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「第 68-09 章」 |
『子育ちは 望ましい向き 導かれ』
■子育ち12改善■
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『子育ち第9改善』
【独育から共育へ】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
この第68版では,いわゆる「子育て」から「子育ち」への改善について,お伝えしようと思っています。子どもを育てよう,育てなければと願うあまりに,子どもの育ちに水を差したり邪魔をしていることになっていることに気付いてほしいのです。子育てでのしつけのつもりで叩いてしまうと,子育ちを壊す虐待になるといったことが起こらないようにしたいと願っています。決して子育てがいけないということではなく,子育ちとの上手な連携を保っていただきたいのです。
《独育から共育へ?》
苦しみや不安を独りで抱え込んでしまうと,くすぶってしまい,いつまでもグジグジするようになります。もう一人の自分が思うほど自分は強くはありません。自分の弱さや至らなさを見るのは嫌なものです。ましてやそれを人に知られるのはもっと嫌です。ごまかしたり,八つ当たりしたり,人のせいにしたり,自分を正当化しようともがきます。自分から目をそらしている間は,先には進めません。自分の弱さを出せる人がいると,心が解放され,気の毒素を排出できます。
人は環境に適合しようとします。そのプロセスが育ちであるということもできます。社会は大人が暮らすようにできあがっています。そこに適合するためには,大人に育たなければなりません。子どもの間は適応できないところもあります。そこを手助けし補ってくれる人が必要になります。その人が嫌々関わっているようだと,自分をお邪魔虫と思うようになり,自分を捨てかねません。楽しく関わってくれると,自分をドンドン押し出そうとします。
共同で掃除をしているとき,面倒だと思えば手抜きをします。すればいいんでしょうと,いい加減な作業になります。一事が万事で,掃除一つきちんとやれないようでは,育ちも手抜きになります。まじめにきちんと取り組むことで,掃除をすることの意味を納得できます。掃除をやり遂げた満足感と清浄感を体験できます。そのためにはまじめに取り組む仲間がいなければなりません。まじめさを認めてほめてやる大人が側についていなければなりません。
スポーツのチームにはいると,レギュラーメンバーと補欠選手に区分けがされます。常時出場する選手と一回限りの出場という差もあります。そこでは,いずれ正選手になるという目標があります。その目標に向かって,つらい練習に耐えてがんばります。今自分は何をすればいいのか,そのことが見えているから前進することができます。先が見えないと,今することも分かりません。子どもにとって先の目標,それは年長の子どもです。先輩がいれば,育ちは促されるのです。
子どもは当然のことですが,育ちが初めてです。自分がどう育っていくのか,全く未経験です。育ちということ自体が理解できません。未熟な自分が少しずつ育っていき,やがて大人になっていくと信じられたら,安心します。学年が上がっていくという経験は育ちを意識する大切な縁になります。そのために学年の違う友達がいたら,自分の成長が友達の姿を通して実感できます。それも遊ぶことではなくて,共同で一緒に苦労する中で自分を出すときが一番です。
一年365日のうちで,9月1日は特別の日です。2学期の始まりであるこの日は,最も自殺が多い日になっています。夏休みが終わるけど,学校に行きたくない,その気持ちに負けてしまうのです。子どもを無条件で受けいれてやる,そのような見守ってくれる存在があると信じることができれば,子どもは命を捨てずにすみます。学校がストレスになるのはどの子も同じかもしれません。生活の節目は特に気配りをして,子どもを見守ってやってください。
★落書き★
まず目を閉じて片足で立ってみてください。立ってから次を読んでください。どちらの足で立ちましたか? おそらく左足でしょう。ボールを蹴ったりするのは? それは右足でしょう。たいていの人は,足の裏の着地面積が左の方が広く,歩くときも左の方がやや着地時間が長くなっています。そこで歩く際には左右の足の踏み込みが違います。スイカ割りなどで目をつぶって歩くときは,まっすぐ進めなくて,スイカに届かないのです。目を開けていると,ずれを修正してまっすぐ歩けるのです。
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