*** 子育ち12章 ***
 

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「第 48-02 章」


『子育ちは 自分を許し 他も許し』


■子育ち12習慣■

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『子育ち第2習慣』

【自分と同じに人を許す】

●人は孤独では生きられません。最近のキーワードである「絆」も人とのつながりのことです。この大切なつながりも,すべてのつながりが気持ちの良いものとはなりません。避けたいつながりもあり得ます。さらには,いじめなどの忌避すべきつながりもあるでしょう。その現実を認めると,誰とでも仲良くするということにこだわればつらくなるだけです。つかず離れずの,距離を置いてもいいというつきあい方を覚えた方が楽になります。そう考えると,人から距離を置かれても,お互い様と受け止めることができます。

●人とのつながりがこじれることがあります。こじれたことによる不快感を払拭するために,相手が悪いと思うようになります。精神衛生上の自然な反応でしょう。そうなると,相手が謝ってこなければという条件を振りかざして,修復の踏み出しができなくなります。人とのつながりは基本的にお互い様なのだと考えると,道が拓けてきます。相手を責めるのは半分にして,自分にも半分の責があると認めてみることです。半分までなら,譲歩しても,感じるかもしれない悔しさは大きくないでしょう。大人が取りなしましょう。

●ひところ,キレルという言葉が注目されました。マイナスの感情に過敏に反応して,過剰な行動を引き起こす人が現れてきたので,驚きが強かったのでしょう。どうということのないことなのに過剰反応をされると,付き合いづらくなります。それがまた気に障ることになって,状況は悪い方に動いていきます。売り言葉に買い言葉という弾みがついてしまわないように,深呼吸をして頭を冷却します。たとえ皮肉であっても,気にしなければどうということはありません。こせこせしないで,堂々とした気持ちを育ててましょう。

●自分で自分が思い通りにならないのですから,ましてや人を思い通りに動かすことなどできません。できたとすれば,それは脅しやだましといった尋常ではない手段を使っているはずです。人と思惑が違ったとして,それは誰のせいでもありません。責め合うことではなく,お互いを理解する努力が必要なのです。自分の思惑にこだわり,他を許さないのは身勝手になります。子どもは生きるために身勝手になりますが,ゆっくりと焦らずに,なだめてやりながら,折り合いを付けることを教えてやりましょう。

●怒りや恨み,敵意などを内にこもらせている人は,精神的にも肉体的にも自分自身を傷つけてしまうと,心理学者は認めています。自分を不当に扱った人を許すことは容易ではありません。断固とした対抗措置が必要な場合もありますが,水に流すという対処が有効な場合もあります。単に忘れることではなく,例えば,相手が何をしたのか細かく記したり詳しく話したりし,最後に相手を許してみます。そのことを相手に知らせる必要はありません。大事なことは傷ついた気持ちを表に出すことです。気持ちを捨てることができます。

●自分が不利益になることを我慢します。そうすれば,嘘をついたりだましたりしなくて済みます。一つ嘘をつくと,その嘘を守るために嘘を重ねて身動きがとれなくなります。報道の中でスピー違反を逃れようと暴走して大きな事故を起こすといった事例があります。最初の不利益を引き受ければ軽く済むのが常識です。さらに,人の嫌がることをする,嫌なことを引き受ける気概を示せば,人を生かそうとする思いやりになり,人とつながる絆が結ばれます。損をするバカな自分を許す,そういうときをたまに持ってみましょう。



 もう一人の自分が自分を動かす力を持ったとき,自立の状態に入ります。そこで,自尊心が芽生えてきますが,その支柱役を務めてくれるのが,周りの他者です。親はしっかりと支えてくれますが,他者は冷たい風として自分に吹きかかります。風に震える自分を感じるから,自尊感情が鼓舞されます。寒気を感じて芽吹きのスイッチが入るという生命の動きがあります。自尊感情は我が儘感情ではなく,抑制の利いた我が身大事の感情でなければなりません。効きのよいブレーキがあるから,アクセルを安心して踏み込むことができます。

★落書き★

 学校の音楽室には有名な音楽家の肖像画が飾られています。バッハ,ハイドン,モーツァルトなど,きれいにカールしたヘアスタイルです。ところが,ベートーベンだけはボサボサの天然パーマ風のロングヘアです。この違いに意味があるのでしょうか。音楽家は王侯貴族をパトロンとして生活をしていました。そこで,宮廷サロンでの正装としてカールヘアのカツラをかぶっています。一方,ベートーベンは芸術家として王侯貴族にへつらうことなく自立する道を選んだので,カツラをかぶる必要がなかったのです。


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