*** 子育ち12章 ***
 

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「第 101-11 章」


『子育ちは できない自分 スタートで』


■子育ち12試問■

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『子育ち第11試問』

【お子さんは,小さな失敗を経験していますか?】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,こどもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という5W1Hの問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第101版では,子ども自身や親が育ちの確認をしていくときに,状況を分析するキーワードとなる12の試問を選んで育ちを検討していくことにします。その構成は,奇数号では「私の育ち」を,偶数号では「私たちの育ち」という配置をします。私の育ちだけに意識が向くと,私たちという社会性に基づく仕合わせな育ちが疎かになります。あちらこちらで人のつながりに欠陥が見られる現状は,私たちという育ちから得られる「私たち」という意識が未熟だからです。そのことに注目して,羅針盤を手元に設定していただくようにお願いいたします。

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 《「小さな失敗を経験」ということについて説明が必要ですね!》

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 ○失敗しないように育てて,いったい何処がいけなかったのでしょうか?

 失敗しないようにしていると,子どもはいつも安全圏に閉じこめられます。親としては安心ですが,親も子どももここまでは大丈夫という限界が見えなくなります。親は子どもの能力の育ちが見えない,子どもは自分の実力が分からないので,自信が持てず育ちにブレーキを掛けて臆病になるか,抑えが効かず暴走するようになります。

 失敗したところは,子どもが最高の能力を発揮している育ちの芽に相当します。これ以上できないところで失敗をします。つまり,失敗の一歩手前までは子どもの能力が育っているのです。スポーツの練習でももうちょっとでできそうなところを繰り返し練習するから,できるようになっていきます。

 失敗をさせないということは,この育ちの芽を握りつぶすことになります。失敗しないように育てることは,育てることにならないのです。育てるとは失敗を上手に引き出すことから始まると考え直すべきでしょう。子どもが余計なお手伝いをかってでて,かえって手間がかかることがあります。そんなしくじりをさせてやれるのは,ママしかいないとあきらめてください。

 ・・・失敗の繰り返しが,親も子も育ちの年輪を刻んでくれます。

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 ○過保護と保護の違いは何なんでしょうか?

 親は保護者ですから,あれこれ気を遣って保護します。ところが,最近の親は過保護であると言われてしまいます。過保護とは子どもができることまで親がしてやることと考えられています。確かにそういうことなのですが,肝心な点が今ひとつ分かりにくいので,親は自分の過保護に気づくことができません。肝心な点とは,「子どもができること」を親が正しく見極めているかということです。親は誰でもどちらかといえば心配性ですから,保護するためにいつも安全な所に子どもを置こうとします。それが過保護につながるのです。

 例えば,赤ちゃんが伝い歩きをはじめるときです。ふらふらしていますから,転ぶとテーブルの角に頭をぶつけるおそれがあります。そこで保護者としては転ばないように赤ちゃんの身体をそっと支えるでしょう。それが過保護です。保護するというのは,転んでも怪我がないように,テーブルの角に親の手を待機させておくことです。大切なことは転ばせることです。転ばないように歩くのが,歩くという育ちだからです。転ぶことを取り上げたら,歩く練習にはなりません。繰り返しますが,転ばなくなったときが歩く能力のできあがりです。

 小学生であれば,朝遅れないように親が起こしています。起こし忘れたら,親に文句を言うようになります。自分で起きるようにし向け,何度か遅刻をさせたらいいのです。もちろん,一時間目には間に合うように保護者として起こしてやらねばならないでしょう。小さな失敗をさせて,どうすれば失敗しなくなるか何度も練習するチャンスを与えないと,起きるしつけは成人するまでできません。

 子どもはできないことばかりです。できるようになるためには,小さな失敗をさせながら,ゆっくり育て上げなければなりません。今,子どもはできないから親が保護してやっている,できることをしてやっているのではないので過保護ではないと考えていたら,育ちの邪魔になります。

 ・・・小さな失敗を取り上げることが,育ちの邪魔をする過保護です。

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 ○0点は好きですか,嫌いですか?

 我が子の短所を思いつくままに数え上げてください。五本の指では足りないかもしれません。では次に長所を挙げていってください。即座に三つまで言えたら親として立派ですし,このマガジンは無用でしょう。普通はなかなか思い出せませんが,だからといって悲観しないでください。そのためのマガジンなのですから。

 子どもはほめて育てるように言われます。でも,我が子はほめようにもほめるところがないという声も聞こえます。何をほめるかが曖昧になっているからです。100点取れたらとか,クラスで一番になったらほめてやれるでしょうか。ほめる子育てとは,そういったものとは違いますよね。

 赤ちゃんが立っちできるようになったら,家中でほめましたね。歩き出した日は記念日になったことでしょう。子どもが大きくなってくると,課題も難しくなります。「ママ」や「パパ」としゃべりはじめたときは,笑顔でほめてやったのに,「本は一冊,鉛筆は一本,犬は一匹,鶏は?」と数え方をすべて覚えてくれないとママはご機嫌斜めです。「鶏は何て言うの?」と問いつめられて,幼い子どもは「コケコッコー」と答えます。

 試験の点数は0点から100点の間ですね。どうしてなのか知っていますか? 試験の採点をしているとひどい間違いをしていて,マイナス点をつけたいと思うことがありますが,採点者はマイナス点を使えないのです。どんな間違いをしても0点なのです。社会では間違いに対して罰点としてマイナスがあり得ます。しかし子育ての場では決してマイナス点をつけないのです。間違いはすべて水に流して,できたところだけにプラスの点数を与えます。言い換えれば,「できたね」とほめる点数しかないのです。

 子どもは勉強する前は0点です。勉強したからプラスの点がつきます。これが過去これまで全国で実行されてきた「ほめる子育て」です。ところが,何を勘違いしたのか,子どもは最初から100点を持っているはずと考えて,評点が60点なら40点も間違えたとマイナス点を持ち込んできました。これでは叱る子育てに裏返ってしまいます。0点が60点まで増えたのですから,ほめられるはずです。できなくて当たり前,できたらほめる,それがほめる極意です。 

 ・・・0点の意味をもう一度再確認してください。

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 《小さな失敗体験が育ちのエンジンを回しはじめます》

 ○叱咤激励という言葉があります。叱って激励することですが,この逆説は今時の子どもには通じないでしょう。昔のように子どもがたくましく育っているなら,負けん気を引き出すことが出来ました。本来励ましとは,失敗したときに「気にしなくていい」と言ってやることです。まず親が子どもの失敗を気にしなくなることですね。

 【質問11:あなたのお子さんは,小さな失敗を経験していますか?】

   ●答は?・・・もちろん「イエス」ですよね!?



 育ちを意識できるのはどういう状況にあるときでしょう。思うとおりに出来ないとき,自分が未熟であることに気付かされ,なんとかできるようになろうと努力して,やっとできるようになったとき,育ちを確信することができます。なんとかできるように願いながら,そのときにすべきことがまねるという学習活動です。学習によって育ちが動いていきます。

★落書き★

 何かの課題に取り組んでいるときに,とっておきの策や、簡単には披露しない秘密の手段のことを,奥の手といいます。この奥の手とは,左右どちらの手でしょうか? 日本では古来、右よりも左の方が尊いと考える習慣があり,宮中で行われる儀礼の序列も向かって左側が高位とされています。そこで,普段はできるだけ使わず,ここぞという時にだけ大事なものを使うのが人間の習性であることから,奥の手と呼ぶようになったそうです。

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