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「第 60-02 章」 |
『子育ちは はじめわがまま 抜け出して』
■子育ち12明暗■
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『子育ち第2明暗』
【傲慢】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
この第60版では,私の育ちの項では良い選択を,私たちの育ちの項では悪い選択を考えてみます。
《傲慢とは?》
傲慢とは,「極端に思い上がった気持ちになり,むやみに人を見下す様子」と辞書にあります。事例として,傲慢無礼が載っています。人の集まりでは,程度の差はあるものの,傲慢な物言いや振る舞いをする人がいるものです。端から見ている分には我慢できますが,関わることになると閉口します。子ども集団でも似た状況があります。見下すという意識は未熟ですが,自分勝手というか,わがままを平気で押し通すという形で現れます。子ども集団の自浄機能が発揮されると,育ちは促されますが・・・。
子どもは親や先生など大人を見習って育ちます。親の言うようには育たず,するように育つといわれます。子どもを見れば親が分かるともいわれます。親や先生は子どもに対して特に意識はしていないでしょうが上から目線で振る舞います。そのパターンを見習った子ども同士が互いに向き合うと,うまくいかないことが随所に出てきて,疲れてきたり,嫌になったり,人との関係が苦手になります。自分の思いと相手の思いが違うので,お互いに譲り合って了解し合うためには,自分を変えることを学ぶ必要があります。
子どもにやらせていると時間がかかるので,気忙しい大人はやってあげるという手間をかけます。子どもは自分でやる機会を奪われるので,自分の力の程度に気づくことができません。子どもはしてもらうことが当然という思いが育ち,まわりの人に要求する態度を伸ばしていきます。人を利用するという育ちを放置していると,楽して暮らす,人をだまして金を得ていくことを平気でやってしまうようになります。手間暇のかかることを子ども自身にやらせる,それが人に対する気配りの種を目覚めさせることになります。
子どもを保護しているつもりで,子育ちの邪魔をすることがあります。親の暮らしのパターンに合わせようとすると,子どもの能力がついていけない局面が出てきます。そこが育ちの部分なのですが,親の意向でカットということになれば,子どもは育ちをできなくなります。未熟でできない子どもを保護するのは当然ですが,次第に世話を控えて子どもに任せていく親離れに移行しなければなりません。親の都合が極端に押しつけられる事態,それが虐待につながっていくこともあります。ゆっくりお子さんとつきあってください。
★落書き★
品物を運送するときの梱包に段ボールの箱が使われます。時々「天地無用」と書いてあることがあります。どういう意味でしょう? 箱を逆さまにしてはいけませんというメッセージです。ところが,天も地も用がないと考えて,逆さまにしてもかまわないと思ってしまう人もいます。無用という言葉は,「必要でない」「禁止する」「用事がない」の3通りの意味があります。天地無用,口外無用では禁止です。無用の長物では必要でないです。無用のもの立ち入り禁止では用事がないです。ややこしいですね!
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