*** 子育ち12章 ***
 

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「第 51-06 章」


『子育ちは 言葉で知恵を 紡ぎ出し』


■子育ち12因子■

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『子育ち第6因子』

【社会的対処】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。2つの領域にそれぞれ6つの視点を重ねると,12の論点が生じます。
 第1の誰が育つのかという問には,鏡に映っている自分を見ているもう一人の自分が育つと考えます。しっかりしろと自分を励ましているもう一人の自分が育たなければならないのです。これまでの子育て羅針盤の形式に添って,奇数章では,もう一人の自分の育ちを考えていきますので,この版では特別に分かりやすいように「主体的」という言葉を冠します。偶数章では,人は社会生活が必至なので,自分は他者と対等な関係を持つことができるように育つと考えて,「社会的」という言葉を冠します。他の5つの視点についても,同様とします。

《対処》
 言葉は物事を切り取りますが,意味を明確にするために,切り捨てる部分があります。よい子,わるい子と言いますが,実際の子どもはふつうの子です。暑い寒いと言いますが,暑いのは夏,寒いのは冬で,春秋は暑くも寒くもないちょうどよいとしかいいようのない季節です。背の高い人,低い人といいますが,ふつうの人に比べてということです。言葉で物事を考え状況に対処していますが,その言葉は,現実の一部分を表現しているものでしかないことを留意しておかなければなりません。

○お子さんは,臨機応変な頭の切り替えができていますか?

 人はいつも期待や望みを持っていますが,現実は常に嫌がらせをしてくれます。そんなはずではないのにという,想定外のことばかりです。思い通りにならない状況に直面して,一瞬の戸惑いがあるでしょう。そこで気を取り直すことができるかどうかが,好転できるかどうかの決め手になります。もう一人の自分が,ドンマイ(Don't mind) と切り替える言葉を発すれば,自分の頭は切り替わっていきます。言葉は呪文という要素も持っているので,励ましや慰めになる言葉を持たせるようにしましょう。

○お子さんは,討論で自分への反対意見はその場だけのものと割り切れていますか?

 討論や議論という場は,スポーツの試合の場と同じです。試合中は敵味方の関係だけですが,試合の外では敵対関係を控えて,友好関係になるべきです。ときにファンが場外にまで敵対関係を持ちだして争うこともありますが,それはルールに反します。討論は対立する意見の応酬ですが,そこでもし勝ち負けが出ることがあっても,討論を終えた後は論点に拘らない関係に戻るべきです。もう一歩進んで,討論で反論があるということは,持論をより高めるチャンスと捉えるべきで,しこりは無用にすることが正道です。

○お子さんは,難しいことでも解決するためにいろいろな方法を考えていますか?

 人の能力は限られています。子どもはなおさらのことです。だからといって,できることが全くないということにはなりません。さっさとできない,ちゃんとできないということはあっても,時間を掛けたり,やり方を変えることで,なんとかこなすことができるものです。子どもには届かない高さも,椅子に載れば届くようになるということです。解決する方法を実現するためには設計図が必要であり,そのイメージを構想する道具が言葉の組合せです。「椅子に載れば」という言葉を見つけることが考える力なのです。



 社会にはいろいろな役回りがあります。親であれば,PTAという組織との関わりが出てきます。順番だから仕方なしに役を引き受けるということもあるでしょう。余計なことには関わりたくないという気持ちがあっても,その気持ちに正直であることはわがままになります。嫌々ながら1年だけ我慢するということであるなら,大人として恥ずかしいことです。するからには嫌々という気持ちを切り替えて,すすんで役に取り組んだ方がお得です。何より,嫌々というのは逃げる姿勢になるので,子どもに誇ることができません。

★落書き★

 生きていれば,どこにいてもストレスがあります。ストレスを抱え込んでしまい,うつ気分になります。そんなとき,気分転換のために,軽やかで明るい音楽を聴いたらよさそうです。ところが,暗くてうつうつした曲の方がリフレッシュ効果は大きいそうです。クラシックでは,フォーレ,モーツアルト,ベルリオ−ズのレクイエムなどがお勧めということです。心理学で同質効果と呼ばれる現象で,音楽療法の研究で分かりました。落ち着かないときはテンポの速い音楽がいいようです。


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