『子育ちは 学んで試し 積み重ね』

■子育ち12確認■
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『子育ち第12確認』
【お子さんに,学び方を教えていますか?】
《まえがき(毎号掲載)》
子育て羅針盤では,こどもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という5W1Hの問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
この第102版では,親が育ちの確認をしていくときに,状況を判断するキーワードとなる12の自問を選んで育ちを検討していくことにします。その構成は,奇数号では「私の育ち」を,偶数号では「私たちの育ち」という配置をします。私の育ちだけに意識が向くと,私たちという社会性に基づく仕合わせな育ちが疎かになります。あちらこちらで人のつながりに欠陥が見られる現状は,私たちによる育ちから得られる「私たち」という意識が未熟だからです。そのことに注目して,羅針盤を手元に設定していただくようにお願いいたします。
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《「学び方を教える」ということについて説明が必要ですね!》
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○真似させよう?
幼児期にはいつの間にか身に付くという学び方をしています。親の真似をしているうちにできるようになります。第1版でも紹介しておきました「まねる=まねぶ=まなぶ」という言葉の変化は,自然な学び方を示唆しています。
ある家で母親たちが集会をしていました。その家の幼い子どもが部屋の前にやってくると,乱雑に脱ぎ捨てられているスリッパを揃えはじめました。いつもきれいに揃えられているからです。幼子は別に意識してはいません。いつものパターンと違う,揃っていないと何か違うと感じられて無心に揃えているのです。
習い事のはじめはわけも分からないままで形から入ることがあります。よいものをいつも目にしていると,乱れに違和感を感じて,いつものものに戻そうとします。それが暮らしの中でのしつけです。よい手本を与えること,親がチャンとすることによって子どもに真似をさせることが学び方の出発です。
・・・よい原画でないとコピーはぼやけてしまいます。
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○ぎごちなさ?
「歩んよは上手」と育ててきましたね。やがて歩くのが当たり前になり走ってまわるようになります。スポーツなどでも下手な初心者は動きがぎごちないものです。上手になるためには,練習によって慣れるしかないようです。では,慣れるとはどういうことなのでしょうか?
いろんな調査を見ると,子どもたちの体力は昔に比べて伸びていますが,不器用になっているようです。転び方が下手になって,顔面を打ってしまうという例もあげられます。暮らしの中で何度もつまづきながら,上手に転ぶ能力を身に付けていないからです。
コップの水をこぼさずに運ぶ動作は,力があればできるかというと,そうではありませんね。筋力のコントロール能力が必要です。全身の神経系を精一杯に働かせてやらなければなりません。この微妙な力加減を練習から学び,その繰り返しによって神経系に記憶させることが,慣れるということの内容です。動きがぎごちないのは,自然な力の配分を会得していないからなのです。
・・・自然な動きをしようとすることで,神経系が学びます。
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○限界を知る?
人がたくさんの知恵を蓄えてきた目的は,物事の成り行きを予測する力をつけるためです。動物は第六感に頼りますが,人は理論的な推察を手にしています。「こうだからこうなる」という知識を持っているので,結果を想像し予測することが可能になりました。
大人は「一年の計は元旦にあり」と思い,子どもは休みの計画を立てます。その甲斐なく計画倒れに終わります。「こうだからこうなる」という知識に頼って立案した計画は,予想しない展開によってご破算になります。その苦い体験から「世の中は人の思い通りにはいかない」という人生訓が生まれます。つまり人の思いとは完全な推論ではあり得ないということです。大切なことは,不完全な知識を責めることではなくて,知識の使い方です。新しい展開を組み込んで考え直すことです。
子どもは,何かし始めていても,簡単に「だめだ」とあきらめてしまうことがあります。そこで何が問題かを見極め,何とかしようとするかどうかが学びの分かれ目です。すなわち,自分の持っている知識や能力の限界を素直に認めることができるかどうかです。出直ししようとすれば,大人に尋ねるなり,勉強するなり,いろんな学び方ができます。自分の知識を常に修正し続けようとする学び方が,伸びる学び方です。
・・・どうすればできるかを考えるために,人は学び続けます。
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《学び方とは,子どもが納得できる形で知恵を獲得することです。》
○教えてできることは教えればすみます。学ばなければできないこともたくさんあります。気持ちとか行動といった生きる上で基本となることは,学ばなければなりません。マナーは頭で覚えればすみますが,優しさは教えただけでは身につきません。ロボットのようにメモリーしたプログラムどうりに動くものではないからです。心は学ぶことによって備わります。
【確認12:あなたは,お子さんに学び方を教えていますか?】
●答は?・・・もちろん「イエス」ですよね!?
昔から親は後ろ姿で教えると言われていますが,それは同じ向きになるという点が大事なことなのです。子どもにとっては最もまねしやすい位置関係です。最近のママは子どもをおんぶしなくなりました。おんぶすれば親の背中で子どもは常にまねできる態勢にいるわけですから,自然にいろんなことを覚えていくはずですが,そのチャンスを与えていないことは残念なことです。
★落書き★
手遅れなことを後の祭りと言います。祭りとは,京都で7月に行われる祇園祭のことです。山と鉾が練り歩く山鉾巡行は,八坂神社の神輿渡御の日に合わせて2回行われ,7月17日が前菜,24日が後祭です。一番の見物は豪華絢爛な山鉾が数多く練り歩く前祭。後祭は山鉾が少なく規模も小さい。前祭を見逃してしまい,後祭にやってきた人ががっかりして発した言葉,それが「後の祭り」でした。やがて,タイミングを逃したことを表すようになりました。