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[2026/08/24]
【子 育 て 羅 針 盤】
(第1351号)
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★子育ち12権利
【第8権利:お子さんに,生きる力を見せてますか?】
《V104:WHAT-02》
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《子育ちは 生きる力に 生かされて》
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《まえがき(毎号掲載)》
子育て羅針盤では,こどもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という5W1Hの問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の視座が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
この第104版では,子どもが人としての権利を育てていく上で,大人が寄り添っているときに,見届けておくべき状況を確認できる12の自問を設定してみました。その構成はこれまでと同じく,奇数号では子どもの「私の育ち」を,偶数号では「私たちの育ち」という配置をします。私の育ちだけに意識が向くと,私たちという社会性に基づく仕合わせな育ちが疎かになります。あちらこちらで人のつながりに欠陥が見られる現状は,私たちによる育ちから得られる「私たち」という意識が未熟だからです。そのことに注目して,羅針盤を手元に設定していただくようにお願いいたします。
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《「生きる力を見せる」ということについて説明が必要ですね!》
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○最低限のルール?
皆さんは法律の勉強をしたことがありますか? 社会生活上で「してはいけないこと」が決めてある刑法などを読んだことのある人は少ないでしょう。それなのにみんな平気で暮らしていますね。法律など無縁なものとしていて,大丈夫ですか? どうして法律を知らなくても暮らせるのでしょうか?
法による禁止事項は行動の赤信号です。犯せば罰せられます。ところが,普通は行動の黄色信号で停止しています。「人に迷惑を掛けないように」という信号です。法のご厄介になる前にブレーキを踏んでいるから,法を知らなくても暮らしていけるのです。もし人の迷惑が見えなくなったり無視したりしていると,そのときは法に触れるようになります。触法少年ということで補導を受けます。
人に迷惑をかけないように暮らそうとしても,少しの迷惑はかけてしまいます。そこで「済みません」と謝罪をしたり,「ありがとう」と感謝をします。お互い様という暮らしが営まれていきます。子どもにも,「アリガトウは?」と促して,しっかりとしつけます。アリガトウが言える素直ないい子が育っていきます。ここまではいいのですが,・・・。
問題が二つ出てきます。一つは「迷惑を掛けなければ」という甘えです。知った人の誰にも迷惑をかけていないという逃げ道を見つけてしまいます。その逃げ道はやがて知らない人には平気で迷惑を掛けるわがまま道になります。「関係ないだろ」と人間関係を拒否する言動はその病状です。バス・電車のなかで騒ぐ子どもも,人の迷惑に対する感度が鈍っています。生きる力を包み込むマナーやエチケットという言葉が置き去りにされています。
・・・迷惑をかけないルールは必要ですが,十分ではありません。
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○美しい言葉?
アリガトウは最も美しい日本語だと言われています。だから,「アリガトウ」と言える子どもは誰もが素直ないい子だと思っています。しかし,この言葉は美しいが故に棘を潜めています。その棘は「受け取る(テイク)」ときの言葉だということです。
子どもたちの非行,例えば,万引き,自転車盗,恐喝,おやじ狩り,窃盗などは,いずれも盗ること,取ること,つまりテイクする行動を相手に対して優先しています。闇のルールに従っています。その上,そのことに対して間違っているとか,悪いといった意識が希薄です。実は,そのように育てられてきたからです。その秘密は,鼠小僧が盗んで帰る際に言い捨てる「アリガトウ」という言葉にあります。金品を受け取る恐喝者も「アリガトウ」と言っています。
子どもは生まれて以来ずっと,親や周りの大人からあれこれ世話を受けて育ちます。ご近所の方からお菓子を頂くこともあるでしょう。そんなとき親は「アリガトウは?」としつけをし,きちんとお礼が言える素直なよい子に育ちます。子どもは保護される立場であり,面倒をみるのが大人であるという思いこみが,知らないうちに大事なことを見落としてきました。
子どもはあれこれ欲しいものが出てきても,ただおねだりするだけで待っていることしかできません。思い通りにならなくなってくると,やがてテイクできる獲物を親以外に探すようになります。テイクすることしか知らないので,店や他人から取ってしまいます。そうすれば素直にアリガトウと言えるからです。本当は子どもの方が「親の言うように育ってきたのにどうして?」と迷っているはずです。早く救い出してやりましょう。
・・・アリガトウは,使い方を間違えると闇への切符になります。
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〇心の豊かさ?
人間関係は二人の人から成ります。アリガトウは待っている言葉ですから,関係をつくり出すことはできません。出会っていきなりアリガトウはあり得ませんね。狭い道で他人同志が行き会ったとき,ドウゾと譲る人がいるから,アリガトウと感謝し,人の関係が成立します。ギブアンドテイクを思い出してください。「ギブするときドウゾ」と言い,「テイクするときアリガトウ」となります。
英語で「プリーズ」とは,相手を喜ばせるという意味があります。ドウゾと相手に喜びを与えることが先です。これが表社会のルールなのです。自分ができることを相手にドウゾと提供すること,それが「力を生かす」ということです。繰り返しますが,テイクするために用いられる力は,闇の力であり,力の無駄遣いだけに留まらず,封じるべき力なのです。
子どもには,アリガトウとドウゾをセットにして教え,ドウゾが先なんだとしつけなければなりません。ドウゾと言える子は非行と無縁になります。本当にいい子とは,ドウゾが使える子どもです。ドウゾという言葉は,優しく思いやりのある子どもにしつける魔法の言葉です。同時に,誰に向けても自分から働きかけることができますから,自発性や積極性にもつながっていきます。
ものの豊かさがアリガトウの豊かさなら,心の豊かさはドウゾの豊かさです。イギリスには「牛乳を飲む人よりも,届ける人が健康になる」という俚諺があるそうです。人にドウゾと行動することが,ひいては自分の幸せへの道になります。福祉もボランティアも平和も善意も,あらゆる善いことは,喜びを与えるドウゾから始まります。どちらの豊かさがお望みですか?
・・・ドウゾが表社会のキーワードだと思い出しましょう。
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《力を生かすとは,人をドウゾと喜ばせることです。》
※アリガトウという言葉が美しいのは,ドウゾの善意を温かく包み込めるからです。ボランティア活動で子どもたちがお世話をしたお年寄りからアリガトウと言われて,とても優しい気持ちになれたと喜んでいます。人の心が通い合う素晴らしい体験をしています。
年長者が若者にアリガトウと言うことで,若者にドウゾの心を芽生えさせます。アリガトウは人を育て,生かす言葉なのです。年を取って人は弱くなります。子どもや孫の世話になり,アリガトウと言う立場になります。そのことがドウゾという心を後生に遺していきます。お年寄りのいる環境は大切なしつけをしてきたのです。核家族のママは大変ですね。
【質問8:お子さんに,生きる力を見せてますか?】
●答は?・・・もちろん「ハイ」ですよね!?
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☆次号予告☆
【子育ち第9権利:お子さんは,自分の弱さを認めますか?】
どうぞお楽しみに!
非行を犯した子どもは,親から「アリガトウ」と言ってもらったことがないと語ります。表社会のルールを教えられてこなかったという直感は的を射ています。大人がアリガトウと言えば,子どもは自然にドウゾと言えて,その喜びを体験できます。ママが喜んでくれたということほど,子どもをやる気にさせることはありません。表社会のルールはお互いを清々しい気持ちにさせることができるからです。
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★落書き★
マンホールの蓋は丸いのが当たり前ですが,いくつかの理由を知っていますか? 最も大事な理由は,どの向きにしても落ち込む心配がないからです。四角や三角の蓋なら,対角線上に置くと,穴の中に落ち込みます。また,丸い蓋は、重ければ転がして動かせますし,角がないから欠けることもありません。蓋を閉めるときにも,わざわざ穴の形に合わせる必要もないという利点があります。身の回りの物,それぞれ理由があるのです。
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●タイトル:『子育て羅針盤』 [Kosodaterasinban]
●発行期日:毎週月曜日正午(2000年09月25日より)
●発行責任:モリのクマさん(HP「徒然窓」〜プロフィール参照)
「徒然窓」= http://www5a.biglobe.ne.jp/~mbear
「連絡先」= mori-bear※mvd.biglobe.ne.jp (※を@に変更)
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