*** 子育ち12章 ***
 

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「第 48-01 章」


『子育ちは よく考えて 決める子に』


■子育ち12習慣■

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『子育ち第1習慣』

【熟考してから判断する】

●人にはものを考える能力がありますが,思考はともすれば発散することがあります。あまりにも考えすぎると臆病になることがあります。引っ込み思案の子どもは,考えなくていいことまで考えて、身動きがとれなくなります。そのような自分を悔やんで落ち込むと自己破壊的になるかもしれません。人は思い通りにならないこともあって,問題に直面します。そのときに考えるという回路が立ち上がります。時として,問題の解決を考えるのではなく,問題があることを考えて思い悩むことがありますが,それは考えるとは言いません。

●子どもの下校時に見守りをしていると,注意不足が目につきます。おしゃべりに熱中して,自分が今危険な道にいるという気配りが全くできていません。いきなり飛び出していきます。慣れた通学路なので,周りの状況に注意をするという緊張感が薄れているのでしょう。自分の身を守る用心が疎かになっています。大人は子どもの安全を確保しますが,現実的に100%の安全は不可能です。子ども自身が自分の状況をきちんと考えて安全確保の判断をしなければ,結局は危害を受けるのは子ども自身になります。

●普段し慣れていることをするときは,何も考えません。未経験な新しいことをするときに,人は考えます。ところで,するかどうかを考えると,ほとんどの場合にやめておく理由を考える傾向があります。考えるとは,実現する方策を考えることです。しない理由を考えても言い訳に過ぎず,意味がありません。新しい行動につながるように考える,それが熟考することであり,考えた方策に沿って実行しつつ,その成り行きをよく見極めて,考えの正否を判断するようにします。

●子どもの時は,親や大人に「しなさい」と命じられて,しぶしぶすることが多いでしょう。うまくいかないときには,無理なことをさせる大人を責めるようになります。それでは良い経験にはなりません。しなさいと言われたとき,言われたからするのではなく,しなければならないわけとか,したらどんなことが待っているのか,一度自分で考えてみるようにします。自分で考える手続きを踏むと,自分がしようと判断したことになります。考えることによって,自分の行動が自分の経験になります。

●物事を考えるためには,物差しというか,基準というか,メガネというか,拠り所の自覚が不可欠です。子どもについてよく話題になるのが,虚実の逆転です。例えば,テレビが伝えることは世間では珍しいことです。それを世間一般のことと勘違いすると,判断を間違えます。大人はみんな悪いことをしている,と子どもは言います。テレビで報道される悪い人は特別な人であり,世間の大人はほとんどが真面目なのだという実態を正しく認識させなくてはなりません。

●考えて判断するときに,絶対という言葉を使わないことが賢明です。熟考するために用いた情報は全部が揃っていなかったり,曖昧な部分が紛れ込んでいたりするものです。そこからでてくる判断も幾分かは曖昧なものになります。想定外という言葉があるのは,思いもよらないことが紛れ込むということです。判断したことがとりあえず今の時点での次善のものと見切り,想定外のことに対する備えをしておかなければなりません。また,絶対とか,完全ということはあり得ないと思っていれば,判断に余裕が生まれます。



 今号から「子育ち12習慣」の版を始めます。子どもの中にいるもう一人の子ども,自我という存在が自分を支配できるようになることが,自立するということです。言われてするのではなく,自分のことは自分で決める,それが人としての尊厳です。自分で決めるためには,自分で考える力を養わなければなりません。そのためには,考えるという習慣を身につけてよい経験を重ねる必要があります。親の言う通りに育てようと,子どもの自我を追放しないで下さい。

★落書き★

 男の子が時々考えることですが,地球を掘り進んで反対側まで穴を掘って,そこにものを落としたらどうなるでしょう。地球貫通トンネルに鉄球を落としたらという計算によると,鉄球は落ちていくにつれて速度が増して,中心では時速3万キロになるそうです。その後さらに反対側に向かって動いていきますが,そこでは速度が減っていき,反対側の地表についたときには速度はゼロになります。このトンネルを通過する時間は90分です。鉄球の代わりに列車であったら,90分で地球の反対側まで行けるのですが・・・。


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