自分をもう一人の自分が喜ぶように,親がほめて手助けをしてやることが育てることです。

 ・・・指導と干渉の違いは,もう一人の子どもの決定権の有無です。

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 《自分で決めるとは,もう一人の自分が育つという意味です》

 ○親が決めてやっていると,成功しても親の成功,失敗しても親の失敗,すべてが親のせいとなって,子どもは何も得るものはありません。もう一人の子どもは自らの存在を誇示したくなり,とんでもないことを考え,しでかしたい衝動に向かわせます。

 【試問1:あなたのお子さんは,自分事を自分で決めていますか?】

   ●答は?・・・どちらかと言えば「イエス」ですね!?

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☆次号予告☆
【子育ち第2試問:お子さんは,他者の目で自分で見ていますか?】
どうぞお楽しみに!

 子育て羅針盤についての説明の初版を整理採録していますので,最近の版に比べると少し長めになっていますが,いかがですか? 子どもの育ちに寄り添うために必須の12ポイントを定義していきますので,ゆっくりと確認をしてみてください。
 因みに余談ですが,この子育てのために構築した羅針盤ですが,構造を豊かにして「人権羅針盤」「しあわせ羅針盤」として使えるようにバージョンアップをしてHPに紹介をしています。子育てを含めて人として生きていく上での羅針盤になっていくように願っています。

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★落書き★

 暑い夏の名残も終わりそうです。冷たいものが欲しいと口にすると,キーンと頭痛がしました。原因は二つあるそうです。冷たいものを食べて喉が冷やされると,身体が体温を維持しようと血流量を増やすために血管が拡張して頭痛が引き起こされるというもの。もう一つは,主に顔の知覚を司る三叉神経が冷たさと痛さを混同し,痛みとして脳に伝達されるというものです。この頭痛は,アイスクリーム頭痛と呼ばれて,医学書にも掲載されています。

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●タイトル:『子育て羅針盤』 [Kosodaterasinban]
●発行期日:毎週月曜日正午(2000年09月25日より)
●発行責任:モリのクマさん(HP「徒然窓」〜プロフィール参照)
  「徒然窓」= http://www5a.biglobe.ne.jp/~mbear 
  「連絡先」= mori-bear※mvd.biglobe.ne.jp (※を@に変更)
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