*** 子育ち12章 ***
 

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「第 68-12 章」


『子育ちは 壁に出会って 学び出る』


■子育ち12改善■

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『子育ち第12改善』

【教わるから学ぶへ】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第68版では,いわゆる「子育て」から「子育ち」への改善について,お伝えしようと思っています。子どもを育てよう,育てなければと願うあまりに,子どもの育ちに水を差したり邪魔をしていることになっていることに気付いてほしいのです。子育てでのしつけのつもりで叩いてしまうと,子育ちを壊す虐待になるといったことが起こらないようにしたいと願っています。決して子育てがいけないということではなく,子育ちとの上手な連携を保っていただきたいのです。

《教わるから学ぶへ?》
 育ちは階段を上るように進みます。大きなステップを一またぎということはできません。小さなステップをこつこつと上っていけば,確実に上り詰めることができます。そこに必要なことは,あきらめないこと,途中で放り出さない意欲です。そのステップでつまずくことがあるでしょう。そのときに学びという手助けが必要になります。行き止まりと思ったことでも,誰かの導きによる学びがあれば,回り込むことができます。

 一を聞いて十を知るということがあります。ちょっとしたアドバイスによって,分からなかったことがスーッと分かってしまうことがあります。創造的な仕事にはたくさんの壁があります。違った分野の人と話すことで,ヒントが飛び込んできます。そのような学びによって,一つ一つがクリアされていきます。閉じこもっていては,堂々巡りになるだけです。学びは多様な人との出会いから生まれるものです。

 子どもたちが同年齢の中で育っていると,学びのチャンスはかなり狭まってしまいます。例えば,妹弟は姉兄と違って育ちが比較的早いのが普通です。うまくいかないことがあるとき,姉や兄を見て学んでいるからです。異年齢の集団は学びの場なのです。もちろん,大人やお年寄りといった大きな違いのある人とのつきあいも学ぶべきことがたくさん含まれています。その基礎があって,学校での教育が生きてきます。

 子どもは経験という階段を踏みしめながら,肝心なところで学びというパスワードを手に入れて育ちの階を上っていきます。もちろん必要なパスワードは個人的です。例えば,学校の授業の中で一通りのことが教えられますが,必要なことは子どもによって違います。たくさんの子どもを相手にしているので,あれもこれも与えられているだけです。自分にとって何が必要か,それを分かっていなければ,つまらない授業になります。

 大人になって大事なことは,できる力です。口で言うばかりで何もできない,そんな人はどんなに立派なことが話せても,居場所が無くなります。社会のあれこれを批評している大人は,どれだけ自ら実践をしているかという実績で反対に評価されます。パパは口ばっかり,中学生の子どもからそんな声が聞こえてこないように気をつけたいものです。してみせる,それが大人が子どもにしてやれる教育です。



 インスタ映えを狙って自慢の一品をアップしたり,いいねが欲しくて無茶ぶりをさらけ出したり,流行りとはいえ,落ち着きがないという印象もあります。いいねという賛同もその場限りの一瞬のことです。次から次へと変転します。際限のないものを追いかけて,まるでハツカネズミが輪の中を走り続けているようなものです。何か仕上げたい目標を見つけて,もう一人の自分がいいねと納得する努力をしてほしいものです。育ちは目標に向かう営みなのです。

★落書き★

 動物は食べているとき以外は,寝ている。だから,食べた後,消化に時間がかかる草食動物の睡眠時間は短い。ラマは2時間,ウシ,ヒツジなどは3時間くらい。チンパンジーやゴリラは昼間食べて夜眠るので9時間くらい。肉食動物は狩りをして食欲が満たされると寝るだけだから長い。オオカミは13時間。ライオンになると15時間以上。ネコは飼い主が餌を用意してくれるし,肉食なので草食動物のように消化に時間がかからない。20時間以上寝ていることがあるということです。


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