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「第 57-04 章」 |
『子育ちは 人を信じて 信じられ』
■子育ち12針路■
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『子育ち第4針路』
【信頼の人あり】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
《何処で育つのか(私たちの育ち)?》
今この時期に,全国の小中学生全員に法務省人権擁護機関から「SOSミニレター」という用紙が学校を経由して配付されています。(註:便箋部分と封筒部分があり,便箋に相談を書いて,封筒を作って投函すれば,返事が届くというシステムです)。相談の中に,親や先生には言わないでという但し書きをしてくるものがあります。最も身近にいる大事な親や先生に心配をかけたくないという気持ち,自分の弱みを知られたくないという思い,あれこれ問い詰められるという怖れ,いろいろあるようです。
子どもたちの付き合いもかなり気配りをしているようです。ネットでのつながりが主になっていると,その手軽さ故に即応することが強いられています。返事が遅れると,付き合いにヒビが入るという惧れを感じています。ビクビクした付き合いは,不安の温床でしかありません。「ありのままでいい」というメッセージが子どもたちの気持ちをつかんだ背景には,そう言ってくれる人を潜在的に求めているということであり,そういう人に親や先生,友達がなっていないということです。
嫌われないように気配りしなければならない,つながっているためには面白おかしくしていなければならない,そういう人間関係では,育つことはできません。失敗しても,弱くても,嫌われることはない,どんな状況であっても信じて頼っていいという人,信頼できる人がいてこそ,そういう人になりたいと,信頼関係を結ぶように育っていきます。周りに信頼できる人がいると,自分がどう思われているかを気にして心の病に追い込まれこともなくなります。もう一人の自分が自分を信頼することができるからです。
親への信頼関係を回復するにはどうしたらいいのでしょう。他人の悪口を言わないことです。面と向かっては仲良くして,家族の中ではあれこれ非難・中傷するという,人間関係の裏と表を見せていると,子どもは,自分も陰では何を言われているのかと怖れるようになり,信頼を疑いに塗り替えてしまいます。子どもとの関係だけに気をつけるのではなく,親がしてみせる人間関係すべてが子どもを育てていると思っている必要があります。
★落書き★
秋になると山も庭も紅葉が景色を彩ってくれます。赤や黄の色素が緑の後に生まれ出てきたように見えます。紅葉の色成分であるキサントフィルやカロチンは,緑の成分のクロロフィルと共にもともと葉に含まれています。陽射しの強い春から夏には緑のクロロフィルが圧倒的に多いので他の色は隠されています。秋になると,クロロフィルは分解されて色あせるので,紅葉が現れてくるのです。子どもの能力も,後から湧いてくるのではなく,今の子どもに備わっているものです。
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