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[2026/08/17]
【子 育 て 羅 針 盤】
(第1350号)
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★子育ち12権利
【第7権利:お子さんは,自分の能力を出しますか?】
《V104:WHAT-01》
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《子育ちは 持てる力を 他の役に》
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《まえがき(毎号掲載)》
子育て羅針盤では,こどもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という5W1Hの問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の視座が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
この第104版では,子どもが人としての権利を育てていく上で,大人が寄り添っているときに,見届けておくべき状況を確認できる12の自問を設定してみました。その構成はこれまでと同じく,奇数号では子どもの「私の育ち」を,偶数号では「私たちの育ち」という配置をします。私の育ちだけに意識が向くと,私たちという社会性に基づく仕合わせな育ちが疎かになります。あちらこちらで人のつながりに欠陥が見られる現状は,私たちによる育ちから得られる「私たち」という意識が未熟だからです。そのことに注目して,羅針盤を手元に設定していただくようにお願いいたします。
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《「自分の能力を出す」ということについて説明が必要ですね!》
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○力の基本形?
力として最も身につまされているのは,金の力です。力の例題として考えてみましょう。お金は有るところから無いところに動くときに,力が発生します。お金持ちとはお金を使う人のことで,溜め込んでいる人はただのケチにすぎません。水も流れるときに力を生みます。つまり,力とは何かが高い方から低い方に動くときにしか現れません。何かが減ること,つまりお金の出し惜しみをすれば無力なのです。
同じように,知力は知識がある所から無い所に向けて使われるときに現れる力です。簡単に言ってしまえば,無い所を潤すこと,他の役に立てるときに力が出てきます。「力を出せ」と言いますね。外に向かって持っているものを出せる,出せるものを身につける,その総体が能力です。ちょっと抽象的な説明になってしまいました。
学校と塾の違いを考えてみましょう。勉強して知識を蓄えるところまでは同じです。塾では試験をして自分の点数のために知識を答案用紙に向けて出させます。友だちは競争相手ですから,自分の知識の量を秘密にします。「昨日はゲームで遊んじゃって,全然勉強してない」とか言って,友だちを牽制したりします。学校では,分からない友だちに教えるように指導されます。持っているものをケチらないので,人間としての本物の能力が育ちます。
家庭で,ママの手伝いをすることができるのにそっぽを向いている子どもには,能力は育っていないと言うことができます。家族の一員として,家庭生活の中で自分にできることが何かを見つけて,手伝おうとすることが能力の意味なのです。「自分のことは自分で」としつけていることでしょうが,それは本番前の準備運動のようなものです。
・・・他に向けて何事かを為そうとすることが力です。
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○力の育ち?
赤ちゃんが育っていくにつれて,「ハイハイができるようになった」,「伝い歩きができるようになった」,「立って歩くことができるようになった」と,「できること」を親は喜びます。やがて言葉を覚えて喋りだすと,「こんなことを言えるようになった」と,親は成長を実感していきます。
前章で,もう一人の子どもは言葉を母乳として成長すると言っておきましたが,話せるのはもう一人の子どもの育ちなのです。言葉を覚えてさまざまなことを知るようになります。つまり知力が身についてきたと考えられます。ここで育ちの見方について注意をしなければなりません。赤ちゃんの時は子どもの能力を見ていますが,おしゃべりについてはもう一人の子どもの知力を見ているということです。大切なことは,知っていることとできることは違うということです。
もう少し説明をしておきましょう。ママがキュウリを薄く切っています。もう一人の子どもはキュウリを包丁で切ればいいことを知っています。ところがやってみるとそう簡単ではありません。パパが釘を打っています。金槌で叩けばいいと知っていても,いざやってみると釘は曲がってしまって打ち込めません。子どもがママのまねをしようとしてうまくできずに悔しがることがありますね。もう一人の子どもが子ども自身をコントロールできないからです。
思いやりの話を知っていても,それを実行できなければ能力とは言えないのです。もう一人の子どもは知っていますが,それを実行できるのは子どもなのです。両方の成長が足並みを揃えなければ無意味です。知っていることは必要ですが,それだけでは十分ではないのです。そのギャップを埋めて自分のできる力にするためには体験するという大切な育ちをしなければなりません。
・・・育ちはできるようになった時が本物です。
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〇できたね?
ここまでに「できる」という言葉がたびたび出てきました。能力を見極める際には目標となる到達点を設定しておかなければならないからです。育ちの場合に気をつけることは,到達点はたくさん用意すべきだということです。高い山に登るとき,一気に頂上を制覇することは不可能です。ベースキャンプを幾重にも設置しますね。
歩行については,つかまって立てた,伝い歩きができた,手放しで立てた,一歩歩いた,5歩歩いた,ちょっと走れた,スーパーまで歩けた,・・・と順を追ってできるようになりましたね。言葉については,「アー」,「マー」,「ママ」,「ワンワン」,「ちょうだい」,「おもちゃ取って」,「今日もパパ遅いね」と,だんだんにお話しができるようになっていきます。
子ども一人ひとりには,その子の育ちのペースがあります。一度や二度の体験でできるようにはなりませんし,ママの目に見える到達点も必ずしも世間並みという一般的なものとは違っていることがあります。また,「こんなこともできないの」というママによる評価は,ほとんどの場合,子どもにとっては理不尽です。「ママは言うだけだからいいよね」と思われていることでしょう。
できるという目盛りがたくさん記されている物差しを,他の子の物差しや,大人の物差しで代用するような手抜きはしないでください。それをすると,我が子ができない子どもに見えてしまいます。誰の子どもでもありません。ママの子どもなのです。我が子の物差しを手作りできるのは,ママしかいません。昔は子どもの背が伸びた印を家の柱に刻みました。我が子専用の物差しがあったのです。同じように,我が子が何が何処まで「できるようになった」か,じっくりと見守ってやって下さい。
・・・できなかったことより,できたことを見届けてやって下さいね。
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《能力を出すとは,人として生きることができるということです。》
※かつては,できることをしないと骨惜しみをするとか,ずるいとか,卑怯だとか言われたものです。今では,なるべくしないで済ませる方がいい,するのはダサイとか,ぶりっ子とか,つまはじきの標的にされます。バカ正直さを笑う育ちがもたらした歪さが,無軌道な世代を産み出し,ひいては治安の悪化を招来しています。
考えられない,意味が分からない犯罪の元は,能力の意味を弁えるための物差しがねじ曲がっているからです。昔,薩摩藩では勉強することを忌避する雰囲気があったそうです。勉強すると逃げ口上がうまくなって,人として卑しくなると思われていました。その直感は当たっていたのかもしれませんね。
【質問7:お子さんは,自分の能力を出しますか?】
●答は?・・・もちろん「ハイ」ですよね!?
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☆次号予告☆
【子育ち第8権利:お子さんに,生きる力を見せてますか?】
どうぞお楽しみに!
ただ単に知ることは教えられれば済みます。万引きはいけないことと子どもでも知っています。こうした知力をどのように使えばいいのか,それは体験を通して使えるようにならなければなりません。学力とは使い道を学ぶことなのです。能力は教えられるものではなく,自分が学ばねば獲得できないものです。このできるという能力を,「生きる力」と称しています。
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★落書き★
日本人になじみ深いファーストフード店にマクドナルドがあります。創業者はレイ・クロック氏で,マクドナルド兄弟が経営していたレストランのフランチャイズ権を買い取り,1955年,アメリカのシカゴ郊外のデスプレーンズに第1号店を開業しました。その建物の両側の地面から屋根に向かって金色の2本のアーチが設けられました。横から見ると「M]に見えることから,これを元にしてロゴが考案されました。マクドナルドの頭文字ではなかったのです。
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●タイトル:『子育て羅針盤』 [Kosodaterasinban]
●発行期日:毎週月曜日正午(2000年09月25日より)
●発行責任:モリのクマさん(HP「徒然窓」〜プロフィール参照)
「徒然窓」= http://www5a.biglobe.ne.jp/~mbear
「連絡先」= mori-bear※mvd.biglobe.ne.jp (※を@に変更)
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