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「第 51-11 章」 |
『子育ちは 育ちの意識 あってこそ』
■子育ち12因子■
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『子育ち第11因子』
【主体的意識】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。2つの領域にそれぞれ6つの視点を重ねると,12の論点が生じます。
第1の誰が育つのかという問には,鏡に映っている自分を見ているもう一人の自分が育つと考えます。しっかりしろと自分を励ましているもう一人の自分が育たなければならないのです。これまでの子育て羅針盤の形式に添って,奇数章では,もう一人の自分の育ちを考えていきますので,この版では特別に分かりやすいように「主体的」という言葉を冠します。偶数章では,人は社会生活が必至なので,自分は他者と対等な関係を持つことができるように育つと考えて,「社会的」という言葉を冠します。他の5つの視点についても,同様とします。
《意識》
する気がないと何もできません。意欲があれば,がんばることができます。もちろん,気持ちだけで事がなるわけではありませんが,だからといって気持ちは不要とはなりません。本能的な能力の他,人間としての行動能力は,意識の管理下で発揮されます。したがって,能力の開発という育ちも,意識に導かれているはずです。今は勉強をする時間であると意識できなければ,教室は意味のない場になります。きつい練習が向上のための必須のプロセスであると意識できるとき,立ち向かっていくことができます。
○お子さんは,粘り強さと熱意を持っていますか?
もう一人の自分が抱く熱い意識は,自分の中にある能力の開花に伴う苦しみを粘り強く耐えさせてくれます。母であるという熱い意識が,産みの苦しみを粘り強く耐えさせてくれることと同じかもしれません。子どもの大きくなりたいという熱い意識は,子どもであるという現実を親・大人と共有することで培われます。甘やかされて育てられていると,子どもであることを感じなくなり,育ちの熱意が湧きあがらなくなります。育ちは与えられるものではなく,粘り強くつかみ取るものであることを教えましょう。
○お子さんは,失敗しても,いい経験をしたと立ち直っていますか?
育ちの基本形は,失敗しなくなることです。例えば,持ち点0点が,学びによって間違えなくなると,20,30点と問題をクリアしていきます。失敗しないように何もしないでいると,失敗しなくなるという育ちができません。失敗することが育ちのスタートになるのです。失敗することで,自分の能力の限界が理解できますし,できない部分が明らかになるので対応を改善する工夫が可能になります。間違えたと嘆くだけで放置するのではなく,自分の間違いにきっちり向き合うことが反省という前向きな経験です。
○お子さんは,どうにかなるだろうと開き直っていますか?
失敗したとき,どうせ無理だからと,諦めてしまうことがあります。もう一人の自分が自分の力を見限ってしまうと,育ちは停滞するしかありません。駄目で元々,やるだけはやってみようと,おおざっぱな気持ちで,前向きに取り組む意識が,育ちを進展させます。どうにかなるだろうという開き直りが,育ちを楽しいものにしてくれます。どうにかしなくてはならないと自分を追い詰めると,育ちがきつくなります。どうにかなるだろうというくらいの軽い気持ちが,長続きをするこつです。育ちは長丁場なのです。
学校とは,学ぶところです。それがどうかしましたか? どうかしているのです。学校を教えるところだと勘違いしています。学校は教習所とは違うのです。誰のものかということです。学ぶのは子どもです。教えるのは大人です。そうです。学校は子どもが学ぶところであり,大人が教えるところではないのです。このことを考え違いしないようにしないと,学校運営を間違います。義務教育とは,子どもの学びを保障することであり,そのための施設が学校です。
★落書き★
血液を失うと生きてはいられません。その血液は,どこで作られているのでしょうか? 心臓ではありません。心臓はポンプの役割をするだけです。血液は骨で作られます。頭蓋骨,胸骨,脊椎骨,肋骨,手の付け根の手根骨,足首の足根骨などです。そこに血管が入り込んで,新しい血液を運び出しています。毎日2000億個以上の赤血球の他,白血球も作られています。骨はただ者ではありません。
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