*** 子育ち12章 ***
 

Welcome to Bear's Home-Page
「第 68-10 章」


『子育ちは 独りではなく 共にある』


■子育ち12改善■

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
『子育ち第10改善』

【自助から共助へ】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第68版では,いわゆる「子育て」から「子育ち」への改善について,お伝えしようと思っています。子どもを育てよう,育てなければと願うあまりに,子どもの育ちに水を差したり邪魔をしていることになっていることに気付いてほしいのです。子育てでのしつけのつもりで叩いてしまうと,子育ちを壊す虐待になるといったことが起こらないようにしたいと願っています。決して子育てがいけないということではなく,子育ちとの上手な連携を保っていただきたいのです。

《自助から共助へ?》
 変化が激しい世の中では何もかもがあっという間に古くなっていきます。いつも早く早くと急き立てられているようです。失っているのは時間です。ただの時間ではなくて,自分の時間です。テレビを視聴しているとき,目的を持って選んだ番組であればいいのですが,何となく見せられるままに時間を費やしていると,それは自分の時間を無にしていることになります。今日一日何をしていたかともう一人の自分が振り返るとき,そこに自分の時間がどれほど取れていたかが問題です。

 園や学校に出かけるとき,車に乗って行きます。早く着きたいという思いが強いのでしょうが,どうしてでしょう? ゆっくりと歩いていけなくなったのは,なぜでしょう? 2km以内は歩いて30分の距離です。出発地と目的地が点になって,その間は無視されています。歩いていく道すがらの楽しみを失っています。移動時間は無駄な時間と思うのは誰の差し金でしょう? 人は歩くことで健康になり,歩くことで賢くなり,歩くことで育ってきたのに・・・。もう一人の自分は知っています。

 人の噂も七十五日。悲しみは時が癒やしてくれます。時間の流れは治癒機能を持っています。機が熟す。時間の流れは熟成機能も持っています。生きている限り,変化はつきものです。育ちとは昨日今日明日と変化することです。今のままでは困る,そういった思いが親による子育てを急かせます。しかし,子育ちは日々着実に進んでいくのであって,今のままでは止まりません。望ましい変化を招くように育ちの環境を整えて,後はもう一人の子どもが自分の育ちを待っていればいいのです。

 育ちはゆっくりと進みます。久しぶりに出会った知人が「大きくなったわね」と子どもの成長を見てくれますが,親には育ったという意識は持てません。時間をかけてこそ変化が見えてくるほどゆっくりなのです。子育ちは,こうすればこうなると考える時間に比べると,とてつもなく遅いのです。長い間待たなければなりません。その待つ間に,期待を楽しむことになります。期待,もう一人の自分が期を待つのです。それはこうなればいいなと,小さな夢を見つけておけばいいのです。

 我慢の苦手な今時の子どもたちが心配されています。あるいは耐性が育っていないとも言われています。我慢は気持ちを抑え込まなければならないので,したくないことです。それでも我慢しよう,我慢した方がいいよと,もう一人の自分が自分と交渉する必要があります。そのとき,我慢したら後になってこんないいことがあると楽しみを持ち出して,交渉成立を促すことができます。自分にご褒美をあげる,その契約が希望というものです。もう一人の子どもが子どもを助けているのです。



 地元紙に載ったお母さんの投稿です。表題は「学校に行かない。それもありだ」。学校に行きたくないと玄関に座り込んだ息子に,「お母さんは家にいて勉強を教えることはできるよ。けど,友達も学校の思い出もつくってあげられない。それでいいの?」。彼は返事をせず,下を向いたまま学校に行き続けた。あのとき,私は「行かなくていいよ」と言ってあげられなかった。親としては「けど,・・・」という形で,心配事を持ち出して子どもを説得しようとします。まず,受け止めてやることです。

★落書き★

 シェパードや秋田犬などの犬がなじみである年寄りには,この頃の犬の種類は戸惑うそうです。チワワ,ダックスフンド,ポメラニアン,ハスキー犬などの犬種がありますが,国際畜犬連盟が公式に認めているのは339種,そうでないものを入れると800種以上になるそうです。人間がどんどん作り出したからです。生物学的には,イヌはただに1種類,「イエイヌ」となります。日本人,西洋人,黒人などと言いますが,みんな人間という1種類であるというのと同じです。


「子育ち12章」:インデックスに進みます
「子育ち12章」:第68-09章に戻ります
「子育ち12章」:第68-11章に進みます